DDT:Best of DDT 2020 part.3の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | KO-D無差別級王座戦:遠藤哲也(ch)vs.佐々木大輔(11/3/20) |
@秋山準vs.竹下幸之助(11/3/20)
年齢差ある中でどこで勝負すべきか良く分かっていますね。
見せ方の伴ったレスリングと緩急の織り交ぜ。
お互い上手く相手の合意を隠して技を決めているので
強さの印象付けが出来ており、
この手の対抗戦的色合いがあるカードではそれがポイントです。
特に竹下のバック・ブリーカーはインパクト大でした。
四天王プロレスの象徴スポット、断崖式技を防ぐ所から秋山が反撃開始。
腰攻めのダメージを回復させる表現を含みつつも
かなり思い切った間を置いた試合運びでしたね。
印象的に観客にフックをかけています。
ここまで長いのはベテランとはいえ普通は怖い挑戦ですが、上手くやっています。
細かな変化付も足蹴りとフロント・ネック・ロックでこなせている。
竹下は脚攻めを食らって丁寧な痛みの表現。
律儀に守っている内は反撃が単発になるので
終盤にどのように切り替えるかが次のポイントになりましたが、
秋山が竹下とのコミュニケーションを型に依存しているが為に
竹下が反撃により攻守入れ替えて印象を上回りきれず、
等価に抑えられなかった点で物足りなさを残しました。
その点で明確に課題を抱えた試合ではありましたが、
武藤vs.清宮と同じく世代差のあるカードにおいては
それは大きな団体としてのストーリー・ラインの中では
持ち越しができるので合格点というかむしろ美味しい所もあったりするので良いのでしょう。
好勝負に少し届かず。
AKO-D無差別級王座戦:遠藤哲也(ch)vs.佐々木大輔(11/3/20)
序盤は様式で流しつつも
歪に入れ込んで読み合いを演出します。
ダムネーションを追放された佐々木が脚に狙いをつけ椅子攻撃をする一方で
遠藤は醒めた対応でセコンドの援護を受けながら冷静に攻めを重ねるのが面白いですね。
感情を上手く調節してグラッジ・マッチに振り切らない中で
ストーリーもしっかり語り切っています。
両者同時に起き上がってからの後半戦。
自己完結ではない、相手も含めての技のつなぎ方、これがとても絶妙で、
両者のサブミッションが更にその攻防にオンするのだからたまらない。
ポーリーが遠藤を裏切り佐々木に忠心を誓うシーンは
タイミングとしてはやや微妙ながら
2人だけの攻防に集中して帰結させる為には必要悪か。
メインとしての激しい攻防に納得のフィニッシュで〆。
佐々木が負けたら引退宣言をしていたことに対する試合後のやり取りは
DDTらしいものの内輪感の強い収め方で傍から見ると微妙かも。
ぎりぎり好勝負。
B佐々木大輔、石川修司vs.関本大介、宮本裕向(11/12/20)
佐々木の15周年記念大会のメインに組まれた試合ですが、
佐々木のパフォーマンスがそんなに良くないですね。
他の3人も大局観を持たず
短期の積み重ねでしかなく、
30分という時間設定が悪い方向に働きました。
オーソドックスな攻防でしかなかった。
平均より少し上。
CD王GP公式戦:竹下幸之助vs.佐々木大輔(11/22/20)
佐々木が道化な表情を見せつつ、
思わぬ所で意表を突いてカウンターを入れてきますね。
竹下のムーブがこれまた伸びやかで見事なので双方実に映えます。
竹下が身体能力、ムーブでシンプルに凄さを伝えて来ているのに
勝負としてはどう転ぶかわからない、という感覚が心地よい。
すかす形での攻防で真っ向からのニア・フォール合戦は少ないので、
(試合時間自体がやや短めです)
素晴らしい試合ながら若干ボリューム感に物足りなさもあるか。
好勝負に少し届かず。
DD王GP公式戦:遠藤哲也vs.秋山淳(11/22/20)
秋山は衰えを受け身をジャストに取ることはできませんが、
その動きの硬さを強さに見せれる技術があります。
簡単な反撃では主導権を渡さなかったり
この嗅覚が素晴らしいですね。
遠藤は受けに回らざるを得ませんが、
ダメージ感の表現は良く受け比率高くても見ていられるし、
一方でムーブが美しく強いので王者としての立ち位置も損ねていません。
最後の幕引き方はややコンパクトでしたが、
竹下戦に続き秋山の存在が良い化学反応を生みました。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:11/?/20)
注目試合の詳細
なし試合結果
@秋山準vs.竹下幸之助(11/3/20)AKO-D無差別級王座戦:遠藤哲也(ch)vs.佐々木大輔(11/3/20)
B佐々木大輔、石川修司vs.関本大介、宮本裕向(30分時間切れ)(11/12/20)
CD王GP公式戦:竹下幸之助vs.佐々木大輔(11/22/20)
DD王GP公式戦:遠藤哲也vs.秋山淳(11/22/20)