DDT:Best of DDT 2022 part.2の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | KO-D無差別級王座戦:遠藤哲也(ch)vs.上野祐樹(5/1/22) タッグ王座戦:クリス・ブルックス、高梨正弘(ch)vs.ASUKA、MAO(5/22/22) キング・オブDDT2回戦:吉村直巳vs.HARASHIMA(6/19/22) キング・オブDDT決勝、KO-D無差別級王座戦:樋口和貞vs.吉村直巳(7/3/22) |
@KO-D無差別級王座戦:遠藤哲也(ch)vs.上野祐樹(5/1/22)
上野がシンプルで鋭く美しいムーブを見せた後、
遠藤が上野をエプロンの角にボディ・スラム。
遠藤が腰攻めを徹底し、
それを受けて上野は追撃できなくなったりと攻め手を制限します。
下手すると単調になってしまいますが、
遠藤は適度に間を空けて挑発、
上野もダウンしつつも視線の向け方で気持ちを見せたりと
適切な見せ方で盛り上げていますね。
終盤も上野はラッシュ不可で通しており、
そこは上野の魅力である爽快感を損ねているものの
それでも必殺技の防ぎ合いを軸にちゃんと作り上げました。
ぎりぎり好勝負。
Aタッグ王座戦:クリス・ブルックス、高梨正弘(ch)vs.ASUKA、MAO(5/22/22)
クリスは相手の個性に柔軟に合わせますね。
女性の赤井とも好勝負を残していますが、ASUKAとの合わせ方も見事。
また、エプロンで横にした相手にセントーンを決めつつ、
別の相手にドロップ・キックを決めたりと独創性にも磨きがかかっています。
MAOが鉄骨に下敷きにされるシーンや
入場ゲート上からのムーンサルトが
構成上はそんなに大きな意味合いを持たない程
見所のあるスポットが短時間に詰め込まれています。
もっと時間をかけて構成を考えながら
同量のスポットを使いこなせばよりダイナミックな試合になったでしょうね。
終盤のASUKA、MAOの誤爆のタイミングがドンピシャだったりと
とにかく完成度高く、もっとクオリティを上げられるポテンシャルしか感じなかった。
ぎりぎり好勝負。
B6人タッグ王座トーナメント決勝:佐々木大輔、KANON、MJポーvs.坂口征夫、樋口和貞、岡谷英樹(5/22/22)
それぞれ色出しつつも出る杭にならず
トリオとして調和を見せていました。
流れで適度なアクション性を維持する
タッグではないトリオの魅力を作ることが出来ています。
若手も頑張り、岡谷は気持ちの見せ方は中でも良かったですが、
トーナメント決勝、メインとしてはフックが弱かったことも否めない。
好勝負に少し届かず。
Cキング・オブDDT2回戦:吉村直巳vs.HARASHIMA(6/19/22)
HARASHIMAがミスターDDTとして見事なコントロール。
腹攻めで抑え込みつつ、
自分の攻めもダメージ感を活かして適度に動きを落とします。
吉村も調整されつつも小さくまとまらず
彼の魅力である勢いある攻めを最後までしっかり出し切りました。
終盤の攻防の見せ方作りの為に
HARASHIMAが蹴りにこだわったのも上手かった。
緻密に吉村を押し上げた良い2回戦でした。
ぎりぎり好勝負。
Dキング・オブDDT決勝、KO-D無差別級王座戦:樋口和貞vs.吉村直巳(7/3/22)
吉村は大抜擢ですが、
落ち着いた間使いで自信があるように見せることに成功しています。
首狙いという道筋も適切に守ってミスは無し。
ただこの試合はとにかく樋口が凄すぎました。
パワーのぶつかり合いの中での繊細な調整が光り、
只のボディ・スラム一つとっても
その打ち方で吉村を見事にスケール・アップさせています。
ブレイン・クローで多彩な攻防を生み出し、
巧みなギア・チェンジで終盤まで引っ張り上げました。
吉村は良い資質を持っていますが、
この樋口を見てしまうと、まだまだ飛び抜けた要素に欠けるな、と思ってしまいますね。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:7/?/22)