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DDT:Best of DDT 2021 part.2の分析


名勝負 なし
好勝負 ユニバーサル王座戦:上野勇樹(ch)vs.岡田佑介(3/14/21)

KO-D無差別級王座戦:秋山準(ch)vs.樋口和貞(3/28/21)

KO-D無差別級王座戦:秋山準(ch)vs.男色ディーノ(4/11/21)

エクストリーム級、アイアンマン・ヘビーメタル王座戦:クリス・ブルックス(Ex ch)vs.赤井沙希(Iron ch)(5/4/21)

@ユニバーサル王座戦:上野勇樹(ch)vs.岡田佑介(3/14/21)
 切れの良いアーム・ドラッグ演舞から
 岡田が荒っぽい打撃を打ち込んでいきます。
 バランスの良いラフ・ファイトで上野の感情的ファイトを引き出しました。

 上野はシンプルさ+怖さの表現が両立されており、
 まさに飯伏二世とでも言うべき魅力を見せつけています。

 高度ではないにしても若さの強みが活きた攻防。

 適切な手順を踏みつつ凄い試合にしようとする狙いは的確。

 岡田はまだ良くも悪くも色がついていなくて
 細かなニュアンスはやや物足りないですが、
 上野に対する感情の結びつきが素晴らしい状態で終盤も見応えは落ちず。

 天丼の見せ方で、上野のスケール感も利いていてお見事です。

 文句なしに好勝負。

AKO-D無差別級王座戦:秋山準(ch)vs.樋口和貞(3/28/21)
 天秤の動き出しは軽め。

 それでも秋山のヘッド・バットに樋口も返すラフなやり取りの中、
 場外を上手く多用しており構築上は良好。

 中盤は秋山が樋口の手を攻めていきます。
 樋口はもう少し体全体を使って痛がると良かったですね。

 手を痛めながらの攻めは
 芯の強さを感じさせるダイナミックなもので良かった。

 そこに織り込まれる秋山のサブミッションの老獪さも際立ちました。

 終盤ブレイン・クロー周りをスマートに攻防に使っている一方で、
 小さくまとまっているところもありました。

 ぎりぎり好勝負。

BKO-D無差別級王座戦:秋山準(ch)vs.男色ディーノ(4/11/21)
 距離感を間違えずに相手の良さを引き出す。
 秋山の試合前に流されたインタビューのこの言葉がまさに、ですね。

 ディーノは冒頭の握手から金的丸め込み。
 何が起こるかわからない、逆に変則で翻弄しないとディーノに勝ち目はない。
 それを印象付けつつ、心理的にはディーノの方が有利に立っているのでは、
 と思わせる所まで発展させたのがお見事。

 最初の5分はほとんどアクションせずに魅せましたね。

 中盤い移るに当たって秋山が激しさを加え
 単なるスタイル・クラッシュだけでなく王座戦の重みも加えます。

 このフェーズはこの試合に意味づけを与えていて本当に価値のあることでした。

 攻防のテンポ・コントロールで、劇的に見せることができています。

 終盤は突然暗転しビデオ・メッセージが流れるシーンも。
 DDTらしい演出である一方で、これでまとめにかからないといけないほど選択肢が残っていないのも確か。
 
 最後はディーノがニーを何度も耐えて中指を立てる。
 これも事前のストーリー・プロモからしっかり伏線引かれていました。

 試合におけるパフォーマンスも両者のトップ・レベルでしたが、
 試合が組まれた時点からの団体含めた積み重ねこそが
 この試合のクオリティに結びついています。

 文句なしに好勝負。
 
Cタッグ王座戦:樋口和貞、坂口幸雄(ch)vs.岡林裕二、HARASHIMA(4/11/21)
 最初は静かな出だし。
 その中で裏技を混ぜたりと
 良く見れば見る程味わい深いものに仕上げています。

 岡林と樋口の対決もポイントに置いて盛り上げ。

 一方でタッグ要素もおざなりにせず、上質な内容に仕上げています。

 ただワン・オブ・ゼムで印象に残りにくい試合だったかもしれません。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

Dエクストリーム級、アイアンマン・ヘビーメタル王座戦:クリス・ブルックス(Ex ch)vs.赤井沙希(Iron ch)(5/4/21)
 クリスが丁寧に合わせて
 赤井に分かりやすいリード・ラインを引きます。

 腕狙いの絡め方は良いし、
 高低織り交ぜた試合運びの緩急のつけ方は長身のクリスならでは。

 クリスの素晴らしいフォローによって
 赤井がまったく間違えることなく
 自分が輝く道を真っすぐ進んでいきます。

 素材としては光るものを持ちつつ、
 能力、スキルでは物足りない所もある赤井ですが、
 今回観客がいなかったのもかえって良かったかもしれませんね。
 気にしなければいけない要素も絞られたことで
 非常に良い集中力を見せていました。

 クリスは最後まで赤井の攻防に対して高い理解を示します。
 赤井のスポットへの持って行き方に不自然感は全くなし。
 パワーを押し出さずサブミッション、丸め込みを前面に出すことで
 男女の壁も良い意味で崩し、終盤も見応えのある攻防を繰り広げました。

 インタージェンダー・マッチの最高峰の試合です。

 文句なしに好勝負。

EUTL戦:佐々木大輔、火野裕士vs.竹下幸之助、勝俣瞬馬(5/9/21)
 佐々木と勝俣はお互い相手のことを良く分かっていて
 バランスの取れた攻守比率でやり取り。

 竹下と火野の絡みはキャッチーですが、
 非常に丁寧に火野を立てていましたね。
 連携技を火野攻略のポイントに置いていて良かった。

 爆発的な機運には欠ける所があるものの
 4者4様の位置づけの中で化学反応を起こしました。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:5/?/21)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ユニバーサル王座戦:上野勇樹(ch)vs.岡田佑介(3/14/21)
AKO-D無差別級王座戦:秋山準(ch)vs.樋口和貞(3/28/21)
BKO-D無差別級王座戦:秋山準(ch)vs.男色ディーノ(4/11/21)
Cタッグ王座戦:樋口和貞、坂口幸雄(ch)vs.岡林裕二、HARASHIMA(新チャンピオン!)(4/11/21)
Dエクストリーム級、アイアンマン・ヘビーメタル王座戦:クリス・ブルックス(Ex ch)(新チャンピオン!)vs.赤井沙希(Iron ch)(5/4/21)
EUTL戦:佐々木大輔、火野裕士vs.竹下幸之助、勝俣瞬馬(30分時間切れ)(5/9/21)