DDT:Best of DDT 2023 part.1の分析
名勝負 | KO-D無差別級王座戦:樋口和貞(ch)vs.火野裕士(1/29/23) |
好勝負 | 竹下幸之助vs.上野勇希(3/30/23) |
@KO-D無差別級王座戦:樋口和貞(ch)vs.火野裕士(1/29/23)
じっくりのレスリングからチョップの耐え合い。
特殊なことではないがヘビー級の重みがじわじわ浸透する良い導入でしたね。
ここから火野が定期的に行うチョップ・マッチに。
チョップを耐え合い胸を真っ赤にしながら試合を進めます。
やっていること技は同じチョップでも
樋口のプロレス理解力の味付けがあると一層面白くなる。
火野のこのシリーズの中でもトップ・クラスですね。
樋口が劣勢を跳ね変えす中で他の技も打ちますが、
チョップを打ち切って移るのではなく、
チョップ・シーンの延長上に連なっているのが素晴らしいですね。
だからこそ大技まで行った後にチョップの打ち合いに、
単なる展開の絵としての意味以上の形で戻ることが出来る。
ロング・マッチでしたが、コンセプトの完成度を落とすことなく貫徹。
お見事です。
ぎりぎり名勝負。
Aタッグ王座戦:MAO、勝俣瞬馬(ch)vs.坂口征夫、町田光(2/26/23)
元キック・ボクサー王者の町田はボクシング・グローブ着けて登場。
骨法の坂口とのタッグは良いですね。
坂口がちゃんと町田の居場所を作ってあげます。
勝俣もプロレス的に異種格闘技扱いし
時にユーモアを交えつつ、コミカル・キャラにならない真剣身も見せます。
MAOは相変わらずどんな場面でもしっかり結果を残します。
町田が参加しやすいように場を整えている分、
タッグとしての伸び代は少し残っていましが見応え十分の内容。
好勝負に少し届かず。
Bタッグ王座戦、フォールズ・カウント・エニウェア:MAO、勝俣瞬馬(ch)vs.樋口和貞、中津良太(3/21/23)
攻防の流れでエプロンで押さえ込んだりと
いきなりDDTらしい遊び心でルール解釈。
そしてユーモアだけに終わらせずハードコア要素も混ぜます。
二階バルコニーから物を落としたり
会場廊下を戦場にしたりと楽しかったですね。
BASARAから引っ張ってきた中津はアクセントになりつつ
良いだけでない意味での異物感はあり。
好勝負に少し届かず。
C竹下幸之助vs.上野勇希(3/30/23)
それぞれ握手を離さず火花を散らします。
美しい基本技で引き込んだ後、竹下が首狙い。
アメリカ、エンタメをより意識した技選びが出来ていますね。
ジャーマンを着地した上野が反撃。
見栄えしつつ攻守切り替えのタイミングも良く、
上野が竹下の比類する資質を持っていることを端的に伝えます。
竹下の深いプロレスに上野が強烈な一発一発で食らいつき、
DDTのトップ・カードの力強さを見せつけました。
文句なしに好勝負。
Dユニバーサル王座戦:遠藤哲也(ch)vs.MAO(5/3/23)
MAOは腹を、遠藤は腰を。
両者身体能力を如何なく発揮していますね。
MAOの予想のつかない動きに
遠藤もあてられて素晴らしい攻防を見せています。
MAOがコーナー上で遠藤の腹をターン・バックルに落として打ち付けるシーンはインパクトありましたね。
一方でそれぞれ腹、腰、と結構部位を絞っている割に
見栄えの良い切り返しムーブ優先で、
ダメージ無視で動くことが余りに目立ったのが勿体ない。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:5/?/23)