新日本プロレス:Best of NJPW 2018 Aprilの分析
名勝負 | なし |
好勝負 | Jr.ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.マーティ・スクール(4/1/17) IWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ザック・セイバーJr.(4/1/18) NEVER無差別級王座戦:後藤洋央紀(ch)vs.ジュース・ロビンソン(4/27/18) |
@Jr.ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.マーティ・スクール(4/1/17)
レスリングはかろやかですが、
少し予定調和で殺気が感じられないか。
演舞のための演舞という印象です。
スケールがヒールとして不意打ちを仕掛けると
相手の動きを読みあった攻防で掴み。
スクールがロープ際で担いだ勢いで
場外まで一回転して降りてツームストンなど
これまでの数え歌でも使ったことのないような
驚異的なスポットも見られます。
上記スポットではオスプレイのダメージ表現が冴えていましたね。
更なるビッグ・スポットとしてエプロンから場外への
カウンター・スパニッシュ・フライ。
その際にオスプレイがエプロンに首を挟みこんで
流血というアクシデントが起きてしまいます。
予想もつかないことをやろうと意識しすぎてのこのアクシデント。
ただ正直作り物が過ぎる中で
このリアルなアクシデントこそがこの試合に一番足りないものを補い、
虚実を上手く入り混じらせました。
スクールの身のこなしにキレ、緊張感があれば
更に必死の攻防という印象が強まって良かったですね。
他クライマックスが少しぶつぎれだったりと
惜しまれる点は幾つかありますが、
それも30分という試合時間で
これまでの数え歌にないものを作ろうという
チャレンジの結果と考えれば好意的に許容したい。
文句なしに好勝負。
AIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ザック・セイバーJr.(4/1/18)
体幹のしっかりしたオカダに対し、
セイバーは執拗なクラバートでこじあけようとします。
オカダも自分のペースに持ち込めずとも
飄々とレスリングで対処し渡り合っていくので、
いつもと違う雰囲気感のある王座戦ですね。
後半ではセイバーのサブミッション・トラップが火を噴きます。
ただセイバーのこのスタイルが明確な中で、
オカダのスタイルは柔軟に対処しすぎている。
棚橋の脚攻めのように明確な展開で対応した方が映える印象もあります。
オカダが唯一タップしたナカムラの腕ひしぎを最後に使ってきたのは
時期柄もあって良いアイディアでした。
残念なのは最後のレインメーカーの当たりが弱すぎたこと。
腕を攻められている背景も考えれば
もう一発重ねがけてフォローするのが適切でした。
文句なしに好勝負。
BUS王座戦:ジェイ・ホワイト(ch)vs.デイヴィッド・フィンレー(4/24/18)
スピード感のある出だしで
分かりやすさと自分の形を両立させています。
まだまだメインイベンターとしては認知はされていない中で
道連れクローズラインやブレーン・バスターなど
場外に落ちるスポットを要所に入れてインテンシティを維持していきます。
フィンレーはやや働きが弱く感じたものの
後半になると持ち前の荒々しさが出てきましたね。
テーブル・スポットも絡めてしっかりメインの内容に仕上げました。
好勝負に少し届かず。
CNEVER無差別級王座戦:後藤洋央紀(ch)vs.ジュース・ロビンソン(4/27/18)
後藤が首攻めで支配。
ジュースは劣勢でポイントを絞ったスポットでの反撃となっていますが、
後藤が責任感と共に悪くないキャリーを見せてくれました。
NEVERらしい打ち合いを加えてからの後半戦。
これが想像以上に上質な内容となっています。
各王座に挑戦しつつ王座を奪取できなかった
ジュースの気持ちが攻守両面でよく出ているので、
後藤の一方的な攻めシーンでも集中力が失われず豊かな攻防となりました 。
ぎりぎり好勝負。
DIC王座戦:鈴木みのる(ch)vs.内藤哲也(4/29/18)
内藤がフェイク・ダイブからの寝転びアピールをすれば
みのるも真似して寝転びアピール。
相互に相手のスタイルを真似しつつ、
自分のスタイルはしっかり主張。
それが相手の強みを映えさせることにもなっていて
非常にバランスの良いシンクロになっていますね。
みのるのコーナー上のレッグ・ロックで
内藤が動けなくなる展開を中盤ではなく終盤に持ってきたのは面白い。
みのるの執拗な攻めは良かったものの
内藤が一発、それもクイックではなくフィニッシャーで覆すのは
カタルシスがあるというよりもそれまでの過程を
活かしきれていないように見えて残念。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:4/?/18)
注目試合の詳細
なし試合結果
@Jr.ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.マーティ・スクール(4/1/17)AIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ザック・セイバーJr.(4/1/18)
BUS王座戦:ジェイ・ホワイト(ch)vs.デイヴィッド・フィンレー(4/24/18)
CNEVER無差別級王座戦:後藤洋央紀(ch)vs.ジュース・ロビンソン(4/27/18)
DIC王座戦:鈴木みのる(ch)vs.内藤哲也(新チャンピオン!)(4/29/18)