新日本プロレス:Best of NJPW 2018 Septemberの分析
名勝負 | WK挑戦権争奪戦:棚橋弘至(co)vs.オカダ・カズチカ(9/23/18) ゴールデン・ラヴァーズ(ケニー・オメガ、飯伏幸太)vs.ケイオス(石井智宏、オカダ・カズチカ)(9/30/18) |
好勝負 | ゴールデン・ラヴァーズ(ケニー・オメガ、飯伏幸太)vs.ケイオス(石井智宏、ウィル・オスプレイ)(9/13/18) Jr.ヘビー級王座トーナメント準決勝:マーティ・スクールvs.ウィル・オスプレイ(9/30/18) タッグ王座戦:ヤング・バックス(ch)vs.ゲリラズ・オブ・デスティニー(トンガ・ロア、タマ・トンガ)(9/30/18) |
@ゴールデン・ラヴァーズ(ケニー・オメガ、飯伏幸太)vs.ケイオス(石井智宏、ウィル・オスプレイ)(9/13/18)
ケイオスがGLと比類する連携を見せ
タッグとしての面白みを生みますし、
オメガと石井の前哨戦としての
バチバチとしたシングルのぶつかり合いもある。
オメガx石井以外も引けを取らなかったのは驚き。
終盤は大技がテンポ良く重なる
タッグならではの凄みを出します。
単なる物量戦にはならないよう、
軸を適宜ずらしながら意図を通しているのが流石。
ぎりぎり好勝負です。
AIWGP王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.石井智宏(9/15/18)
誰よりもハード・ファイトを続けてきた石井だけに
期待感が高い中で、石井が受けに徹するので
序盤の熱量はG1に比べると物足りず。
それでもオメガのトペコン後、
一進一退が増えてくると右肩上がり。
場外での攻防も何をしてくれるかと期待感を煽りますが、
それを上回るテーブル・スポット。
ただこれだけのビッグ・スポットなのに
その直後に細かな攻防を入れるのは順序が逆のように感じますね。
各シーンはホットながら有機的に結びついていなくて
石井のハイパー・アーマーの出し方等
30分の試合時間の中で上手く処理できていない印象が強い。
好勝負に少し届かず。
BJr.ヘビー級王座トーナメント準決勝:KUSHIDA vs.BUSHI(9/23/18)
KUSHIDAの腕攻めに対し、
BUSHIは腰攻めで対抗。
構成にのっているのは悪くない。
ただどうしても淡白な印象がありますね。
後半はトペをアームバーに捕らえる等
目を見張るスポットで熱量高く仕上げていた。
フィニッシュのまとめ方も良かったですね。
好勝負に届かずも中々良い試合。
CWK挑戦権争奪戦:棚橋弘至(co)vs.オカダ・カズチカ(9/23/18)
脚のダメージ。
これを1.相手による攻撃
2.不慮のアクシデント
3.脚を使う自らの攻め
三者三様それぞれを組み合わせて
双方が痛みを背負っていく。
ずっとやってきた棚橋が最上級ですが、
オカダもまたオカダのやり方で
それに引けを取らないものを提示できています。
シーンを切り取ればスローで特別なことはやっていないので
試合全体がどんなクオリティになるかも分かりません。
それでも欲を欠かず一歩一歩積み重ねる道を行きます。
こういう脚の痛みを背負った試合運びにおいても
緩急の急においては試合の流れやアドレナリンを
理由にして動いてしまうものだけれども
自制心働かせとにかく中盤まではぶらせない。
技の後の間を緻密にコントロールして
スローなだけの試合にならないようにしています。
そして終盤へ。
場外ツームストンから棚橋が場外へのハイ・フライング・フロー。
震える足元が神々しい。
満点の終盤がそれまでの序盤中盤と掛け算されて
売れ線に媚びない老いの美学を実現しました。
ぎりぎり名勝負。
DJr.ヘビー級王座トーナメント準決勝:マーティ・スクールvs.ウィル・オスプレイ(9/30/18)
LA大会とはいえNJPWで、
この数え歌が今一度組まれるとは感慨深い。
オスプレイの速攻スパニッシュ・フライからスタート。
スクールのターンは落ち着きすぎていて少し乖離が著しいですが、
オスプレイの受身が良く、成り立っていない訳ではありません。
スクールの定番の構築論に
オスプレイは場外へのサンセット・フリップ・パワー・ボムなど
激しい技を付け加えて引き上げていきます。
終盤に入るとスクールもオスプレイに追いついて、
相互に高めあった一心一体の一進一退。
最後の仕留めにかかるスクールのフィニッシュも素晴らしかった。
中盤まではスクールに課題が見えたものの
終盤はこの数え歌の中でも飛び切りの内容。
ぎりぎり好勝負です。
Eタッグ王座戦:ヤング・バックス(ch)vs.ゲリラズ・オブ・デスティニー(トンガ・ロア、タマ・トンガ)(9/30/18)
トンガがバックスよりキレがあったのは驚き。
バックスはならばと連携技連発で応戦しますが、
マットが腰を痛めて同時ドロップ・キックができません。
非常にストーリー豊かに序盤を作りましたね。
マットのテーブル落下からニックが孤立。
この孤立の作り方は粗く勿体無かったものの
終盤はGoDが再び真価を発揮。
ビジョンが共有できていない部分は一部残っているものの
GoDの個性を活かして非常に印象的な内容に仕上げています。
ぎりぎり好勝負。
Fゴールデン・ラヴァーズ(ケニー・オメガ、飯伏幸太)vs.ケイオス(石井智宏、オカダ・カズチカ)(9/30/18)
王者オメガに対して石井、オカダは
挑戦した経緯を活かした感情の迸り。
飯伏もその中で置いてけぼりにならないだけの存在感を示します。
王座戦ばりのシングルの攻防もあるし、
当然タッグならではの連携技もある。
その組み合わせ方が見事。
両方を持っているこのカードにしか出せない
試合の魅力を追及していて常に見所満点。
スタンディング・オベーションも納得の内容です。
ぎりぎり名勝負。
(執筆日:10/?/18)
注目試合の詳細
なし試合結果
@ゴールデン・ラヴァーズ(ケニー・オメガ、飯伏幸太)vs.ケイオス(石井智宏、ウィル・オスプレイ)(9/13/18)AIWGP王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.石井智宏(9/15/18)
BJr.ヘビー級王座トーナメント準決勝:KUSHIDA vs.BUSHI(9/23/18)
CWK挑戦権争奪戦:棚橋弘至(co)vs.オカダ・カズチカ(9/23/18)
DJr.ヘビー級王座トーナメント準決勝:マーティ・スクールvs.ウィル・オスプレイ(9/30/18)
Eタッグ王座戦:ヤング・バックス(ch)vs.ゲリラズ・オブ・デスティニー(トンガ・ロア、タマ・トンガ)(新チャンピオン!)(9/30/18)
Fゴールデン・ラヴァーズ(ケニー・オメガ、飯伏幸太)vs.ケイオス(石井智宏、オカダ・カズチカ)(9/30/18)