TOP日本のプロレスDDT →DDT:Best of DDT 2022 part.1

DDT:Best of DDT 2022 part.1の分析


名勝負 KO-D無差別級王座戦:竹下幸之助(ch)vs.遠藤哲也(3/20/22)
好勝負 なし

@UTL決勝:竹下幸之助、上野勇希vs.HARASHIMA、吉村直巳(2/27/22)
 序盤からタッグ・ムーブ打ち合って掴み。
 そこから上野孤立に繋げます。

 タッグ的でありながらやや軽めな印象を与えるアクションになってますね。
 ただ、それを当人も分かっていて
 攻防レベルを調整できるのがHARASHIMA。
 竹下もまた主役として攻守両方で惹きつけていきました。

 その点で言うと上野はネクスト竹下になって欲しいが
 受けのダメージ表現がまだまだ課題がありますね。

 ただ吉村とのノーチラス対決は見応えがあって
 後半をシングル対決で構成する選択をしたのも
 アリと納得させるクオリティに仕上がっています。

 好勝負に少し届かず。

ALiLiCo引退試合:LiLiCo、小田井涼平、彰人vs.男色ディーノ、飯野雄貴、今成夢人(3/20/22)
 膝を痛めてプロレスが出来なくなったLiLiCoに正式に引退試合を。

 LiLiCoはディーノに自らの股間を掴ませてダメージを与えるという筋書きにのったり、と
 覚悟を見せると共にリアルな感情、顔芸で魅せます。

 LiLicoは負傷した膝の影響で動きは悪く、
 小田井は素人なので、アクションとしてはひどく、
 ディーノらの股間ネタの物量で補っていますが、
 事前ストーリー、試合構成として
 LiLiCoの引退試合をするならこれしかない、
 その中で作っていく、持ち上げていくにはこれだ、という選択は的確で、
 理屈に乗っ取っているし評価できます。

 一方でプロモ内でファックコンプラと明確に言葉にしていますが、
 本人たちが納得しているから、見たい人だけが見に来ているから、という
 自由賛美の名の元に人を不快にさせ得る可能性、リスクに対する意識が低くて、
 そこを本当に良く考え抜いた上で踏み込んでいるのかはバランスの悪さを見ていると少々疑問があります。

 サイバーエージェントグループにNoahが加わっているので、
 表の部分はNoahを出してDDTは顔にならなくても良いという判断かもしれませんが。

 まあまあ良い試合。

BKO-D無差別級王座戦:竹下幸之助(ch)vs.遠藤哲也(3/20/22)
 オーソドックスに、シンプルに控えめなレスリング。

 続いて遠藤が頭部へのサブミッション。
 同技で韻を踏むことはせず頭部へのサブミッションという大まかな枠でまとめていますね。
 動かして戻して重ねるので印象的過ぎなくて良いという判断か。
 気持ち逸ることなく丁寧に繋いでいく仕事っぷりが光ります。
 
 コーナー上の攻防から場外の攻防に移って場外投げ。
 ちょうど20分の折り返しに来た所で肉体に負荷をかけて一進一退。

 技のインパクトが表に出てきますが、
 それと同時に竹下は受けの妙技を見せますね。
 立ち位置の調整、ふらついての間の調整、見事です。

 対する遠藤は竹下程の天才的な妙技は見せませんが、
 不器用ながら愚直にライバルとして求められていることをこなします。

 2人だけのプライベート感もありながら
 団体を背負う者としてパブリックな責務も残していて、
 若い時の昇り龍の時とはまた違う激闘になっていましたね。

 狙い通り団体のMOTYになるか。

 ぎりぎり名勝負。

C樋口和貞、坂口幸雄vs.HARASHIMA、佐藤光留(5/1/22)
 佐藤が3年ぶりに参戦。
 独自の空気感を持っていますが、
 樋口も坂口も懐深く受け止めて盛り上げます。

 一方で試合運び自体は少し鈍っており、
 それもあってか佐藤はアクセントに留めて、
 実質はHARASHIMAが回しており、
 タッグの面白さという点でも物足りなさがありましたね。

 中々良い試合。

Dユニバーサル王座戦:MAO(ch)vs.ASUKA(5/1/22)
 高速演舞に心理戦、
 レフェリーを巻き込んだ攻防からケースを使った攻防、と。

 各シーンこれをテーマにするんだ、と
 やるべきことを明確に決めて構成しています。
 明確なのでレスラーにも迷いがなく安定感がありますね。

 シンプルな分、更にその次を求めてしまう部分が少し残るも満足いく内容でした。

 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:5/?/22)