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新日本プロレス:Wrestling Dontaku 5/3/12の分析


名勝負 なし
好勝負 Jrヘビー級王座戦:プリンス・デヴィット(ch)vs.ロウ・キー

永田裕志、真壁刀義vs.高山善廣、鈴木みのる

@石井智宏、邪道、YOSHI-HASHI vs.タマ・トンガ、キャプテン・ニュージャパン、ストロングマン
Aタイチ、TAKAみちのくvs.KUSHIDA、田口隆祐
B獣神サンダー・ライガータイガー・マスクvs.外道、ロッキー・ロメロ

CJrヘビー級王座戦:プリンス・デヴィット(ch)vs.ロウ・キー
 ロウ・キーは再び意図的に静謐を生み出すようになりました。
 そこに昔のような殺気だけではなく感情を織り交ぜ、
 最近の弱さによる受けと組み合わせている。
 低空ドロップ・キックを食らって引っ込んだところから
 肩車になってエルボーを打ち込むという変則っぷり。
 様々な要素を一つの身体に含んでいて面白い。
 デヴィットの痛めた腹を攻める一極攻めも一貫性がありました。
 一方のデヴィットは打撃による微調整が最近光りますね。
 攻防も自由度が高く、同じ持ち技、
 ダイビング・ダブル・ストンプを中心に
 上手く相同性に持ち込みながら
 カウンターやカウント2の盛り上げを生み出しました。
 中盤後半にかけてデヴィットがケースで攻撃するなど
 乗りにくい部分、攻防が幾つかありますし、
 立ち位置が不鮮明になることもありましたが
 去年のUS興行の試合に比べ大きく発展していた。
 文句なしに好勝負。

Dタッグ王座戦:小島聡、天山広吉(ch)vs.飯塚高史、矢野通

E永田裕志、真壁刀義vs.高山善廣、鈴木みのる
 序盤は永田と高山が同じ技の打ち合い。
 真壁と鈴木は打撃で移行を見せる。
 コンセプト的な珍しい構築で入りましたね。
 場外戦の中でTAKA、タイチが手を出し真壁がダウン。
 そこから孤立につながります。、
 ヒールの攻め方、永田のカットからの抗議と
 しっかり流れが形作られていました。
 序盤の前影から打ち合いに戻るかと思わせて変化をつけるのも成功している。
 終盤も鈴木のタッチ・ワークを押し出して
 2対1の見せ場を持ってきたのも面白かった。
 ヘビー級の鈍さがありつつも
 アメリカ的に上手くタッグ要素を織り交ぜた内容。
 ぎりぎり好勝負です。

Fカール・アンダーソンvs.中邑真輔
 カールがかわして見得を切ります。
 中邑もスナップ・メアを着地したりして
 相手のやりたいことに合わせて動けていますね。
 カールが腕攻めを行なえば、中邑も腹攻め。
 鉄柱攻撃も使いカールを応援を受ける存在に追い込む狙いは良いですね。
 ただもう少しヒールっぽく煽っても良かった。
 発展させそうなところで現状維持に走ったところがありました。
 それでも突発的にインパクトを生み出せる技術が光りました。
 最後はカウンターがちょっと分かりにくかったがフィニッシュは素晴らしい。
 好勝負に少し届かず。

G内藤哲也、棚橋弘至vs.高橋裕二郎、田中将斗

HIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.後藤洋央紀
 まずはレスリング。
 取り合えずリアルで勝負しておいて土台作り。
 後藤が典型的な流れ、クローズラインによりオカダを場外に落とします。
 しっかり実行していますが
 無駄に気負って力を入れすぎていないので
 試合が進んでいっても齟齬を生まない。
 オカダも後藤と同じくステップ・アップ構築。
 一部で相手が少し動くだけで基本的には一方の積み重ねだから
 大きな変化はないものの着実にクオリティは高くなっている。
 一度目のレインメーカー狙いから終盤へと攻防を加速。
 オカダがツームストン含め技を温存したことでボリュームがありましたね。
 只それは凡庸な構築であり続けていました。
 同じ構築手法のため綺麗に噛み合ったが
 同じ構築手法のため幅が狭まった。
 尤もその煮詰りが自ずと均衡を生み出し、
 後藤戴冠の可能性を信じさせたので終盤は一定のドラマ性がある。
 PPVメインとしてはひとまずの成功でしょう。
 好勝負に少し届かず。


総評
 各ジャンルのトップ・カードがどれも高いクオリティを誇っている。
 結果を見ても話題性に富み、今年の年間最高大会の候補に成りえる。
DVD Rating:★★★★☆
(執筆日:6/7/12)
 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@石井智宏、邪道、YOSHI-HASHI vs.タマ・トンガ、キャプテン・ニュージャパン、ストロングマン
Aタイチ、TAKAみちのくvs.KUSHIDA、田口隆祐
B獣神サンダー・ライガータイガー・マスクvs.外道、ロッキー・ロメロ
CJrヘビー級王座戦:プリンス・デヴィット(ch)vs.ロウ・キー(新チャンピオン!)
Dタッグ王座戦:小島聡、天山広吉(ch)vs.飯塚高史、矢野通(新チャンピオン!)
E永田裕志、真壁刀義vs.高山善廣、鈴木みのる
Fカール・アンダーソンvs.中邑真輔
G内藤哲也、棚橋弘至vs.高橋裕二郎、田中将斗
HIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.後藤洋央紀