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新日本プロレス:WPW #11 6/20/09の分析


名勝負 なし
好勝負 IWGP王座戦:中西学(ch)vs.棚橋弘至(6/20/09)

2枚、約3時間です。

@金本浩二、吉橋伸雄vs.獣神サンダー・ライガー、AKIRA
 ただスピードにのって持ち技を披露しているだけですが
 オープニングとしては許容されるんじゃないでしょうか。
 一人ベテランに混じった吉橋がフォールを取られるために入っている以上の物になってなかったけれど。
 少し悪い試合。

Aスーパー・ストロング・マシン、平澤光秀vs.大森隆男、吉江豊
 それぞれ小さい個性と能力を発揮。
 悪い試合。

B田口祐、プリンス・デヴィットvs.ミラノコレクションAT、タイチ
 田口は攻防の質が低いし、
 タイチはキャラに沿って変わった動きを見せるも
 普通のベースとなる動きの理解が弱く捻り不足です。
 しかし旬のデヴィットは活き活きと動き回っているし、
 合体技な派手な攻防が多いので
 多少粗くても楽しめる内容にはなっていますよ。
 まあまあ良い試合。

Cマスク・マッチ:タイガー・マスクvs.ブラック・タイガー
 遺恨戦という事で打撃から始めるも打撃戦で展開させる術を持たず。
 早くもブラックの必殺技、デス・バレー・ドライバーの攻防となり、
 タイガーが技を決めたときにマスクが外れるは、
 ポカーンとさせたまま、あっさりフィニッシュするわで、
 到底マスク・マッチとは思えぬ大味薄口ひどい試合です。
 試合後ブラックが逃げようとするも金本が立ちふさがりリングに戻す。
 タイガーが剥ぐとブラックの正体が高岩だった事が判明する。

D天山広吉、永田裕志、井上亘、本間朋晃vs.中邑真輔、飯塚高史、石井智宏、邪道
 永田vs.中邑は熱いけど8人タッグの1シーンに過ぎない。
 全体的に乱闘、ベビーフェイスvs.ヒールで
 大まかな格好はついているけれども個々の技量が足りないので、
 ヒールがこずるさ見せてベビーフェイスが技を決める、の一本調子で魅せる事は出来ず。
 悪くない試合。

E潮崎豪vs.岡田かずちか
 潮崎が余裕を持って引き、隙を与えて
 岡田を動かしながら強烈な打撃で格をアピール。
 良い仕事ですね。
 ただヘビー級で馬場キャラが活きてない岡田という事を考えると
 最後はカウント1返しはいらないしラリアットで終わるぐらいが丁度良い。
 平均より少し上。

Fタッグ王座戦、ハードコア・マッチ:チーム3D(ch)vs.ジャイアント・バーナード、カール・アンダーソン
 バーナードが相手に余り受けを要求しない怪物となり、カールが上手く調整しています。
 良い試合になりそうでしたが3Dの方は相変わらず。
 観客が盛り上がればプロレスとして仕事をこなしているのだとばかりに、
 観客席に行ったり観客の持ち物を使って誤魔化しに走ってます。
 それでも日本では数の少ない乱戦で
 テーブルも2脚出るので盛り上がりは上々でした。
 平均レベル。

G後藤洋央紀vs.杉浦貴
 安直に打撃を打ち合っての変化をベースとしており、
 それは団体を背負った対抗戦ではなく、よいしょしあう対抗戦です。
 その事に対してつまらないなぁ、とは思うけれども
 杉浦がセルフ・アピールが概ね良く出来ているし、
 終盤はその表現の下、それなりに必殺技返して盛り上がっています。
 まあまあ良い試合。

H真壁刀義vs.矢野通
 適当に客をのせてるだけですが、
 両者が金髪且つ流血に染まるので絵にはなっている。
 終盤はレフェリー気絶からWWFを思わせる程
 盛りだくさんの演出に走っていてここまでやられると面白い。
 悪くない試合。

IIWGP王座戦:中西学(ch)vs.棚橋弘至(6/20/09)
 中西のネガティブな面を仕方ない、と諦めている部分はあると思います。
 理屈に合わない打撃の打ち合いやリズムの崩れはありますし、
 中西にコントロールを渡せないので
 再確認でしかるべく展開が進むよう保険をかけています。
 しかし細かな粗なんて無視したくなるぐらい、この試合はエネルギッシュです。

 中西の野生vs.棚橋の脚攻めを軸に
 棚橋が上手く試合を運んでいきます。
 中西は脚攻めを受けたのにリープ・フロッグを見せましたが
 それがおかしいと思わせないのが凄い。
 これはもう野生アピールを重ねたからだけで通用する事じゃなくて
 中西があの体格、あの動きをしているからこそ規格外だと思わせている。
 そして棚橋もダウン状態へのドラスクなど
 更にえぐい脚攻めで対抗していく。

 また前の試合を見てもらえば分かる通り
 出てくる攻防がどれも前の試合に比べてより良く、より適切な位置に修正されています。
 終盤の理屈抜きに凄い大技の攻防は
 メジャーでしか味わえない醍醐味です。

 棚橋がアメプロ思考のせいか、
 丸め込みでもテキサス・クローバー・リーフでもなく
 必殺技のハイ・フライ・フロー2連発でフィニッシュして疑問符を残して終えたのが勿体無いですね。
 必殺技を大事にするのは大切だけど
 ここまで特別な内容だと敢えて外れるべきですし、
 そもそもハイ・フライ・フロー2連発は必殺技にすべきではない、という問題があります。

 両者最大限の努力をして+10分、30分越えの試合を成し遂げた様子はまるでフレアーvs.ルガーでも見ているようでした。
 終盤、異常な盛り上がりになっていましたが
 新日ファンとのずれは丸っきり感じさせませんでした。
 異常な盛り上がり方にふさわしい試合です。
 
 両者の貢献度、クオリティが高く、盛り上がり、
 予想を遥かに超えてきた(そもそもの予想値が低いとはいえね)。
 これは年間最高試合の候補になって良い試合ですよ。

 そこに唯一傷をつけているのは実況です。
 中西はぎゃおぎゃお言う事で落ち着いているんですね、とか馬鹿げた事を言って
 バラエティー感覚で自団体の王者をいじりました。
 彼らにはメジャーの意識が無い。
 批難されてしかるべきです。
 もし私が新日のフロントなら首にしたいぐらいです。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:12/28/09)

総評
 このクオリティだと1、2試合削って2時間ぐらいにまとめて欲しいですね。
 それかタイガーがまともな試合をするか。
 (執筆日:5/1/10)
DVD Rating:★☆☆☆☆

注目試合の詳細

IIWGP王座戦:中西学(ch)vs.棚橋弘至(6/2/09)
  中西がバックを取りテイク・ダウン。
  グラウンドでバックの取り合い。
  棚橋が逃れ仕切りなおし。
  両者アピール。
  ナックル・ロック。
  中西が押す。
  戻されるも再び押し込む。
  棚橋が起き上がり蹴り。
  中西が打ち返し打ち合い。
  棚橋の腕を持ち投げる。
  中西が腕を捻る。
  棚橋が取り返す。
  中西がねじり伏せる。
  棚橋が腕を取り返しヘッド・ロック。
  ロープに振られかけるも体勢を低くして外さない。
  ロープに振られかけるも体勢を低くして外さない。
  中西が持ち上げ投げ飛ばす。
  額を突き合わせる。
  中西がエルボー。
  エルボーの打ち合いに。
  棚橋がふらつく。
  中西がコーナーにもたれた棚橋にチョップ。
  棚橋が体勢を入れ替えエルボー。
  中西が体勢を入れ替えエルボー。
  棚橋が体勢を入れ替えエルボー。
  中西が体勢を入れ替えチョップ。
  棚橋が体勢を入れ替えチョップ。
  中西が体勢を入れ替えエルボー。ヘッド・バッド。
  棚橋が体勢を入れ替えアッパーカート。
  ドラゴン・スクリュー。
  脚を踏みつける。
  スナップ・メア。
  ニー・ドロップでカバー。カウント2。
  脚にニー、エルボー・ドロップ。
  脚を蹴りつけエルボー・ドロップ。
  中西が張り手。
  棚橋が踏みつける。
  中西が張り手。
  棚橋が踏みつける。
  中西がチョップ。
  棚橋がエルボーで倒しレッグ・ロック。
  監獄固めに移行。
  中西が張り手。
  棚橋が耐えて決めていく。
  中西がチョップ。
  棚橋は解くと脚を踏みつける。
  起き上がった中西にエルボー。
  脚を踏みつける。
  コーナーにもたれた中西が近づいてきた棚橋にエルボー。
  棚橋が脚を蹴り。
  ドラゴン・スクリュー。
  4の字を決める。
  中西がアイアン・クローを決めるも棚橋が締め上げると放してしまう。
  中西が反転させる。
  棚橋が反転して戻す。
  中西がロープを掴む。
  棚橋が脚を踏みつける。
  脚を蹴り。
  脚をロープに絡め引っ張る。
  その脚にドロップ・キック。
  場外に出ると脚を引っ張って倒す。
  脚を鉄柱に何度もぶつける。
  脚を引っ張ろうとする。
  中西が逆に引っ張り棚橋を鉄柱にぶつける。
  エプロンに近づいた棚橋にロープ越しのアイアン・クロー。
  引っ張ってリングに戻す。
  ショート・レンジ・ラリアットを狙う。
  棚橋が脚を蹴り。
  エルボーとパンチのコンボ。
  ロープに振ろうとする。
  中西が耐える。
  ロープに振ろうとする。
  中西が耐え首を掴む。
  ショート・レンジ・ラリアット。
  エルボーを叩き込んでいく。
  ロープに振ろうとする。
  棚橋が振り返そうとするも中西が重い。
  棚橋は脚を蹴りつけて倒す。
  ロープに走る。
  中西がリープ・フロッグからドロップ・キック。
  チョップを打ち込んでいく。
  コーナーにもたれた棚橋にチョップを叩き込んでいく。
  コーナーに振りラリアット。
  チョップを叩き込んでいく。
  コーナーに振りラリアット。
  ブレーン・バスター。
  ニー・ドロップへ。
  棚橋はかわすと脚を蹴りつける。
  ロープに走る。
  中西がカウンターでハンマー。
  棚橋がすぐ起き上がり低空ドロップ・キック。
  ロープに走る。
  中西がカウンターでハンマー。
  コーナーの棚橋に突進しようとする。
  棚橋がカウンターで低空ドロップ・キック。
  コーナーにのぼる。
  中西が起き上がり棚橋にチョップを叩き込んでいく。
  トップ・ロープでスーパープレックス。
  棚橋が場外に転がり落ちる。
  起き上がった棚橋にブランチャを決める。
  リングに戻す。
  コーナーに上がる。
  ミサイル・キック。
  カバーするもカウント2。
  担ごうとする。
  棚橋がバック・エルボーを叩き込み逃れる。
  張り手。
  倒れる所にドラゴン・スクリュー。
  倒れた中西にもう1発。
  テキサス・クローバー・ホールド。
  中西がロープを掴む。
  中西の脚を蹴りつける。
  ドラゴン・スクリュー。
  ニーを落とす。
  コーナーにのぼりダイビング・クロス・ボディへ。
  中西は受け止めるとかついでアルゼンチン・バック・ブリーカー。
  棚橋がサミングで逃れスリーパー。
  ひざを突いた所でドラゴン・スリーパーに移行する。
  レフェリー・チェックが入る。
  中西が腕を上げる。
  担いで起き上がる。
  そこからアルゼンチン・バック・ブリーカーまで持っていく。
  そこからバック・ブリーカー。
  カバーするもカウントは2。
  持ち上げるとロープに腹から落とす。
  そこから移動させコーナーにのせる。
  チョップ。
  エルボーの打ち合い。
  棚橋がヘッド・バッドを叩き込んでいく。
  ゆらいだ中西に張り手を決め倒す。
  アピールしてハイ・フライ・フローへ。
  中西が両膝を立てて迎撃。
  カバーするもカウント2。
  アルゼンチン・バック・ブリーカーにいく。
  レフェリー・チェックが入る。
  棚橋は腕を上げる。
  中西がヘラクレス・カッターにいく。
  カバーするもカウントは2。
  ロープで勢いをつけ大中西ジャーマン。
  カバーするもカウントは2。
  棚橋を起こすとボディ・リフト。
  ロープにぶつけジャーマンを狙う。
  棚橋がロープを掴む。
  引き離されるもロープを蹴って倒す。
  両者ダウン。
  エルボーの打ち合い。
  中西がチョップ。
  棚橋がアッパーカート。
  中西がチョップ。
  棚橋がアッパーカート。
  中西がチョップ。
  ふらついた棚橋にもう1発。
  チョップ。
  チョップ。
  チョップ。
  チョップ。
  棚橋が崩れる。
  棚橋を起こすと張り手。
  棚橋が張り手。
  中西が張り手。
  崩れた棚橋のバックを取りジャーマン。カウントは2。
  アルゼンチン・バック・ブリーカーを狙う。
  棚橋がスリング・ブレイドに切り返す。
  両者ダウン。
  棚橋がロープに走る。
  中西が喉を掴む。
  ショート・レンジ・ラリアットへ。
  棚橋は避けると低空ドロップ・キック。
  アピール。
  ロープに走りスリング・ブレイド。
  カバーするもカウント2。
  ドラゴン・スープレックスを狙う。
  切られるもだるま式ジャーマン。カウント2。
  ドラゴン・スープレックス。
  コーナーにのぼりハイ・フライ・フロー。
  もう1度のぼりハイ・フライ・フロー。
  カバーし1,2,3!
  棚橋が新チャンピオンに!

試合結果

@金本浩二、吉橋伸雄vs.獣神サンダー・ライガー、AKIRA
Aスーパー・ストロング・マシン、平澤光秀vs.大森隆男、吉江豊
B田口祐、プリンス・デヴィットvs.ミラノコレクションAT、タイチ
Cマスク・マッチ:タイガー・マスクvs.ブラック・タイガー
D天山広吉、永田裕志、井上亘、本間朋晃vs.中邑真輔、飯塚高史、石井智宏、邪道
E潮崎豪vs.岡田かずちか
Fタッグ王座戦、ハードコア・マッチ:チーム3D(ch)vs.ジャイアント・バーナード、カール・アンダーソン
G後藤洋央紀vs.杉浦貴
H真壁刀義vs.矢野通
IIWGP王座戦:中西学(ch)vs.棚橋弘至(新チャンピオン!)(6/20/09)