新日本プロレス:Best of NJPW 2019 Juneの分析
名勝負 | Jr.ヘビー級王座戦:ドラゴン・リー(ch)vs.ウィル・オスプレイ(6/9/19) |
好勝負 | NEVER無差別級王座戦:タイチ(ch)vs.石井智宏(6/9/19) IC王座戦:飯伏幸太(ch)vs.内藤哲也(6/9/19) Jr.ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.ロビー・イーグルス(6/29/19) |
@NEVER無差別級王座戦:タイチ(ch)vs.石井智宏(6/9/19)
場外で間を置くタイチに対し
石井はリングに寝そべって、と心理戦も噛み合って展開。
一方で石井のチョップとタイチのロー・キックで延々と打ち合ったりと
タイチが時折見せるタフな一面も見せてくれる。
石井はダウン・モードの受けですが、
相手の攻めの威力の感じさせ方、
時間調整の仕方ともに非常に優れていて見事。
石井の力強い攻めで終盤に向けて大きな流れを呼び込むと、
タイチも力強い振りをしたラリアット等でそこに乗っかる。
とはいってもタイチらしいダーティ・ワークも
もう少しあっても良かった。
正攻法過ぎる攻防なきらいはあった。
ぎりぎり好勝負。
AJr.ヘビー級王座戦:ドラゴン・リー(ch)vs.ウィル・オスプレイ(6/9/19)
演舞自体は鷹木戦と比べると普通ですが、
リーがいつもより受けターンを短くして
一進一退の頻度を高めているので、細やかにステップ・アップしていく。
中盤入り口、リーのトペは非常に勢いがあって実況席まで突っ込むレベルだし、
スポットだけでなくエルボーを使ったベース・ラインも
いつもより方法論が明確で芯があります。
後半戦。
過度な打ち合い押しではなく防ぎあいによる
一定量の焦らしがちゃんとあって、
その上で意表を突く変則さがある。
そして技炸裂で勢いづけてフローが生まれた次の瞬間に
場外へのラナを着地して時を止める。
この敢えてフローを止める大胆不敵なシフト・チェンジが最高に機能している。
その後も動きを完全にコントロールした上で相手とあてこんでいる。
観客の頭がついていけるスピード感で
それなのに凄いと感じることをするってのは一級品の技巧です。
BOSJ決勝に比べると大会の位置付け上
少々の枠組みがある中でここまでの最上級を見せてくれるとは思わなかった。
文句なしに名勝負。
BIC王座戦:飯伏幸太(ch)vs.内藤哲也(6/9/19)
飯伏が鋭い蹴りを叩き込んだ後
じっくり間を取りながら近づいていく。
非常に緩急の利いていて、物静かな凄みを醸している。
一方の内藤は観客/相手へのアピールを前面に押し出して賑やかに。
しかし表面的なようでいて、細かな部分までコントロールして観客の注視を集めている。
この2人による一進一退の細やかさ。
そういう実の部分で魅せた上で
問題のエプロンでの高速ジャーマン。
落ちどころが悪く飯伏の頭部がエプロンの角で折曲がります。
その直後少し時間を稼いだり、
それまでと違って本来の目的以上のシフト・チェンジも見られますが、
よく試合を止めずに進められるな、と驚きを隠せない。
ただジャーマン前に見えていた光景と見比べると
そのクオリティには戻らず上々の攻防レベルで
良くも悪くも終わってしまった感が残りました。
ぎりぎり好勝負。
CJr.ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.ロビー・イーグルス(6/29/19)
毎年恒例の黄金カードが今年は新日のカードとして実現したのだから
演者も観客も誇りに思っていることでしょう。
序盤から同ロープ走り連打など
スポット周りをシーンとして工夫を凝らしています。
一方で過剰ではなくベースラインは
あくまでゆったりと出し惜しみ出来ている。
一方でそのせいで10分過ぎからの
ロビーの脚攻めが余り必然性を感じない結果にもなっている。
ロング・マッチありきで構成が
短期的視点の積み重ねになっているきらいはある。
15分を過ぎるとオスプレイも反撃。
挑発的な振る舞いにロビーも応じて
俗人的に感情をぶつけ合います。
オスプレイの凄まじい連打の中、
ファンタズモと袂を別つストーリーで
シチュエーションを変えながらギアを上げていきます。
攻撃されたファンタズモが頭に血が上っているだけだと
ロビーを非難し無かったりと
全体的に30分超え(実はJr.王座戦上最長時間とのこと)の為に
少しくどくクオリティを落としている所はあるものの
この数え歌の魅力は十分に出し切っている。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:6/?/19)
注目試合の詳細
なし試合結果
@NEVER無差別級王座戦:タイチ(ch)vs.石井智宏(新チャンピオン!)(6/9/19)AJr.ヘビー級王座戦:ドラゴン・リー(ch)vs.ウィル・オスプレイ(新チャンピオン!)(6/9/19)
BIC王座戦:飯伏幸太(ch)vs.内藤哲也(新チャンピオン!)(6/9/19)
CJr.ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.ロビー・イーグルス(6/29/19)