TOP日本のプロレスDragon Gate(闘龍門) →Dragon Gate:Kobe Pro Wrestling Festival 7/7/11

Dragon Gate:Kobe Pro Wrestling Festival 7/7/11の分析


名勝負 なし
好勝負 鷹木信悟(JT)vs.戸澤陽(BW)

オープン・ザ・ツイン・ゲート王座戦:ドラゴン・キッド、Pac(JT)(ch)vs.CIMA、リコシェ(BW)

オープン・ザ・ドリーム・ゲート王座戦:望月成晃(JT)vs.BxBハルク(BW)

@超神龍vs.琴香
 4分の試合が1分にカット。見所なし。

A新井健一郎、岩佐拓vs.スペル・シーサー、KAGETORA(JT)
 個のムーブで魅せ切れないものの
 連携技を工夫するなどして一定レベル以上のものにはしています。
 悪くない試合。

 ここまではダーク・マッチって感じですね。
 BWとJTがリングに終結。
 それぞれのカードがマイク・アピールでヒート・アップ。
 
B斉藤了、堀口元気(BW)vs.横須賀享、リッチ・スワン(JT)
 スワンが試合前のラップから試合におけるアピールまで鉄板の盛り上げをみせます。
 斉藤、堀口も上手く切りながら流れを作っていますね。
 堅実な内容でBW vs.JTの口火を切りました。
 まあまあ良い試合。

C谷嵜なおき、Kzy、トマホークT.T vs.高山善廣、ドン・フジイ、ストーカー市川
 フジイはリングの戦いを放り出して場外乱戦にいくし、
 高山はDGのリングでは仕方ないとはいえ出落ちの存在です。
 市川はこの試合の主役だけどお笑いスポット以外になると
 試合を新人レベルまで落とすのが萎える。
 散漫すぎる内容です。
 悪い試合。

Dオープン・ザ・トライアングル・ゲート王座戦:吉野正人、YAMATO、Gamma(JT)(ch)
vs.サイバー・コング、土井成樹、神田裕之(BW)
 DGはやたら軍団の結成・解消を繰り返しているので
 この試合においても様々な関係性があります。
 知らない人がそれを教えられて納得するような
 読み合い、魅力的な攻防を見せる事が出来ています。
 BWの煽りもあり良い流れで終盤に突入。
 ただ終盤はGammaのうつけものっぷりややコングの暴れっぷり、
 それぞれ個々のカラーを出しているものの
 流れに乗りきれていないのでまとまりが無い印象を与える結果となっています。
 それ故フィニッシュへの高まりもなかったですね。
 平均的な良試合。

E鷹木信悟(JT)vs.戸澤陽(BW)
 入場してきた鷹木に戸澤が不意打ちトペ。
 椅子でも攻撃しヒール・アピールをします。
 鮮烈な印象を与えるもののUSでやっていた時と比べると
 DGのヒール像に収まって若干チープになっているのが惜しまれますね。
 腕狙いも絡めて鷹木を追い込んでいきます。
 2度目のトペを鷹木がキャッチし場外DVD。
 これは素晴らしいインパクトがありましたね。
 戸澤もエプロンでジャーマンを決めて見せます。
 中盤はこの2つのスポットが飛びぬけていて他が若干不明瞭な攻防ではありました。
 終盤はセミになれなかった事でややコンパクトにまとまっていますが
 戸澤を日本でもトップに押し上げるべく素晴らしい攻防を繰り広げており満足いくレベルでした。
 ぎりぎり好勝負。

Fオープン・ザ・ツイン・ゲート王座戦:ドラゴン・キッド、Pac(JT)(ch)vs.CIMA、リコシェ(BW)
 まずはCIMA、リコシェがBW色を出してアピール。
 動き回る事が基本となるDGにおいてCIMAのアピール能力は
 序盤の土台作りとして非常に重要な役割を担っています。
 リコシェとPacもこんな限られた空間で良くやるな、という鉄板の攻防。
 ダブル・ダイブからキッドを孤立させます。
 BWが甚振ると同時に、控えのPacの身振りで盛り上げていきます。
 数珠ダイブから終盤に突入。

 序盤、中盤の位置づけを決して逸脱することなく
 それぞれの見せ場を確実に組み合わせていきます。
 Pacはリコシェとの攻防に目がいきますがvs.CIMAも面白いですね。
 Pacの豊かな変化をCIMAがハイ・センスで持って止めて攻防を完成させています。
 肩車しての雪崩式ハリケーン・ラナを着地して見せるなど
 信じられないスポットが詰まったクライマックス。
 若干スポット・ベースに陥っていますが驚異的な内容でした。
 文句なしに好勝負。

Gオープン・ザ・ドリーム・ゲート王座戦:望月成晃(JT)vs.BxBハルク(BW)
 ベースは真っ向からの蹴りの打ち合い。
 そこにハルクはヒール要素を織り交ぜ、
 望月は攻防センスを活かした攻防を見せます。
 動かしながらもここぞで止めて、望月の脚攻めへ。
 ただの展開ではなく抵抗も含めて魅せる見事なものでした。
 技術的であると同時に気持ちの試しあいもあります。
 ハルクが走れなくなるシーンを挟みますが、
 それがダメージによるものか振りをして過剰に見せたのか
 断定できない絶妙なラインで試合に深みを与えています。

 ハルクが得意の蹴りを中心に反撃し腕狙いで形勢を確立。
 望月が中々ペースを取り返せない攻防を緻密に描きました。
 この中盤の展開が、それぞれサブミッションで一極攻めを完成させようとする
 表裏一体の攻防につながっています。
 只ハルクがヒールになった事で両者のスタイルが似通り、
 そこに上記のとおり表裏一体の形を整えていく訳ですから
 どうしても相手の動きに合わせる事に集中力を割く必要があり
 動き自体が小さくなりDG版WMメインにふさわしいスケール感が少々失われました。
 返し合って攻防数を増やすより適度に抑えてそれを思いっきりやった方がよかったですね。
 DGにおける2011年のシングルではベスト。
 文句なしに好勝負です。

総評
 前回のPPVと同じくラスト3試合のクオリティが異様に高い。
 アンダーカードもDGの形に添っていますし、年間最高大会の候補です。
(執筆日:12/1/11)
DVD Rating:★★★★★

注目試合の詳細

なし

試合結果

@超神龍vs.琴香
A新井健一郎、岩佐拓vs.スペル・シーサー、KAGETORA(JT)
B斉藤了、堀口元気(BW)vs.横須賀享、リッチ・スワン(JT)
C谷嵜なおき、Kzy、トマホークT.T vs.高山善廣、ドン・フジイ、ストーカー市川
Dオープン・ザ・トライアングル・ゲート王座戦:吉野正人、YAMATO、Gamma(JT)(ch)vs.サイバー・コング、土井成樹、神田裕之(BW)
E鷹木信悟(JT)vs.戸澤陽(BW)
Fオープン・ザ・ツイン・ゲート王座戦:ドラゴン・キッド、Pac(JT)(ch)vs.CIMA、リコシェ(BW)
Gオープン・ザ・ドリーム・ゲート王座戦:望月成晃(JT)vs.BxBハルク(BW)