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Highspots:NWA World Title in Japan Disc Twoの分析


名勝負 NWA王座戦、3本勝負:ジャイアント馬場(ch)vs.ジャック・ブリスコ(12/2/74)
好勝負 NWA王座戦、3本勝負:ハーリー・レイス(ch)vs.ジャンボ鶴田(6/11/77)

Highspots製。

@NWA王座戦、3本勝負:ジャック・ブリスコ(ch)vs.ジャイアント馬場(12/2/74)
 表面の下の力の鬩ぎあいが伝わる、且つ一貫したレスリングでスタート。
 フォール狙い、バタフライ・ロックでその性質を損なう事なくレスリング内で展開します。
 ジャックが打撃を解禁すると
 馬場が打ち返して大技の重ねがけで1本です。
 
 あっさり1本を取った事で2本目は馬場が押せ押せモード。
 これに対しジャックは執拗なチン・ロックで流れを止める。
 これにはもう1つの目的があります。
 1本目のレスリングで脚のダメージは蓄積しており4の字を決めれば1本取れる状態ですから
 どうやって決めるか、という条件だけを考えれば良い。
 それには体力を奪う事が有効だし、帰納法から
 4の字(ジャック)←バック・ドロップ(ジャック)
 ←ヘッド・ロック(馬場)←チン・ロック(ジャック)という読みが成立している訳です。
 これが成功して4の字を決め1対1。

 3本目は馬場が脚のダメージをしっかり表現。
 4の字を決められたら即終了だと振る舞いますし、
 自身のやしのみ割りでも痛がって見せてます。
 1本目のフィニッシュ・ムーブであるロシアン・レッグ・スイープをロープ・ブレイクで逃れるように理を守り抜いた攻防でした。

 時に物足りなく、時に不明瞭に感じる事もありますが
 視点を遠ざけて大局を見ると
 1つ1つのピースがはまって大きな1つの絵が現れる。
 サイコロジーの芸術品です。
 ぎりぎり名勝負。

ANWA王座戦、3本勝負:ジャイアント馬場(ch)vs.ジャック・ブリスコ(12/5/74)
 序盤のレスリング。
 ポイントで馬場のアーム・ドラッグなどの大きなムーブを交えていますが
 それ以外の部分では一方的に相手を封じており、前回よりも作為的な印象が強いですね。
 そのレスリングの中で馬場が腕を狙い、ジャックが脚を狙います。
 ジャックの打撃解禁から馬場も打撃を解禁し大技の攻防で1本。
 これだけでも成り立つような1本の作り方ですね。
 盛り上がりやすいといえば盛り上がりやすい。
 2本目は馬場が脚攻め、腰攻めと続けて勝ち取ります。
 3本目、ジャックの4の字が決まるかが焦点になるかと思いきや、
 馬場の押せ押せモードは続き、ジャックはインサイド・ワークを使うも防戦一方。
 馬場が防衛して最年少防衛記録を樹立、ハッピー・エンドと言いたいのだろうけど
 1本目と違って2,3本目は下降線の攻防だった事は否めない。
 中々良い試合。

BNWA王座戦、3本勝負:ジャック・ブリスコ(ch)vs.ボボ・ブラジル(3/13/75)
 ボボの気狂い獣と言うべき振る舞いには衝撃を受けました。
 しかし試合はいまいち。
 1本目は瞬殺。
 2本目は1本目の短さのせいで
 ジャックの脚攻めが長ったらしく感じられます。
 脚にこだわり過ぎな部分もありますね。
 4の字を決めるに当たっては抵抗させないダメージを与えるという意味で脚以外を狙うのもまた理なのに。
 3本目。
 2本目もそうだったけどボボの必殺技がヘッド・バッドというのは問題ありですね。
 こういう王座戦レベルになると攻防がまったくできない上
 自ずと連発気味になる技はふさわしくない。
 ジャックが無駄に脚から腕に狙いを変えたかという所で
 ボボのセコンドの介入が目立ち反則終了・・・。
 悪くない試合。

CNWA王座戦、3本勝負:テリー・ファンク(ch)vs.ジャンボ鶴田(6/11/76)
 1本目はグラウンド中心。
 両者腕狙いでしたがテリーは動きをつけながら重みも感じさせます。
 チョップ後に硬直時間を置く所も魅せますね。
 流石NWA王座をまかされているだけの事はある。
 一方で鶴田は同じように基本に沿っているものの
 こちらは教科書通りにする良い子ちゃん、というかな。
 動いた後で落とす所でもそこは攻めの狙いを体力からスタミナに変えるという表現であるはずなのに
 そういう意味とか意図が感じられないのはまだ新人で至らない所がありますね。
 この点から言ってテリーがもう少し攻めたり、
 1つ手前のアトミック・ドロップから
 もうクライマックス開始のロープ・ワークへ突入した方が良いですし、
 また鶴田の先取もやや買いかぶり過ぎかなと思います。
 しかしドリー戦のようにその中でのみの動きかと思いきや
 過程を見せ、捻りも成功させたのはこの2年の成長の証です。
 多少の粗はありますが盛り上がりに水は差されません。
 2本目はフィニッシュ含め技がはまっていて中々良い内容だったけれども
 ここでも鶴田とテリーのバランスがしっくりこなくてストーリー性に少し欠けるかな。
 3本目は消耗戦的な投げの打ち合い。
 安易な気もしますが締めとして適当ではあります。
 しかしテリーがカウント1で立て続けに返して、
 テリーがロープに振る形でスタンガン一発のフィニッシュ。
 テリーの攻める王者、強い王者としての選択でしょうか。
 どちらにせよこれは演出として弱いですよ。
 テリー、鶴田どちらに対しても良くないです。
 平均的な良試合。
 (執筆日:8/2/09)

DNWA王座戦、3本勝負:ハーリー・レイス(ch)vs.ジャンボ鶴田(6/11/77)
 ロープ、上下、ロープのオールド・スクールなレスリングを
 ボディ・スラムなどの技を加える事により
 ダイナミックに盛り立てているのは素晴らしい。
 実にスケールの大きなレスリングです。
 打撃の導入、脚攻めの導入、大技の攻防も
 3本勝負の中で行っていて文句のつけようがありません。
 レイスが見事に鶴田とフィットさせた内容です。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:12/5/09)

DVD Rating:★★★☆☆
 (執筆日:5/1/10)

注目試合の詳細

@NWA王座戦、3本勝負:ジャック・ブリスコ(ch)対ジャイアント馬場(12/2/74)
  組むと馬場がロープに押し込む。
  クリーンに離れる。
  組むと馬場が腕を取る。
  ジャックは起き上がるとバックを取る。
  馬場がアーム・ロック。
  ジャックは起き上がるとドロップ・トー・ホールドからレッグ・ロック。
  脚にニーを叩きこみレッグ・ロック。
  馬場が食らいながらもチン・ロックを決めて引き離そうとする。
  ジャックが逃れレッグ・ロック。
  馬場が食らいながらもヘッド・ロックを決めて引き離す。
  ジャックは起き上がるとロープに振る。
  馬場がショルダー・タックル。
  ロープに走る。
  ジャックがドロップ・トー・ホールドからレッグ・ロック。
  反転した馬場に別のレッグ・ロックを決め体重をかける。
  馬場は両肩がついてもカウント1で返していく。
  馬場が蹴り飛ばす。
  ジャックがすぐにタックルで倒しレッグ・ロック。
  馬場が蹴り飛ばそうとするもジャックは離さない。
  馬場が3度目で蹴り飛ばす事に成功。
  仕切りなおし。
  ジャックがタックルを狙うも馬場がかわす。
  馬場がグラウンド・ヘッド・ロック。
  ジャックは起き上がると後ろに逃れて倒しレッグ・ロック。
  馬場の両肩をつけようとする。
  馬場が脚のロックを外す。
  ジャックがかぶさる。
  馬場がカウント1で返していく。
  反転して逆にかぶさる。
  両肩をつけにいく。
  カウント1で耐えられる。
  馬場がバタフライ・ロック。
  足を背中に当てて引っ張る。
  頭をつける。
  ジャックが反転させようとするも防がれる。
  ジャックが反転させようとするも防がれる。
  ジャックが反転させようとする。
  馬場は更に回転させて元に戻す。
  ジャックは仕方なく走り回ってコーナーに逃げる。
  馬場がジャックをロープに押し込む。
  クリーンに離れようとする馬場にジャックが顔にパンチ。
  組むとジャックがニー。
  ニーを突き上げる。
  殴りつける。
  殴りつける。
  殴りつける。
  馬場がチョップ。
  チョップ。
  ロープに振りチョップ。
  ロープに振りドロップ・キック。
  ロシアン・レッグ・スイープ。
  カバーし1,2,3!
  馬場が先取!

  組むと馬場が殴りつける。
  ネック・ブリーカー。
  カバー。カウント1。
  組むと背中を殴りつける。
  ジャックはロープに押し付けるとショルダー・ブロック。
  腹にパンチを打ち込む。
  スナップ・メア。
  ニー・ドロップ。
  ニー・ドロップ。
  カバー。カウント2。
  チン・ロック。
  馬場が1本背負い。
  しかしジャックはチン・ロックを離さない。
  カバー。
  カウント2で返されるやチン・ロック。
  馬場は起き上がるとスナップ・メアを狙うも後ろに逃げられる。
  一本背負いへ。
  しかしジャックはチン・ロックを離さない。
  馬場が起き上がり力で押し上げようとする。
  ジャックが揺らぐもパンツを掴んで倒す。
  エルボー・ドロップ。
  エルボー・ドロップ。
  カバー。カウント2。
  馬場が起き上がり殴りつける。
  ジャックが殴りつける。
  馬場が蹴り。
  ロープに振りビッグ・ブーツ。
  カバーするもカウントは2。
  アトミック・ドロップ。
  カバー。カウント2。
  ヘッド・ロック。
  ジャックがバック・ドロップに切り返す。
  4の字に捕らえる。
  馬場は必死に耐えるもギブ・アップ!
  これで1−1!

  ジャックが馬場をコーナーに追いつめショルダー・ブロック。
  足にニー。
  もう1発。
  離れる。
  手で牽制しあう。
  ジャックがロープに押し込み脚を蹴る。
  脚を蹴る。
  離れる。
  タックルで倒す。
  脚を持って回転。
  脚にエルボー・ドロップ。
  4の字を狙う。
  馬場がチョップを打ち込み防ぐ。
  ジャックが4の字を狙う。
  馬場がチョップを打ち蹴り飛ばす。
  ジャックを起こすとやしのみ割り。
  痛みに耐えもう1発。
  ロシアン・レッグ・スイープ。
  カバーするもジャックの脚がロープにかかる。
  ヘッド・ロック。
  ジャックがニー・クラッシャー。
  ロープに走る。
  馬場がカウンターでネック・ブリーカー・ドロップを決め1,2,3!
  馬場が2−1で勝利し新チャンピオンに!


DNWA王座戦、3本勝負:ハーリー・レイス(ch)対ジャンボ鶴田(6/11/77)
  組むとレイスがヘッド・ロック。
  鶴田はロープに振るとヒップ・トス。
  ボディ・スラム。
  アーム・ドラッグで腕を取る。
  レイスは起き上がるとバック・ブリーカー。
  組むとレイスがボディ・スラム。
  鶴田がすぐに蹴り飛ばす。
  ボディ・スラム。
  アーム・ドラッグでレイスの腕を取る。
  起き上がったレイスにアーム・ドラッグを決め倒す。
  レイスは起き上がるとロープに押し込む。
  ニー。
  ガット・レンチ・スープレックス。
  カバーするもカウント2。
  鶴田がボディ・スラム。
  アーム・ドラッグで腕を取る。
  腕にレッグ・ドロップを決める。
  アーム・ロック。
  起き上がったレイスをファイヤーマンズ・キャリー。
  レイスは起き上がるとロープに押し込む。
  ロープに振る。
  鶴田がショルダー・タックル。
  ロープに走る。
  レイスがカウンターでバック・ブリーカー。
  カバーするもカウント2。
  鶴田がボディ・スラム。
  バタフライ・スープレックスを狙う。
  レイスが体勢を落として耐える。
  ロープに押し込みショルダー・ブロック。
  スナップ・メアからニー・ドロップ。
  フロント・ヘッド・ロック。
  鶴田は起き上がるとボディ・スラム。
  レイスは腹にヘッド・バッド。
  ヘッド・ロック。
  鶴田はロープに振るとハイ・ニー。
  ロープに振るともう1発。
  バタフライ・スープレックスを決め1,2,3!
  鶴田が先取(8分)!

  レイスがニー。
  担ぎショルダー・ブリーカー。
  カバーするもカウント2。
  パイル・ドライバーからカバー。カウント2。
  ガット・レンチ・スープレックスを狙う。
  鶴田が逆にガット・レンチ・スープレックス。
  カバーするもカウント2。
  レイスが腹にパンチ。
  鶴田がエルボー。
  アッパーカートを叩き込んでいく。
  スナップ・メア。
  エルボー・ドロップへ。
  レイスは避けて自爆させるとニー・ドロップ。
  もう1発。
  3発目。
  カバーするもカウント2。
  フロント・ヘッド・ロック。
  グラウンドに転がす。
  鶴田は起き上がるとスモール・パッケージ。カウント2。
  レイスがニー。
  殴りつける。
  ニー・ドロップ。
  ヘッド・バッド・ドロップ。
  もう1発。
  カバーするもカウント2。
  フロント・ヘッド・ロック。
  鶴田がハンマー・ロックに返す。
  両肩をつけにいく。
  カウント1で返されるも離さない。
  腕にニーを落とす。
  起き上がったレイスにバタフライ・ロック。
  エルボーにアッパーカート。
  レイスが殴りつける。
  ニーで倒す。
  エルボー・ドロップ。
  カバーするもカウント2。
  鶴田をコーナーにもたれさせ殴りつける。
  コーナーに振ろうとする。
  鶴田が振り返し突進。
  レイスはかわして肩からコーナーに激突させるとブレーン・バスター。
  変形インディアン・デス・ロックで痛めつけていく。
  鶴田がギブ・アップする!
  1−1になる(8分)!
 
  鶴田がヘッド・ロック。
  レイスがニー・クラッシャー。
  変形インディアン・デス・ロックを狙う。
  蹴り飛ばされるも脚にエルボー・ドロップ。
  レッグ・ロック。
  鶴田がふくらはぎを叩きつけ外させる。
  レイスが張り手。
  鶴田が張り手を打ち返す。
  ガット・レンチ・スープレックス。
  カバーするもカウント2。
  レイスをロープに振りドロップ・キック。
  もう1発狙う。
  レイスはかわして自爆させる。
  フロント・ヘッド・ロック。
  鶴田は起き上がるとブレーン・バスター。
  カバーするもすぐ返される。
  ヘッド・ロック。
  ロープに振られ激突。
  起き上がると鶴田がアブナミドル・ストレッチ。
  レイスがヒップ・トス。
  ヘッド・バッド・ドロップ。
  コーナーにのぼる。
  鶴田が起き上がり捕らえる。
  デッドリー・ドライブ。
  ロープに走りボディ・プレスへ。
  レイスは両膝を立てて迎撃。
  突進しクロス・ボディへ。
  鶴田は受け止めようとするも勢いにおされ転落。
  鶴田だけが場外に落ちる。
  レイスは戻ってきた鶴田にボディ・スラム。
  カバーするもカウント1。
  鶴田がボディ・スラム。
  カバーするもカウント1。
  レイスをロープに振るとハイ・ニーへ。
  しかし避けられロープに激突。
  レイスがスモール・パッケージを決め1,2,3!
  2−1でレイスの防衛(5分)!

試合結果

@NWA王座戦、3本勝負:ジャック・ブリスコ(ch)vs.ジャイアント馬場(新チャンピオン!)(2−1)(12/2/74)
ANWA王座戦、3本勝負:ジャイアント馬場(ch)vs.ジャック・ブリスコ(2−1)(12/5/74)
BNWA王座戦、3本勝負:ジャック・ブリスコ(ch)vs.ボボ・ブラジル(2−1)(DQ)(3/13/75)
CNWA王座戦、3本勝負:テリー・ファンク(ch)vs.ジャンボ鶴田(2−1)(6/11/76)
DNWA王座戦、3本勝負:ハーリー・レイス(ch)vs.ジャンボ鶴田(2−1)(6/11/77)