新日本プロレス：Best of Super J Cup 2019の分析
| 名勝負 | SJカップ準々決勝：SHO vs.ウィル･オスプレイ(8/23/19) |
| 好勝負 | SJカップ1回戦：エル･ファンタズモvs.ロビー･イーグルス(8/22/19) SJカップ1回戦：SHO vs.石森太二(8/22/19) SJカップ1回戦：ウィル･オスプレイvs.アメージング･レッド(8/22/19) |
①SJカップ1回戦：エル･ファンタズモvs.ロビー･イーグルス(8/22/19)
BotSJで仲間割れした上でこの一戦。
奇襲を試みたファンタズモの突進を交わしトペ、と
キャッチーな出だしでショート･カット。
フェイス/ヒールを押し出す初速は微妙でしたが、
攻守のバランスが寄ると安定。
ファンタズモが時間をかけたヒール･プレイで持ち味を見せ、
ロビーも流れ作りで貢献します。
両者噛み合っていて、
打撃の打ち合いの中で乳首をつねって外したり
ラッシュでストレートに盛り上げたりと
自由自在の攻防を見せてくれました。
ぎりぎり好勝負。
②SJカップ1回戦：SHO vs.石森太二(8/22/19)
奇襲を絡めての攻防から開始し、
そこにSHOの腕狙いも交えます。
しっかり試合時間を取っている中での
ショートカットの導入は難しいはずですが、
緊張感を保てていますね。
石森はムーブの入りを工夫してフックをかけているし、
SHOも王者になるのも近いと思わせる堂々とした試合運び。
アメリカの雰囲気感も利用していたのは見事でした。
終盤は少し変化に乏しい印象はあるものの
攻防自体は質が高かったですね。
ぎりぎり好勝負。
③SJカップ1回戦：ウィル･オスプレイvs.アメージング･レッド(8/22/19)
世界を股にかけるBITW状態のオスプレイ。
対するレッドはアメリカン･インディーを切り開いた
代表レスラーの一人で大先輩。
その背景は理解しますが、しかしてしかし、
ここまでドリーム･マッチとして仕立て上げれるとは思わなかった。
格式を作りながらレッドの全力をこめたトペは
非常にキレが良くオスプレイに引けを取りません。
また、オスプレイはヒールがかった試合運びで
レッドを引き立てていきますね。
椅子に座らせてのドロップ･キック等
絵姿を作ってシーンとして切り取り、
独立性をあえて高めることで
時間をかけた構築に合わせたシーン作りをしているのが妙技。
お互いにかけるリスペクトの思いと
そこから生まれる丁寧さが光りますね。
思いが先走ってエピック･マッチの形に当て込み過ぎでな所はありますが、
事前の予想を遥かに超える骨太のビッグ･マッチでしたね。
USインディーがやるようなドリーム･マッチを
新日が組んで成功させるとは。
お見事です。
文句なしに好勝負。
④SJカップ準々決勝：SHO vs.ウィル･オスプレイ(8/23/19)
出だしはオーソドックスで
SHOが腕攻め、オスプレイはチョップをベースに。
SHOのダメージ表現、
オスプレイのロング･マッチ構築どちらも見事なものです。
ヘビー級でも通用する王道の作り方を見せ、
スピード、変化球に依存せずとも
しっかり観客にフォローさせ、
30分マッチながら鑑賞眼に堪えうるものを維持している。
一つのニア･フォール後のアピールの入れ方で
単調にならずストーリーが生まれ
素晴らしい試合に仕上がりました。
ぎりぎり名勝負。
⑤SJカップ決勝：ドラゴン･リーvs.エル･ファンタズモ(8/24/19)
石森らが退場処分を食らっている隙にファンタズモが攻撃。
Jr.の動きを絡めない導入なので
熱量が少なかったもののリーのダイブが飛び切りで盛り上がり。
ただファンタズモは時間をじっくり使ってのヒール･スタイルで
リーも受け時には余り足を使わないので、
メリハリといってもフラットとピークの間の繋ぎが弱く、
構築の効率が少し悪いですね。
しかし決勝らしくダイビング･ダブル･ストンプによる
テーブル葬というビッグ･スポット+ファンタズモの流血。
これでちょっとやそっとでは覚めやらぬ熱量が生まれます。
そこからの一進一退は中々良く、
最後のフィニッシュも決勝のそれにふさわしかった。
好勝負に少し届かず。
(執筆日：8/?/19)
注目試合の詳細
なし試合結果
①SJカップ1回戦：エル･ファンタズモvs.ロビー･イーグルス(8/22/19)②SJカップ1回戦：SHO vs.石森太二(8/22/19)
③SJカップ1回戦：ウィル･オスプレイvs.アメージング･レッド(8/22/19)
④SJカップ準々決勝：SHO vs.ウィル･オスプレイ(8/23/19)
⑤SJカップ決勝：ドラゴン･リーvs.エル･ファンタズモ(優勝!)(8/24/19)