新日本プロレス:Best of BotSJ 2018 part.2の分析
名勝負 | BotSJ公式戦:高橋ヒロムvs.KUSHIDA(6/3/18) BotSJ決勝:高橋ヒロムvs.石森太二(6/4/18) |
好勝負 | BotSJ公式戦:KUSHIDAvs.SHO(5/27/18) BotSJ公式戦:ウィル・オスプレイvs.フリップ・ゴードン(6/3/18) BotSJ公式戦:石森太二vs.YOH(6/3/18) BotSJ公式戦:SHO vs.マーティ・スクール(6/3/18) |
@BotSJ公式戦:KUSHIDAvs.SHO(5/27/18)
初参戦ながら良質のパフォーマンスを見せるSHO。
とはいってもこれまで見せていたのはファイティング・スピリット系。
今回はKUSHIDAを相手にレスリング・マッチです。
少してこずっている所はあるものの
BotSJにおいて異質なグラウンドで魅せましたね。
KUSHIDAの徹底的にレスリングに拘りぬく姿勢は見事なものでした。
SHOは痛めた腕を犠牲にしながら投げで反撃。
コンセプトで言えば部位攻めで対抗したいが、
無理にせず、らしさで勝負したのは悪くない。
部位攻めにおいては極地をKUSHIDAがやってくれてますからね。
KUSHDIAを追い込んだ印象に欠けるものの
素晴らしい試合に仕上がっています。
ぎりぎり好勝負。
ABotSJ公式戦:高橋ヒロムvs.田口隆祐(5/27/18)
田口はエプロンからのヒップ・アタックを空振りして落下したり、
観客席前でクローズラインをかわされ壁に激突したりと
緩いところを意図的に見せてきますが、
BotSJにおいてそれが求められているかは怪しい。
緩さ含めて緩急を作っているのは構築的に良いことですけどね。
後半は田口もシリアスに激しい攻防。
アンクル・ロックやクイックを絡めての盛り上げ方は
田口の一歩引いた弱さならではで良かった。
好勝負に少し届かず。
BBotSJ公式戦:高橋ヒロムvs.SHO(6/2/18)
ゴングが鳴るなりエルボーを打ち合って火花を散らします。
定番ですが、場外が攻守のキーとして展開。
激戦としてポイントの見せ場作りはしっかりできていますね。
SHOは多少手探りでしたが、
本来はここぞでテンポで押したいですね。
そうすれば更に良い試合になりました。
好勝負に少し届かず。
CBotSJ公式戦:KUSHIDA vs.ドラゴン・リー(6/2/18)
軽妙な演舞からリーが攻めたてますが、
KUSHIDAのリアクションやや鈍い印象。
しかし出し惜しみなく場外スポットを繰り出すと
均衡の取れた攻防に繋がっていきます。
持ち直して見応えのある内容になっていますが、
リーが怒涛の連打を見せる中で
KUSHIDAが隙を突くようにバック・トゥ・ザ・フューチャーは
フィニッシャーとして印象が弱いですね。
好勝負に少し届かず。
DBotSJ公式戦:エル・デスペラードvs.ドラゴン・リー(6/3/18)
リーが怒りの不意打ちを仕掛け
火が出るようなトペ・スイシーダにトペ・コンヒーロ。
デスペラードはヘタレ・ヒールで対応しますが、
ダーティ・ワークも交えないと
飛び切りのスポットの熱が冷めてしまう。
攻守の逆転自体は椅子攻撃で問題ないと思うのですけどね。
主導権を握ったデスペラードが脚攻め。
序盤と違いここはテンポ良く終了させると
遺恨戦らしいエルボーの打ち合い、
マスクの引き裂き合い等に移って盛り上げます。
時間も限られる中、
右肩上がりの良い攻防でしたね。
ただ最後のロー・ブローがレフェリーの死角で行えていないのは減点。
詰めが甘いですね。
好勝負に少し届かず。
EBotSJ公式戦:ウィル・オスプレイvs.フリップ・ゴードン(6/3/18)
オスプレイが韻ふみのレスリングで
楽しい雰囲気を醸し出します。
トーナメント終盤のために
フリップへの支持も非常に大きくなっていますね。
期待に応えてそれぞれトペコンをかわされても
着地する等驚異的な動きを見せてくれます。
オスプレイは主導権を掴むと腕攻め。
観客を楽しませようとする要素と
相手に対する戦いとしての厳しさの要素が上手く両立できていますね。
ゴードンは如何に飛びまくるかではありますが、
腕の痛みのセルも良くトーナメントを通じての成長も感じさせます。
立体的な攻防の末のフィニッシャーもインパクト大で素晴らしい。
文句なしに好勝負です。
FBotSJ公式戦:石森太二vs.YOH(6/3/18)
キャリアで勝る石森が優位に立ちます。
YOHは間を意識しながら観客がフォローしやすいよう
流れのある攻めを見せます。
石森は飄々とYOHとの摺り合わせを行い、
分かりやすく大技のレベルを上げていきました。
これに対しYOHも驚異的な粘りでついていき
会場も想像以上の熱量で包まれましたね。
過激な技以外のクイックも上手く使いこなせていました。
ややSHOに遅れていたYOHが
自分のらしさで比類するものを作り上げました。
文句なしに好勝負。
GBotSJ公式戦:SHO vs.マーティ・スクール(6/3/18)
スクールは日本でもぶれずにアピール。
対抗してアピールしてきたSHOに怒って腕攻め。
新日の観客の感度が広くなってきたとはいえ
スクールも日本人の煽り方が分かってきましたね。
良いセルを見せていたSHOが
気持ちのこもったスピアーで反撃。
気持ちが非常にのっていますね。
ややデフォルメされているがスクールには合っています。
この気迫なら中盤とはいえ
スクールは少しへタレても面白かったですね。
エルボーの打ち合いから終盤に転じた際に
スクールが腕攻めを要素として
即座に戻してくる等細やかさの光る素晴らしい試合です。
文句なしに好勝負。
HBotSJ公式戦:高橋ヒロムvs.KUSHIDA(6/3/18)
あえて出だしを遅くして雰囲気を作ります。
それぞれの定番を交えて
お互いゆっくりと舞台を作り、
期待感を高めていきましたね。
勢い任せでは無く
両者の技術が味わい深い攻防です。
この試合の勝者が決勝に進出するというシチュエーションを
間の使いこなしで上手くドラマ性に引き立てていきます。
最後もKUSHIDAをタップさせるに足る見せ方。
飛び切りの内容でしたね。
ぎりぎり名勝負。
IBotSJ決勝:高橋ヒロムvs.石森太二(6/4/18)
ロープにもたれさせてロープを蹴り上げたり、
サンセット・フリップ・パワー・ボムを耐え切ってムーンサルトで場外に着地したりと
観客の予期しない動きを交えて気を引いていきます。
観客席の攻防から戻ってくると
石森がスライディング・ジャーマン、
ヒロムもサンセット・フリップ・パワーボムと十八番を繰り出します。
中盤は石森のターンで執拗にクロス・フェイスで追い込んでいく。
フリーランスとして適切に観客の反応を引き出していますね。
ヒールっぽい要素も多少あっても良い気はしますけれども。
フランケンシュタイナーの打ち合いから終盤に入ると
両者持ちうる技の全てを出して
これが駄目ならあれを、と
多様な鬩ぎ合いで決勝にふさわしいボリューム感を作り出しました。
34分と歴史に残る長さでしたね。
ただ個人的にはもう少し削っても良いかな、とは思います。
ぎりぎり名勝負。
(執筆日:6/?/18)
注目試合の詳細
なし試合結果
@BotSJ公式戦:KUSHIDAvs.SHO(5/27/18)ABotSJ公式戦:高橋ヒロムvs.田口隆祐(5/27/18)
BBotSJ公式戦:高橋ヒロムvs.SHO(6/2/18)
CBotSJ公式戦:KUSHIDA vs.ドラゴン・リー(6/2/18)
DBotSJ公式戦:エル・デスペラードvs.ドラゴン・リー(6/3/18)
EBotSJ公式戦:ウィル・オスプレイvs.フリップ・ゴードン(6/3/18)
FBotSJ公式戦:石森太二vs.YOH(6/3/18)
GBotSJ公式戦:SHO vs.マーティ・スクール(6/3/18)
HBotSJ公式戦:高橋ヒロムvs.KUSHIDA(6/3/18)
IBotSJ決勝:高橋ヒロム(優勝!)vs.石森太二(6/4/18)