Dragon Gate:Best of Dragon Gate 2017 part.1の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なにわ式イリミネーションマッチ:吉野正人、土井成樹、ビッグR清水、Ben-K、琴香vs.堀口元気、ジミー・ススム、斉藤了、ジミー神田、ジミーKNESS J.K.S.(7/6/17) オープン・ザ・ツイン・ゲート王座戦:CIMA、ドラゴン・キッド(ch)vs.吉野正人、土井成樹(7/23/17) 5ユニット・サバイバル負け残り戦:土井成樹、吉野正人、琴香vs.CIMA、ドラゴン・キッド、Eita vs.鷹木信悟、Tホーク、エル・リンダマン(9/5/17) |
①なにわ式イリミネーションマッチ:吉野正人、土井成樹、ビッグR清水、Ben-K、琴香vs.堀口元気、ジミー・ススム、斉藤了、ジミー神田、ジミーKNESS J.K.S.(7/6/17)
1対1から始まり90秒毎にメンバーが追加されていきます。
全員出揃う間ではオーバー・ザ・トップ・ロープ形式のみの決着。
その見せ方が出来ているし、
普段タッグを組んでいるのが揃うと形成が傾いたり、と
全員が揃うまでの過程もしっかり作れていますね。
全員揃った後は場外乱戦で整理してからブースト・スタート。
脱落をポイントで交えながら
ノンストップでアクションを積み重ねていきます。
まったく無駄がないので過多にも過少にも映らないですね。
2対2になったところで勝負の争点をじっくり見せますが、
吉野が上手く試合のスピードを落とさなかったのは流石。
他のメンバーも個性を発揮していましたが、
中でも最後の堀口のバック・スライドの多彩な切り返し合いは
飛び切り面白かったですね。
高いクオリティを維持して、それは下がることなく
最後は印象的なクライマックスで試合の幕を閉じて見せました。
文句なしに好勝負。
②オープン・ザ・ツイン・ゲート王座戦:CIMA、ドラゴン・キッド(ch)vs.吉野正人、土井成樹(7/23/17)
十分に実績のあるベテラン同士なだけに
焦る必要はなく丁寧に抑え目に序盤は手堅くまとめます。
一進一退のバランス感を大事にしていますね。
CIMA、キッドが古臭くない新しいムーブを見せ、
土井吉は変わらない良さで対抗する。
CIMAのチェンジ・ペースも見事でしたね。
上手くのせてスポットを繋げて
過剰ではない終盤のまとめ方も好印象です。
文句なしに好勝負。
③5ユニット・サバイバル・レース:吉野正人、土井成樹vs.斉藤了、ジミー・ススム(8/8/17)
吉野のダイブで勢いをつけると
土井吉が連携技を交えながら盛り上げます。
ジミーズも落ち着いて対処して中盤。
大きなスポットを使わずとも
試合運びで両者勝負できているのは流石ですね。
振りを利かせてからスポット勝負へ。
ポイントで観客へのアピールを上手く混ぜた土井吉の妙技はお見事。
ニア・フォールをまったく息つく暇もなく重ねているのに
DGの中でもトップ・クラスの精度を保っているとはこれ如何に。
天晴れな攻防でした。
文句なしに好勝負。
④オープン・ザ・ドリーム・ゲート#1コンテンダーズ・マッチ:望月成晃vs.ビッグR清水(9/5/17)
望月が仕掛けていったのに対し、
清水が合わせてリアクションしますが、
よたついていてはパワー・ファイターとして未完。
若さが残っていて構図だけでは勝負できていない中で
若さがマイナスだけで終わるかがポイントでしたが、
40代の望月と真っ向からの熱い打撃戦と
望月のこだわり抜いたアーム・バー使いが
リアルを感じさせないプロレスの仮装をさておいても、
それ以上の輝きを両者に与えワン・ナイト・オンリーの内容に昇華させました。
これは再戦を組んでも面白そうですね。
ぎりぎり好勝負。
⑤5ユニット・サバイバル負け残り戦:土井成樹、吉野正人、琴香vs.CIMA、ドラゴン・キッド、Eita vs.鷹木信悟、Tホーク、エル・リンダマン(9/5/17)
巻け残ったチームに2敗加算される重要な一戦。
場外戦から始めたので
そのまま1チームはけても理由はつきましたが、
リングに戻るとしっかり3ウェイのアクセントを交えます。
ただわざとらしい体格差ネタがあったり、
落ち着いた展開になった際に
ファン・マッチ的に寄せてしまったりと緩さもある。
鷹木のEitaへの椅子攻撃から空気を引き締めるも
無理に試合時間を稼がず、絞っても良かった印象。
後半に関して3ウェイらしさが感じられず
タッグでも出来そうな打ち合いだったのは残念。
攻防の畳掛けは圧倒的で素晴らしかったですけどね。
ぎりぎり好勝負。
⑥オープン・ザ・ツイン・ゲート王座戦:CIMA、ドラゴン・キッド(ch)vs.ビッグR清水、Kotoka(9/18/17)
序盤は丁寧に抑制しつつも
抑制しすぎて清水の規格外さだけが目立つ。
Kotokaを孤立させ、CIMA、キッドが腹攻め。
相性考慮した作り方ではありますが、
変化のさせ方が乏しいですね。
それでもベテランのぶれない厳しい攻めに対し、
清水のパワフルさ、Kotokaの頑張りは目立つ攻防になっています。
中々良い試合。
⑦5ユニット・サバイバル・レース、敗者解散ノーDQマッチ:鷹木信悟、Tホーク、吉田隆司、エル・リンダマン、パンチ富永vs.堀口元気、ジミー・ススム、斉藤了、ジミー神田、ジミーKNESS J.K.S.(9/18/17)
鷹木組が有刺鉄線ボード、バットを持って入場。
荒れる試合を予感させるといきなり場外大乱闘に転じます。
リングに戻ると有刺鉄線バットを早速使います。
ハードコアなスポットがある一方で、
チーム全員による連続技などDGらしさもあります。
ただDGのトップ・クラスのレベルではないですし、
ジョン・ウーで有刺鉄線ボードに向かってドミノ倒しとか
ハードコアな見せ方とは逆方向のナンセンスなものもあります。
スピード感、攻防の質、個性の発揮、
どれも一定レベルで飛びぬけてはいません。
終盤はロープを外して絵作りした後、
有刺鉄線テーブルや椅子の山への投げ等
振り切った過激さで盛り上げてきましたが、
試合全体のイメージを覆すには至らない一時的な特効薬です。
中々良い試合。
⑧オープン・ザ・ドリーム・ゲート王座戦:YAMATO(ch)vs.望月成晃(9/18/17)
場外の攻防で望月がエプロンからムーンサルト。
普段見せない攻め手で先手を取った
望月が脚を攻めていきます。
王座戦としては少し掴みが弱く、
双方のアピールが不十分のまま積み増しの中盤前半に入ってしまったか。
それでも脚攻めの削りあいでは地味な面白さを作ってくれました。
YAMATOがスリーパーのカードを切ってきた所から
攻防は綺麗に深化していく。
YAMATOが攻めでも受けでも見せ方に拘りぬいて
40代の望月のリアルを引き出しました。
本来レスラーとしては見せたくない
リアルな弱さも使ってしまいましたが、
47歳という年齢を考えるとその奥の手もありでしょう。
ただフィニッシュは当りが浅く説得力に欠けました。
最後の最後でもう一頑張りしてこのムーブだけでもキレが出ていたら、
印象もぐっと引き締まったでしょうね。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:1/?/18)
注目試合の詳細
なし試合結果
①なにわ式イリミネーションマッチ:吉野正人、土井成樹、ビッグR清水、Ben-K、琴香vs.堀口元気、ジミー・ススム、斉藤了、ジミー神田、ジミーKNESS J.K.S.(7/6/17)②オープン・ザ・ツイン・ゲート王座戦:CIMA、ドラゴン・キッド(ch)vs.吉野正人、土井成樹(7/23/17)
③5ユニット・サバイバル・レース:吉野正人、土井成樹vs.斉藤了、ジミー・ススム(8/8/17)
④オープン・ザ・ドリーム・ゲート#1コンテンダーズ・マッチ:望月成晃vs.ビッグR清水(9/5/17)
⑤5ユニット・サバイバル負け残り戦:土井成樹、吉野正人、琴香vs.CIMA、ドラゴン・キッド、Eita vs.鷹木信悟、Tホーク、エル・リンダマン(9/5/17)
⑥オープン・ザ・ツイン・ゲート王座戦:CIMA、ドラゴン・キッド(ch)vs.ビッグR清水、Kotoka(9/18/17)
⑦5ユニット・サバイバル・レース、敗者解散ノーDQマッチ:鷹木信悟、Tホーク、吉田隆司、エル・リンダマン、パンチ富永vs.堀口元気、ジミー・ススム、斉藤了、ジミー神田、ジミーKNESS J.K.S.(9/18/17)
⑧オープン・ザ・ドリーム・ゲート王座戦:YAMATO(ch)vs.望月成晃(新チャンピオン!)(9/18/17)