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新日本プロレス:Best of NJC 2018の分析


名勝負 NJC決勝:棚橋弘至vs.ザック・セイバーJr.(3/20/18)
好勝負 NJC1回戦:マイケル・エルガンvs.石井智宏(3/9/18)

NJC1回戦:飯伏幸太vs.YOSHI-HASHI(3/11/18)

NJC1回戦:ザック・セイバーJr. vs.内藤哲也(3/11/18)

NJC準々決勝:ザック・セイバーJr. vs.飯伏幸太(3/15/18)

NJC準決勝:ザック・セイバーJr. vs.SANADA(3/18/18)

@NJC1回戦:マイケル・エルガンvs.石井智宏(3/9/18)
 ショルダー・タックルの耐えあい。
 求められていることを理解しているエルガンが
 適切に打撃で石井を削ろうとし、
 石井の良い見せ場へと繋げます。
 韻を踏みつつテンポをアップダウン・コントロール。
 一本気で尚且つ集中力も高い。
 間も長く取るべきときは長く取って魅せてくる。
 期待通りを期待以上でこなしましたね。
 終盤は雪崩式レイザーズ・エッジなど
 過酷な技で潰し合いを展開しました。
 文句なしに好勝負。

ANJC1回戦:棚橋弘至vs.タイチ(3/10/18)
 タイチのこずるい戦略は
 堂々としたエース棚橋を前に映える。
 棚橋も分かりやすい反撃で
 タイチのスタイルにフィットさせてきました。
 タイチが花道でパワー・ボムを狙った際に
 棚橋がラナに切り返してリングに戻りましたが、
 ここで即座に追撃に入るぐらい
 ヒールに対するリベンジ色を加えればもっとホットになったはず。
 リングに戻ってきたタイチに脚攻めというのは
 悪くないけれど少し弱い印象です。
 その脚攻めもハードな終盤では余り関係ありませんでしたしね。
 中々良い試合。

BNJC1回戦:飯伏幸太vs.YOSHI-HASHI(3/11/18)
 足りない部分を環境を使って補おうとするYOSHI。
 飯伏も予期せぬ切り返しやハードな受身で盛り上げ、
 それぞれが実直な工夫で試合を高めます。
 NJPWの団体の位置づけ上は特に重要ではないカードですが、
 その分自由にやれている印象で、
 この試合はDDTっぽいアングラ感がありますね。
 まさか観客2階席からムーンサルトまで飛び出るとは思わなかった。
 YOSHIがいつもながら良いアンダードッグっぷりを見せ、
 終盤まで盛り上がりました。
 ぎりぎり好勝負。

CNJC1回戦:ザック・セイバーJr. vs.内藤哲也(3/11/18)
 セイバーが執拗に腕攻め。
 内藤が小気味良く連撃を重ねるスタイルだからこそ
 セイバーのカウンターでサブミッションに捕らえるテクニックが際立ちますね。
 セイバーはこの試合、一本筋で押し通す攻め。
 海外では良く見せる構築ですが、
 日本でこれをやるとは思い切りましたね。
 それでもその決断は成功だったと言うしかない
 文句の無い緻密な積み重ねによる帰結でした。
 ぎりぎり好勝負。

DNJC準々決勝:ザック・セイバーJr. vs.飯伏幸太(3/15/18)
 他だと流れで流すところを
 1アクションも2アクションも早く
 カウンターを入れて細かく出来るのは
 このカードならではのものがありますね。
 サブミッション/打撃/ハイ・フライが横断的にミックスされ、
 相手と似たような動きで相手を上回り合う
 非常に良い正のスパイラルを描いています。
 素晴らしい試合でした。
 ぎりぎり好勝負。

ENJC準決勝:棚橋弘至vs.ジュース・ロビンソン(3/16/18)
 手堅く組み合わせやすいところから始めた後、ジュースが挑発。
 これを受けて棚橋が攻撃的になり、能動的に脚攻めを解禁。
 ジュースは疲労感をしっかり伝えながら反撃し、
 柵にもたれた棚橋にキャノンボールなど良い攻めを見せます。
 ただ疲労感を出し過ぎなきらいがありますね。
 コーナー上でそれぞれ股間強打してリセットする等
 構成、ステージ上げが明確で良好なものの
 上記の疲労感を中盤で切ってしまったものだから
 表現が変質せずドラマ性という点で物足りない。
 ジュースは後一歩物足りない試合がまだ多いですね。
 好勝負に少し届かず。

FNJC準決勝:ザック・セイバーJr. vs.SANADA(3/18/18)
 SANADAの試合運びはシンプルなだけに
 セイバーのサブミッション・スタイルが際立ちますね。
 それぞれ主張してから仕切り直すと
 SANADAがキレの良い動きで強引に持っていきます。
 中盤においてもセイバーはカウンター・スタイルにより
 SANADAの動きの良さを逆利用。
 良いライバリティになっていますね。
 尤もそれぞれ動きの良さをキーにしているので
 消耗度の表現に少し物足りないものがあります。
 終盤の攻防も綺麗な一進一退でストーリー性に欠けます。
 最後の一伸びがなかったものの十分に素晴らしい試合。
 ぎりぎり好勝負です。

GNJC決勝:棚橋弘至vs.ザック・セイバーJr.(3/20/18)
 強敵を撃破してきたセイバーのグラウンド・テクニックは
 棚橋との体重差を感じさせず、
 棚橋は執拗なヘッドロック戦略を狙うも
 セイバーに跳ね除けられる。
 それを受けてヘッド・ロックに再びこだわると見せかけてネック・ブリーカー。
 序盤の展開からして理が通っているし
 決勝としてのセットアップとして素晴らしいものがあります。
 上記のネック・ブリーカー後に
 セイバーが即座にアーム・バーに捕らえたのも
 意表を突く動きえ効果的でしたね。

 中盤、セイバーがじっくりと腕攻め。
 捻り「あげる」、この「あげる」の部分の動作で
 痛みを伝えてくるんですよね。
 棚橋も腕の痛みを背負いながら情熱的な反撃。
 この感情の持って行き方は流石です。

 決勝以下の試合と同じく、
 セイバーのレスリング色強い内容ですが、
 決勝とあってこれまでより更に長い30分マッチ。
 そのため一部間はもう少し絞ってふり幅を大きくしたかったですね。

 腕狙いから脚狙いに展開して終盤に突入。
 それぞれ気持ちの入った攻め合いで盛り上がりました。
 最後の逃れようの無い地獄サブミッションは
 フィニッシャーとして非常に優れていて印象的でしたね。
 セイバーがこの内容で且つNJC優勝するとは感無量です。
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:2/?/18)
 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@NJC1回戦:マイケル・エルガンvs.石井智宏(3/9/18)
ANJC1回戦:棚橋弘至vs.タイチ(3/10/18)
BNJC1回戦:飯伏幸太vs.YOSHI-HASHI(3/11/18)
CNJC1回戦:ザック・セイバーJr. vs.内藤哲也(3/11/18)
DNJC準々決勝:ザック・セイバーJr. vs.飯伏幸太(3/15/18)
ENJC準決勝:棚橋弘至vs.ジュース・ロビンソン(3/16/18)
FNJC準決勝:ザック・セイバーJr. vs.SANADA(3/18/18)
GNJC決勝:棚橋弘至vs.ザック・セイバーJr.(優勝!)(3/20/18)