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新日本プロレス:Best of NJPW 2018 Juneの分析


名勝負 Jr.ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.高橋ヒロム(6/9/18)
 
IWGP王座戦、時間無制限3本勝負:オカダ・カズチカ(ch)vs.ケニー・オメガ(6/9/18)
好勝負 タッグ王座戦:EVIL、SANADA(ch)vs.ヤング・バックス(6/9/18)

鈴木みのる30周年記念試合:鈴木みのるvs.オカダ・カズチカ(6/23/18)

タッグ王座戦:鈴木みのる、ザック・セイバーJr.(ch)vs.石井智宏、オカダ・カズチカ(6/30/18)

@タッグ王座戦:EVIL、SANADA(ch)vs.ヤング・バックス(6/9/18)
 ヤング・バックスがヘビー級タッグに転向。
 どうなることかと期待半分、不安半分でしたが、
 キーとなる孤立の見せ方、連携技の使い方は
 微妙にヘビー級仕様に調整できていて良い。
 王者もヘビー級が不慣れなヤング・バックスをしっかりリード。
 バックスの脚のセルもよく、
 終盤の攻防に深みがありました。
 想像を超える内容で、ぎりぎり好勝負。

AJr.ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.高橋ヒロム(6/9/18)
 速攻でスタートすると場外に移り、花道からのトペコン。
 大会場でしかできないスポットで掴みましたね。
 オスプレイはヒールほどではないにしろ
 観客がヒロムの応援に回っていることを理解し、
 雰囲気を肌で感じながら適切な試合運び。
 ヒロムも最初の反撃はスポット任せにせず
 観客を温め来るべき後半戦に向け溜めます。
 こういう試合運びを選べるのも
 何度も何度も手を合わせて一息ついた今だからこそという印象。
 ヘビー級のようなじっくりとした見せ方と共に
 完成度の高い技で鬩ぎ合い。
 それに合わせて普段は中盤までに使うことの多い
 サンセット・フリップ・パワー・ボムもクライマックスに再配置していますね。
 ここに来て新しい1ページを切り開きました。
 お見事。
 ぎりぎり名勝負。

BIC王座戦:内藤哲也(ch)vs.クリス・ジェリコ(6/9/18)
 前回脅威の復活劇を見せたジェリコ。
 前回の成功例に則り
 ジェリコが入場中の内藤を襲撃し、ハードコア風味で勝負。
 テーブルにパワー・ボムまで決め、
 ジェリコ優勢のままでリングに入ります。
 細かな内藤の抵抗を
 間違いのないタイミングで織り込めているものの
 ワンサイドで徐々に退屈になってくるのは否めない。
 内藤が場外を使って攻めるも
 ジェリコの体調を慮って技の決め方が少し弱かったり、
 技に入るまでに呼吸を合わせる要らぬワン・テンポがあったりと
 残念な部分も見られましたね。
 ただ終盤の攻防にしても行っていることは100点に近い選択で、
 まさかの王座交代という結末にふさわしいクオリティです。
 ただハードコアでないと成立しないイメージがあり、
 これからどう防衛していくのかはイメージがつかない。
 好勝負に少し届かず。

CIWGP王座戦、時間無制限3本勝負:オカダ・カズチカ(ch)vs.ケニー・オメガ(6/9/18)
 まずはグラウンド。
 当然にロング・マッチが予想される中で
 予想通りの出だしですが、
 挑発的な仕草を交えると開始5分で動いてきます。
 場外落下のダメージも少し重くして
 疲労感を序盤から絡めてきたのは面白い。
 オメガが柵攻撃から主導権を掴み腰狙い。
 それぞれダイブをポイントに反撃。
 徐々に盛り上げていきますが、
 絶妙に抑制が効かせたバランス感が素晴らしい。
 切り返し合いも一定以上入っていて見応えもあります。
 エプロンでのツームストンを皮切りに
 ニア・フォールの攻防もあり、
 1本目単独で見てもこれまでの
 試合の上位に位置するぐらいの上質な内容となっています。
 オカダが丸め込みで先取。

 2本目。
 コーナー上ドロップ・キックからスタート。
 緩やかな攻防でどう違いを出してくるかが肝でしたが、
 かつてのROHのようにNJPWでも定番となりつつある
 テーブル・スポットを織り交ぜてきたのは良いですね。
 リングアウト・ネタなどよりドラマチックなシーン作りで切り替えてきました。
 
 3本目。
 ここでもオメガがスタイルズ・クラッシュを狙ったり、
 飯伏がフェニックス・スプラッシュを指示したりと
 印象的なシーンが幾つも見られました。
 ただ2本目、3本目両方に言えることですが、
 2人の磐石なニア・フォール合戦に頼りすぎて
 もう少し変調、展開が欲しいですね。
 そこが弱いので60分超えありきの内容にも見える。
 勿論60分時間切れの前の試合があり、
 時間無制限になっている経緯を踏まえればお約束ではあるのですけどね。
 60分を超えているので気になる点がまったくない訳ではないですが、
 昨年の60分試合と同じく、他と比類できない異形の試合であることは確かです。
 メルツアーも壊れて*******つけてましたね。
 歴史的な名勝負。

DNEVER無差別級王座戦:マイケル・エルガン(ch)vs.後藤洋央紀(6/17/18)
 ショルダー・タックルの耐えあいから
 エルガンの不意打ちバック・ドロップ。
 これも緩急が利いていて良かったのですが、
 場外に逃れた後藤にエプロンからダブル・ストンプしたのが良いですね。
 縛られずに自由に動けている。
 ここまで自由な技使いが出来ると
 後藤は単純な攻めで十分になる。
 ただ後藤がエルガンのレベルに追いつかないので
 煮え切らない中でタイチが王座戦をぶちこわそうと乱入。
 コブが追い払って、仕切りなおし。
 ここからの一進一退が薄ければ
 タイチ乱入ブックがマイナスに作用しますが、
 しっかりとインパクトのある攻防を提供。
 後藤は引き続きエルガンに比べると物足りないが
 純新日で自分の形を観客と共通認識で持っているので
 長引くと後藤が勝つんではないかという
 瞬間を行動外のところで醸せるのは強い。
 ただそれにしたって実力を超えて長引きすぎでまどろっこしい。
 30分試合なんてせずに20分前半にすれば良いのに。
 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:6/?/18)

E鈴木みのる30周年記念試合:鈴木みのるvs.オカダ・カズチカ(6/23/18)
 野外会場且つ大雨の中、
 アクションが制限される環境下でしたが、
 かえって50歳のみのるの本来の魅力が出ましたね。
 腕攻めのえげつなさ、
 観客を威嚇しながら巻き込んで雰囲気作り。
 オカダも最小限のアクションに留めつつ
 最も効率の良い構築を考えています。
 表情芸で闘いの表現も出来ていますね。
 みのるの30周年記念ということで
 通常のフィニッシャーで決着がつかないという
 みのるに華を持たせたクライマックスですが、 
 決して無理に作った感はなく趣がありました。 
 これはかなりお勧めの試合ですね。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:7/?/18)

Fケニー・オメガ、飯伏幸太vs.内藤哲也、高橋ヒロム(6/29/18)
 ゲーム・コンペへの提供大会。
 GLのダブル・ダイブを潰すと
 オメガに花道バック・ドロップを決め
 内藤、ヒロムが主導権を掴みます。
 普段プロレスを見ていない初心者でも
 盛り上がりやすい内容を心がけていますね。
 余りプロレスの枠に縛られすぎず、
 それでいてプロレス・ファンも十分に楽しめる。
 中でも飯伏とヒロムのスピード感とインパクトの
 両立された攻防は見物でいつかシングルを組んで欲しいですね。
 それと比較すると内藤がやや元気がなかった。
 好勝負に少し届かず。

Gタッグ王座戦:鈴木みのる、ザック・セイバーJr.(ch)vs.石井智宏、オカダ・カズチカ(6/30/18)
 みのるが椅子攻撃にレフェリー威嚇、と
 鈴木軍らしさを振りまきます。
 RevProは何度も参戦して王者についているぐらいなので手馴れたものですね。
 石井とのごつごつしたぶつかり合いも
 今回は年齢の衰えを見せず上手くやっていました。
 セイバーも後半にかけて
 自分の主張を押し出して行き試合に幅を広げました。
 ここにオカダが存在感を示せば
 更に凄い試合になったのでしょうが、
 高レベルは高レベルなものの一定のラインに落ち着きました。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:7/?/18)
 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@タッグ王座戦:EVIL、SANADA(ch)vs.ヤング・バックス(新チャンピオン!)(6/9/18)
AJr.ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.高橋ヒロム(新チャンピオン!)(6/9/18)
BIC王座戦:内藤哲也(ch)vs.クリス・ジェリコ(新チャンピオン!)(6/9/18)
CIWGP王座戦、時間無制限3本勝負:オカダ・カズチカ(ch)vs.ケニー・オメガ(新チャンピオン!)(2-1)(6/9/18)
DNEVER無差別級王座戦:マイケル・エルガン(ch)vs.後藤洋央紀(新チャンピオン!)(6/17/18)
E鈴木みのる30周年記念試合:鈴木みのるvs.オカダ・カズチカ(30分時間切れ)(6/23/18)
Fケニー・オメガ、飯伏幸太vs.内藤哲也、高橋ヒロム(6/29/18)
Gタッグ王座戦:鈴木みのる、ザック・セイバーJr.(ch)vs.石井智宏、オカダ・カズチカ(6/30/18)