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新日本プロレス:Best of NJPW 2002の分析


名勝負 なし
好勝負 獣神サンダー・ライガー、タイガー・マスク、グレート・サスケvs.ディック東郷、邪道、外道(1/4/02)

IWGP王座戦:永田裕志(ch)vs.高山善廣(5/2/02)

@獣神サンダー・ライガー、タイガー・マスク、グレート・サスケvs.ディック東郷、邪道、外道(1/4/02)
 みちのくプロレスからゲストを迎えて豪華トリオ。
 スター三人が同時プランチャを見せる等
 アメリカ的でフェイス/ヒールの役割分担がはっきりしていますね。

 ヒール組も良いですね。
 トリオとして連携が取れており、
 挑発的に振る舞って煽りつつ、アクションの構成もよく分かっている。
 
 サスケの自爆芸で終盤に向け加速。
 東郷の花道ジャーマンでサスケが頭から落ちたのはヒヤリとしましたね。

 終盤はタイガー中心に。
 タイガーはもう少し疲労表現を出してくれればと思うのですが、
 それまで築いてきたクオリティ・ラインを落とすことなくやりきりました。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:6/?/20)

A伊藤栫A中西百重vs.堀田祐美子、豊田真奈美(5/2/02)
 全女が新日本プロレスに提供試合をしたことがあったとは。

 ゴングが鳴るなり4人入り乱れると
 ハイ・フライ、ハード・ヒット、連携技をまんべんなく混ぜて
 圧倒的アクション量を見せます。

 一方で自ら行うそのアクションに埋没せず
 フックをかけるポイント作りは弱い印象。

 ただ全盛期には及ばずとも華のある豊田を中心に
 しっかりリード・ラインと攻防への訴求に繋げていて
 概ね成功した試合といって良い内容になっています。

 平均的な良試合。
 (執筆日:2/?/20)

B蝶野正洋vs.三沢光晴(5/2/02)
 やっていることは基本から抜け出ない
 高度とは言えない普通のプロレスなのですが、
 上手く雰囲気感を作っていますね。

 団体を背負う者として鏡合わせで建前を作りながら
 双方の価値を高く維持しています。

 三沢の疲弊感の表現も素晴らしい。

 技を温存できたので後半はスポットで盛り上がり。
 
 ターン・バックルを外した金具や花道での攻防など
 00年代前半のエンタメを意識した工夫も+に働いています。

 一方で最後まで鏡合わせに当て込み、
 予定調和な時間切れに収まった所に当然限界はありますね。

 勝敗はともかく、そこまで表面的に取り繕う必要があるのか、と
 当時の肌感が分からない者としては疑問に思ってしまう内容でした。

 中々良い試合。
 (執筆日:11/?/20)

CIWGP王座戦:永田裕志(ch)vs.高山善廣(5/2/02)
 しっかり相手の技に受けつつも明確なダメージ値は見えません。
 MMA的な観念で、徐々にダメージを蓄積させていきます。
 高山のハイ・キックに対し永田がいきなりKO寸前になったのは
 MMA的とはいえ唐突すぎるきらいはあります。
 また今では永田と蹴りがセットでイメージされていますしね。
 高山の腕狙い、永田の脚狙いを一極攻めと呼ぶほどではないレベルで加え、
 世界観の維持とボリュームの増量の両立を図っている。
 永田の見得は今と比べると完成度が劣るし、
 最後の殴り合いもオリジナルと呼べるほど象徴的ではなかった。
 他の試合を抑えてMOTYと呼ぶには弱いが
 当時の新日の中では絶対的な欠点がなく良質。
 ぎりぎり好勝負です。
 (執筆日:3/24/12) 

DIWGPタッグ王座戦:蝶野正洋、天山廣吉(ch)vs.西村修、中西学(6/5/02)
 (最初の約20分カット)
 西村が猪木ラブなパフォーマンス。
 見得の切り方は良く、裸足になって発奮するシーンは良かったですね。

 他3人も個性を出せている。
 蝶野はアピール力で会場を動かし、
 天山はラフに気持ちを出して、
 中西は野性的な躍動を見せました。

 ただ試合全体として見たときは煮え切らなさがあります。
 
 タッグとして連携技など意欲的に動いていますが、
 セコンドが入っての同時サブミッションがやたら多くて
 もう少し見せ方に幅がないかな、と逆に思わせますね。

 そして何より試合全体の構成。
 西村が孤立して脚攻めを食らっていた後に
 中西がジャーマンを放ちブリッジを返された際に負傷。
 孤立する西村への攻めを脚以外の部位にして
 中西も普通に相手の攻撃を受けて負傷する形ではダメだったんでしょうか…。

 そして中西は一度バックステージに引っ込むのですが、
 西村のピンチを十分演出する前に戻ってきてしまう。

 折角西村がカリスマ性を発揮しているのに何故それを最大限に活かさないのでしょう。
 また中西を早く戻せばそれだけ中西がこの負傷個所を攻められるシーンが多くなりますが、
 中西はそんなに上手くセルが出来ない訳で。

 クライマックスの天山流血からの遺恨試合っぽさの演出といい、
 工夫が的外れではないだけに
 全てが斜め30度にずれている感が惜しすぎる。

 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:10/?/20)

EG1公式戦:佐々木健介vs.高山善廣(8/3/02)
 7年前のUインターを思わせるレスリングから始まったかと思いきや、
 急転させてパワー・ファイターの潰しあいに。
 健介が花道でパワー・スラムを決めた後、
 敢えて高山を放ってリングに戻り
 待ち受けるシーンが格好良かったですね。
 高山もオーソドックスなものながら
 会場の熱を落とさないテンポの良い試合運びが良い。
 終盤においては熱の入った打撃の耐えあいがありましたね。
 試合時間が12分なのでもう少し見たかったという欲はあります。
 シンプルなどつきあい。
 中々良い試合でした。
 (執 筆日:1/?/15)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@獣神サンダー・ライガー、タイガー・マスク、グレート・サスケvs.ディック東郷、邪道、外道(1/4/02)
A伊藤栫A中西百重vs.堀田祐美子、豊田真奈美(5/2/02)
B蝶野正洋vs.三沢光晴(30分時間切れ)(5/2/02)
CIWGP王座戦:永田裕志(ch)vs.高山善廣(5/2/02)
DIWGPタッグ王座戦:蝶野正洋、天山廣吉(ch)vs.西村修、中西学(60分時間切れ)(6/5/02)
EG1公式戦:佐々木健介vs.高山善廣(8/3/02)