DDT:Yoshihiko vs. All Out 2020の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なし |
@ハードコア・マッチ:ヨシヒコvs.勝俣俊馬(5/16/20)
ハードコア・マッチということで
凶器を変えながら戦場を頻繁に移していく。
その為勝俣の一方的な攻めにおいても
試合が構築できていて対ヨシヒコの理想の試合構築法といえます。
また今回のヨシヒコとの抗争劇も
過激なスポットにより表現できているし、
ヨシヒコの攻めに繋がりを持たせていたのは実に素晴らしかった。
黒子の関わり方のバランスも良かったですね。
レフェリー気絶から竹下乱入も
安易に終わらずニア・フォールで演出。
抗争劇のワン・オブ・ゼムになるかと思いきや、
ヨシヒコのキャリア・ベストの試合となりました。
好勝負に少し届かず。
A竹下幸之助vs.ヨシヒコ(5/23/20)
ヨシヒコの沈黙、静かさを不気味さとして演出するも
人形故に当然こういうストーリー性には向いていませんね。
その表現の土台に乗っけるには限界があって
そういう意味ではイン・リング・プロレスに
映像プロレスを加えることで
改良をできる可能性はありましたが、
それはリマッチに温存しているので当然なし。
竹下が砲丸投げや
コーナー上から場外へのブレーン・バスターなど
人形だからこそできる最強ムーブで一定の盛り上がりを見せました。
一方受けにおけるダメージ・疲労表現はいまいち。
ヨシヒコが動けないことを考慮しても
もう少し何とかできた印象はある。
最後はレフェリー気絶から竹下軍が乱入してリンチも
暗転からアキヒロ乱入で逆転決着。
まあまあ良い試合。
Bラスト・マン・スタンディング:竹下幸之助vs.ヨシヒコ(6/6/20)
私にとってプロレスとはコミュニケーションです。
その点で箒やヨシヒコの試合は
プロレスとして重要な部分が欠落しています。
一方で箒やヨシヒコとの試合は
現代プロレスの重大な要素の創造性、独創性への挑戦でもあります。
その挑戦とは何かを具体的に記述すると
ヨシヒコが人形でコミュニケーションが出来ない、動かないという制限への挑戦です。
それにも拘わらずその唯一にして最大の要素を自ら放棄している。
WWE発の映像プロレスというトレンドはDDTと親和性がありますが、
DDTの中で映像プロレスを最も注意して取り扱わなければならない選手が他ならぬヨシヒコです。
遊び、楽しみに夢中になって根本原理を忘れる悪い実例。
ヨシヒコのクローで竹下が目玉をくりぬかれ、
それを奪い返して自分の眼孔に戻すシーンも馬鹿げていて、
これまでヨシヒコという仮装を作り上げてきた努力を無に帰している。
そもそもラスト・マン・スタンディングという命名も意味不明。
抗争決着戦という意味合いだけで
所謂Final Delationと同じ雰囲気ワードなのですが、
何故既に特殊ルールとして名の知れている
ラスト・マン・スタンディングというネーミングにしたのか。
B級映画(竹下の演技含む)と映像プロレスと一人プロレス。
この3要素を同居させる意義を感じさせない程
どの要素もレベルが低い。
少し悪い試合。
(執筆日:6/?/20)
注目試合の詳細
なし試合結果
@ハードコア・マッチ:ヨシヒコvs.勝俣俊馬(5/16/20)A竹下幸之助vs.ヨシヒコ(5/23/20)
Bラスト・マン・スタンディング:竹下幸之助vs.ヨシヒコ(6/6/20)