TOP日本のプロレスDDT →DDT:Best of DDT 2022 part.5

DDT:Best of DDT 2022 part.5の分析


名勝負 KO-D無差別級王座戦:樋口和貞(ch)vs.竹下幸之助(9/25/22)
好勝負 KO-D無差別級王座戦:樋口和貞(ch)vs.坂口幸雄(10/23/22)

D王GP公式戦:樋口和貞vs.納谷幸男(11/18/22)

@KO-D無差別級王座戦:樋口和貞(ch)vs.竹下幸之助(9/25/22)
 序盤の演舞からして、演舞ながらしっかり重みが伴っていて
 そこいらのものとは別物になっています。

 オーソドックスな入りに見せて
 外しを入れて印象付けをしています。

 それは単なる絵作りでなく、強烈なトータル・パッケージです。

 旬同士のレスラーの対決ならではで、見ていてワクワクしますね。
 目の前の最上にまだ可能性が残っている。

 タッパもあり大迫力な技で、
 それぞれの理解度の強度も落ちず試合進行。

 見事な連撃はそれぞれ攻め手、受け手のセンスがあってこそ。

 笑ってしまうレベルのスケール感でしたが、
 樋口が鉄柱自爆させられるも微動だにしない表情から再起動しヘッド・バット、
 という見せ場から更なる怪物に発展して、
 こちらの天辺と思っていたレベルを悠々と乗り越えていきました。

 樋口は才能豊かなレスラーですが、
 これまでで一番ポテンシャルを発揮している試合ですね。

 流血も加わり、最後のフィニッシュ含めてドラマチックに仕上がりました。

 MOTY候補。

 文句なしに名勝負。

AKO-D無差別級王座戦:樋口和貞(ch)vs.青木真也(10/12/22)
 タッグ王座を防衛した樋口の元に青木が現れ、いつでも挑戦権を行使。

 前の試合でボロボロになっている樋口の腕を青木が攻めて
 いますぐ勝敗が決まってもおかしくない攻防が繰り広げられます。

 青木の強みを活かし、弱みをカバーするシチュエーションですね。

 樋口が戦えない状態での気持ち、覚悟を見事に表現。

 最後のフィニッシュ含めてコンセプチュアルな内容を適切に仕上げました。

 好勝負に少し届かず。

BKO-D無差別級王座戦:樋口和貞(ch)vs.坂口幸雄(10/23/22)
 坂口が蹴りかかるとスリーパーにギロチン・チョーク。
 リングでも場外でも徹底的なサブミッション攻め。

 樋口が落とされる寸前で耐え忍んでいくコンセプト・マッチでしたね。

 じっくりとした見せ方から終盤は派手な技にシフト。
 ここで表面的な見せ方にならずに
 しっかりその延長上として魅せ切ったのは見事でした。

 ぎりぎり好勝負。

CD王GP公式戦:樋口和貞vs.火野裕二(11/5/22)
 チョップの打ち合い。
 ロープに走ってチョップ。場外でもチョップ。

 そういうコンセプトなんだと皆が理解し、
 その空間を楽しんではいますが
 熱狂とはまたちょっと違うその一歩手前。

 終盤になるとアイアン・クローをかけあったり
 そのコンセプトに関して陶酔するよりも楽しむレベルに収まっていて
 火野vs.滝澤を知っているとスケール・ダウンした印象を持たざるを得ません。

 コンセプト・マッチとしては後一歩ながら
 そのコンセプトに拘り過ぎなければ
 試合としては上手く構成、盛り上げの起点作りにしていて十分良かった。

 好勝負に少し届かず。

DD王GP公式戦:樋口和貞vs.納谷幸男(11/18/22)
 パワーの全面激突。
 分かりやすいのでキャリアの浅い納谷も迷わないですね。

 樋口も王者として譲らないラインがあり、
 それは対納谷とは別の要素なのでブレない。

 納谷のコーナーに走ってのクローズライン。
 その走る時もリングが音鳴りして迫力がありますね。
 これからどう成長していくか楽しみです。

 納谷がいま一番輝ける方向性で強みを押し出した内容でありながら
 まったく試合の評価を下げる弱みが出ることもなかった。

 納谷のキャリア・メイク・マッチ。

 ぎりぎり好勝負。

 (執筆日:11/?/22)