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DDT:Best of 2012の分析


名勝負 なし
好勝負 KO-D無差別級王座戦:火野裕士(ch)vs.HARASHIMA(5/27/12)

@エクストリーム級王座戦:エル・ジェネリコ(ch)vs.木高イサミ(DDT 1/3/12)
 ジェネリコの受けの上手さが光りますね。
 自分の体をスライドさせ試合を発展させつつ
 木高の実体にやや欠ける技にもしっかり受身を取り威力を感じさせています。
 間の取り方も素晴らしいですね。
 木高もハードコアで盛り上げていましたが、
 ジェネリコとの力量差は歴然。
 とんかちなんていう仮想凶器なんて持ち出さないで
 分かりやすい過激化に身を投じてくれないと王座交代劇にはやや受け入れられぬ。
 中々良い試合。
 (執筆日:2/1/12)

AHARASHIMA、エル・ジェネリコvs.KUDO、ケニー・オメガ(2/19/12) 
 4人が自由にリングの中で色をぶつけているのは魅力的ですね。
 中でもジェネリコvs.オメガ、HARASHIMAvs.KUDOを中心に
 相同的な攻防を織り交ぜながら激しくぶつかりあっています。
 オメガの動きはキレていましたし、
 ジェネリコは間も冴えていましたね。
 一方でHARASHIMAvs.KUDOも見応えがあったものの
 タッグという試合が求めているもの、と若干ずれている。
 細やかな狙いなどは余り効果を挙げませんし、
 HARASHIMAが全体的にゆったりしているのが目につきましたね。
 もう少し緩急が欲しい。
 連携技などもある程度あり、
 外国人が自由なタッグを出来る場としてDDTが機能すれば面白い、と思わせる一戦。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:3/1/12)

BKO-D王座戦:男色ディーノ(ch)vs.アントーニオ本多(2/19/12) 
 トップ王座とは思えないカード。
 2人が真剣な眼差しを見せ、その前印象を覆してくれそうにも見えましたが・・・
 まず本多が執拗なヘッド・ロックを見せます。
 これに対してディーノが男色殺法。
 戦略的な意味合いで使うのは良い。
 しかしそれこそ彼の武器であるからこそ使うのは早すぎるし、
 それにあくまで心理的に生理的に嫌悪感を与えるものです。
 ダメージとして成立するものでもありますまい。
 本多も技にアピール成分が強すぎる。
 表情だけではなくて動きも普段よりシリアスになるべき試合です。
 双方が流血した後半戦はドラマチックな見せ方を使ってじっくり見せてきましたが
 偉大なる血の力を持ってしても子供の遊びに見える。
 ディーノの攻撃力が弱すぎるのです。
 30分もやるものではないですよ。
 まあまあ良い試合。
 (執筆日:3/1/12)

C世界Jrヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.入江茂弘(DDT 4/1/12)
 入江は挑戦できる限界の105kg。
 そのためヘビー級の位置づけになるのかと思いきや
 オメガにショルダー・タックルを耐えられたり、
 ブリッジで起き上がって見せるというバランスなのが面白いですね。
 場外が積極的に使われているにも関わらず
 オメガが自分の形に持っていけない展開は特別な印象を与えます。
 入江ステージから下にダウンしたオメガへのヒップ・ドロップが中盤最大の見所。
 しかしこれでオメガがダメージを負ったのか分からないのが難点。
 理屈で測れないのが最近のオメガのキャラではありますが
 入江がここまでしている以上ここはリアリティーを大事にして欲しかった。
 ダイブから持ち技を立て続けに続けて盛り上げ終盤へ。
 入江が軽量級的受身やFBスプラッシュを見せたのは独創的なものの
 本来の重量級としての重みが感じられないために
 どうしても表面的な盛り上げに見えてしまったのが残念です。
 中々良い試合。
 (執筆日:6/1/12)

DKO-D王座戦:マサ高梨(ch)vs.火野裕士(5/4/12)
 火野のグラップルの仕方が素晴らしいですね。
 力のこめ方が伝わり、可能性の含みが見える。
 それにより相手をどう見えているかが分かる。
 素晴らしく表現的で技術的なレスリングです。
 高梨はそのまま真っ向からぶつかるも無理ということで
 すぐにリングアウト狙いをしたりと方向転換。
 ただベビーフェイスだからといってベルト攻撃を狙ったのはやりすぎで
 それによりDQエンド、再開というネタは早すぎます。
 高梨はレスラーとして悪くないのに
 最弱レスラー・ギミックになるために必要以上に自分を貶めて、
 その設定化により試合を形骸化させている。
 脚狙いのサブミッションは技術的だがSTF系に統一した方がすっきりしますね。
 終盤火野はカウンター含め圧倒的な強さを作り上げ、そのままフィニッシュ。
 やっぱり高梨は短期政権に終わったか、という印象で終わるのは如何なものか。
 高梨の粘りでもう少し火野の強さに近づけたはずなんだけど。
 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:7/8/12)

EKO-D無差別級王座戦:火野裕士(ch)vs.HARASHIMA(5/27/12)
 オーソドックスなレスリング及び
 定番のショルダー・タックルの耐えあいでスタートしますが
 間の置き方が上手く、いつものなのに一定の緊張感があります。
 HARASHIMAは体格の面で劣っていますが
 ロープ含めて環境の力や工夫すれば決して打ち負けない、
 しかし場外戦のように直で打ち合う状態になれば当然に押し負ける、という構図が面白いですね。
 絶妙のバランスで攻防を作り上げており、
 技のアップ・ダウンも既存の枠に縛られていません。
 大きな大会ではないということで限界までやりきった試合ではありませんが
 トップ・クラスのクオリティを誇る化学融合を見せていました。
 つまるところ逆に言うなら舞台を用意していれば普通にMOTY候補になったと思います。
 それぐらいに素晴らしかった。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:12/31/12)

FKO-D無差別級王座戦:火野裕士(ch)vs.飯伏幸太(DDT 6/24/12)
 火野が体格面で優れていることを示すのは必要だろうが
 ナックル・ロックという動ではなく静の見せ方を取ったことには疑問を感じずにはいられない。
 飯伏がバク転からアーム・ドラッグを決めたりしているが
 コンビネーションのリズム、連結性がいまいちでしたね。
 火野がチョップで押していること示し優位に立ちます。
 飯伏がDDTのエースだということを考えると
 すんなりと劣勢に回ってしまって拍子抜けしましたね。
 火野のチョップを鉄柱に誤爆させた所から、
 飯伏が腕に蹴りを叩き込み反撃開始。
 といっても火野は守勢に回っても挑発的態度、タフさで容易に覆してくる。
 だから序盤の火野とのポイント差を埋められていませんね。
 綺麗に一進一退を紡いでいるので
 力量差を変に作らずドリーム・マッチ的装いを加えるぐらいでも良かったかもしれない。
 終盤は飯伏がスターダストプレス、ラスト・ライドなど
 普段使わない技で必死に食らいついていく展開ですが
 技に統一感がないから単発でしか見られず、最後の封印技も例外ではない。
 火野が強さを確立しすぎていて一発で逆転できるような試合ではなかった。
 相当期待していたんですが飯伏が火野のスタイルに近づけなかった印象ですね。
 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:7/20/12)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@エクストリーム級王座戦:エル・ジェネリコ(ch)vs.木高イサミ(新チャンピオン!)(DDT 1/3/12)
AHARASHIMA、エル・ジェネリコvs.KUDO、ケニー・オメガ(2/19/12) 
BKO-D王座戦:男色ディーノ(ch)vs.アントーニオ本多(2/19/12)
C世界Jrヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.入江茂弘(DDT 4/1/12)
DKO-D王座戦:マサ高梨(ch)vs.火野裕士(新チャンピオン!)(5/4/12)
EKO-D無差別級王座戦:火野裕士(ch)vs.HARASHIMA(5/27/12)
FKO-D無差別級王座戦:火野裕士(ch)vs.飯伏幸太(新チャンピオン!)(DDT 6/24/12)