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DDT:Best of 2012 Part.2の分析


名勝負 なし
好勝負 KO-D王座戦:飯伏幸太(ch)vs.エル・ジェネリコ(9/30/12)

KO-D王座戦:エル・ジェネリコ(ch)vs.飯伏幸太(10/21/12)

KO-D無差別級王座戦:エル・ジェネリコ(ch)vs.ケニー・オメガ(12/23/12)

@King of DDT準決勝:ケニー・オメガvs.HARASHIMA(7/8/12)
 まずはお手軽にスタート。
 場外戦にスムーズに移行すると
 オメガが馬飛びフェイス・バスターを決め主導権を握ります。
 余り大きな変化なく淡々とやるべきことを行っている印象ですね。
 もう少し展開をはっきりと際立たせ、
 そして間を置く際にはその中で静止を組み込んで大きく緩急をつけるべきです。
 腹攻めを受けたオメガには身を切りながらの攻めを見せて欲しかったですね。
 自分の腹に負担のかかりそうなダイビング・クロス・ボディも普通にこなしてしまっています。
 スプリングボードに対してカウンターで波動拳を叩き込んだり
 インパクト大のフィニッシャーと終盤の特別な攻防は面白かったんですけどね。
 中々良い試合。
 (執筆日:11/17/12)

Aハードコア・マッチ:HARASHIMA vs.石川修司(DDT 7/22/12)
 冒頭から椅子を使い石川がHARASHIMAを流血させます。
 タフな石川に対しHARASHIMAはテーブルを持ってきて反撃。
 スプリングボードでテーブル葬に追い込みます。
 両者得意の凶器をこれで明示できました。
 後はそれぞれ凶器を使いこなして盛り上げていきます。
 ただ凶器が全般的に使われてしまっているので
 通常試合的要素との緩急がなく、形式を十分に活かしきれていません。
 連なった座席、及び階段を使うことで
 終盤ではそれまでよりも過酷なスポットの様相を生み出しました。
 中々良い試合。
 (執筆日:11/17/12)

BKO-D王座戦:飯伏幸太(ch)vs.ケニー・オメガ(8/18/12)
 飯伏は硬く動き、オメガは抑揚をつけて対比化。
 一方で頭部にビッグ・ブーツを打ち合い、かわしあってライバルとして相同化。
 この2つの要素はどちらも大事ですが
 1シーンに両立させようとする感覚が理解に苦しみます。
 演舞と敵意的火花が1つの試合に両立することはあるが
 1シーンに詰めてはどうストーリーになりえるのか。
 序盤を経てオメガが腕狙い。
 攻め自体は厳しいものの
 腕狙いだけに長々と固執する理由は見えない。
 只の時間稼ぎとしか見えなくては厳しさも意味がなくなります。
 この試合の過激化の第一歩としてまずはオメガがエプロンでのフルネルソン。
 しかしカウンターの入れ方が速すぎる。
 アクションは観客が認知して初めて効果を挙げるものなれば
 速ければ速い程良いというものではありません。
 オメガが引き続き腕を狙い続け、
 ライバルなのに飯伏が主導権を取り返せない展開がダラダラと続きます。
 15分経過時に飯伏がダイブを決めターニング・ポイント。
 花道での受身を初めとして次々と過激スポットが出てくるようになりますが
 それらのスポットは同じ間隔で並列させており、スポットの前後で何も変わりはしない。
 バルコニーからのムーンサルトは戦いとしての体裁を丸っきり捨てていてひどい。
 その後も場外への雪崩式ハリケーン・ラナ、顔への拳など無茶なスポットを連発。
 後、飯伏は狂いではなく只不気味で変な表情。
 リアルな思い入れがあるからこそこのような歪な試合になっているのでしょうが
 試合の中に丸っきりストーリーがないので四天王プロレスでもなければ
 彼らにしかできないない特別性も伝わらず、ただただ距離感を覚える内容。
 平均的な良試合。
 (執筆日:8/24/12)

CKO-D王座戦:飯伏幸太(ch)vs.エル・ジェネリコ(9/30/12)
 まずは優雅な動きで試合を幕開けるが、
 飯伏が腕にエルボーを打ち込む厳しさもある。
 ジェネリコがそれに対して素晴らしい受身を取りハード・ファイトの様相を早くも醸す。
 序盤の段階でクローズライン連発を織り交ぜるなど面白い作り方も見せる。
 中盤では重要なシーンだと意識づけながら持ち技を駆使。
 ダメージ表現も伴っていますし、
 また必要内のレベルにとどめてリマッチの妙、カウンター戦も織り交ぜている。
 ジェネリコも久しぶりにリング横切り飛びつきDDTをするなど気持ちをのせて観客をのせていました。
 総合的に満たされた両者が必要な能力を必要な場面で発揮した一級品。
 若干ダイナミズムに欠け、終盤の見せ方が二ア・フォールの一つ一つに絞られすぎている感はあるものの素晴らしい試合です。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:11/15/12)

DKO-D王座戦:エル・ジェネリコ(ch)vs.飯伏幸太(10/21/12)
 2012年3度目の対決。
 ジェネリコがディティールを加えた動き。
 また飯伏の充実した動きを懐深く受け入れられていきます。
 飯伏が予期せぬカウンターから腹攻め。
 ぐったりした姿で魅せるシーンも半々で入れてきて
 3度目の対決らしいオールマイティな戦いです。
 多少サブミッションが足りない気もしますけどね。
 終盤はまず投げあって両者ダウン。
 構成はできていますが、もっとドラマスティックに見せても良い。
 ジェネリコは観客に対しての仕草ができていますが自分の感情の乗せ方がいまいちです。
 その点で言えば飯伏は心のこもったファイトで感情を振り乱していた。
 ジェネリコがその感情を受け止めきって交流しないとあの最後の終わり方は成立しきれないですよ。
 最高の一戦になりえたが、未完成な部分もありました。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:11/15/12)

EKO-D無差別級王座戦:エル・ジェネリコ(ch)vs.ケニー・オメガ(12/23/12)
 華麗な仕草をつけたレスリング。
 大きな動きにシフトしてアーム・ドラッグを決めると
 殴り合いからオメガがハリケーン・ラナを決めトペコン。
 流れの作り方は王道に沿っているものの
 1シーンをつなぎなく見事に組み合わせています。
 中盤はオメガが荒々しいファイトでジェネリコの腰を攻めます。
 ラフでありながらアクセントをつけているのが素晴らしいですね。
 ジェネリコの反撃の止め方は形式的ですが
 技を一つ一つそれぞれ別の形で見せています。
 ジェネリコが反撃して終盤に入りますが、
 ジェネリコのダウン表現が優れているからこそ
 中盤と状況が似通っていて大きな変化になっていません。
 勿体無いですね。
 また王者であるジェネリコをオメガが押している内容にするなら
 普通ならざるスポットで理由をつけて欲しいですね。
 良質な攻防後、丸め込みを挟んでクライマックスへ。
 自身の必殺技及び掟破りでの攻防ですが
 他の持ち技を織り交ぜるべきでしたね。
 それでこそ最後のフィニッシュも活きて来たでしょう。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:1/6/13)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@King of DDT準決勝:ケニー・オメガvs.HARASHIMA(7/8/12)
Aハードコア・マッチ:HARASHIMA vs.石川修司(DDT 7/22/12)
BKO-D王座戦:飯伏幸太(ch)vs.ケニー・オメガ(8/18/12)
CKO-D王座戦:飯伏幸太(ch)vs.エル・ジェネリコ(新チャンピオン!)(9/30/12)
DKO-D王座戦:エル・ジェネリコ(ch)vs.飯伏幸太(10/21/12)
EKO-D無差別級王座戦:エル・ジェネリコ(ch)vs.ケニー・オメガ(新チャンピオン!)(12/23/12)