TOP日本のプロレスDDT →DDT:闘うビアガーデンin新木場 1st Ring 8/6/08

DDT:闘うビアガーデンin新木場 1st Ring 8/6/08の分析


名勝負 3本勝負(路上とリングそれぞれで1本取らないと勝利にならない):ケニー・オメガvs.飯伏幸太
好勝負 なし

飯伏プロデュースの日。

@ボクシング・マッチ:飯伏幸太vs.伊橋剛太
 餓鬼の喧嘩的に拳を振り回す試合。
 あのリーチ、キレの差で飯伏がダウンするのには
 虚構が見えすぎる気がしますが
 飯伏の拳を幾度と無く受け続けた伊橋の姿に会場は大盛り上がり。
 こういうオープニングもありなんだな、と少し感心。

Aどインディーズ・ランブル
 恐ろしく完成度の低い試合でネタの羅列。
 学生プロレスの連中も出ていたみたいですね。
 個人的にこういうのは嫌いなんですよ。
 (実際に経験しているので学生プロレスの全てを否定するつもりはないが)
 こういうネタをするのに限って
 プロレスが好きという免罪符を掲げるんだけど
 それならあなたのしている事はプロレスじゃないとできない事ですか、と聞きたい。
 プロレスの自由度はその敷居の低さ故に堕する危険性をはらんでいる。
 とにかくこの試合で私のテンションはガタ落ちです。

B堀井ユミコvs.安部行洋
 飯伏が大好きだからこの興行で試合をしたいんです、と
 ゲイっぽい事をいう安部の願いを高木が聞き入れ
 急遽組まれた試合。
 当然安部が負け、この試合後の休憩中ずっとダウンしていました。

Cハード・ヒット・ルール:佐藤光留vs.中澤マイケル
 ダウンとロープ・ブレイクでポイントが減り
 0になるとTKOとなるルールらしいですね。
 さて試合ですが・・・
 佐藤が猫耳メイド服を脱いだ後、
 ナース服のマイケルとリアルなレスリングを披露。
 この掴みが素晴らしかったですね。
 本当は裏にちらつくのが理想なんですが
 難しいから、こういう意図的に見せるのでもかまわない。
 試合を組み立てる、間を置くとかの本道とは限らず
 何らかの技術、もしくはもう個性といっても良い、
 そういう物に裏打ちされている、隠されていると
 観客を説得させてこそネタは初めて芸になるんです(ザ・シークしかり)。
 試合の方はその後
 ポイントが1対100だったと発覚したり
 苦戦する中澤がヌルヌルに移行するという展開を経て、
 最後は佐藤がローションで中澤を滑らせ立てなくし
 10カウントという素晴らしいフィニッシュに持っていきました。
 Aと違う本物のファン・マッチだけあって非常に面白かったですね。
 これで私も良い状態でメインを迎える事ができましたよ。
 
D3本勝負(路上とリングそれぞれで1本取らないと勝利にならない):ケニー・オメガvs.飯伏幸太
 開発され尽くしたと思われた大陸に現れた
 2つの新星がかくも早く交わるなんて凄い時代ですねぇ。
 まずはオーソドックスなレスリングからロープ・ワーク、コーナー間の高速移動。
 コーナーに振られたオメガがムーンサルトを放った時には
 誰もが遠い、間に合わないと思ったはずですが
 それを飯伏は躊躇する事なく滑り込んで避け成功させるのだからとんでもないですね。
 これで観客の心を鷲掴みです。
 ここから場外へ繰り出します。
 さて今回実際に行ってみて分かったのですが
 「彼らの後を追う」という事が「見る」という行為に本来あるべき能動性を取り戻させると共に
 試合における緩の役割を担っているという事。
 ライブ感を利用した素晴らしい仕掛けですよ。
 その合間に大量の椅子をばらまいた地面への投げや
 自販機上からテーブルへのフェニックス・スプラッシュなんかが出る。
 2度目ですがこの両者とんでもない。
 只逆に言えばこのライブ感に大きく依存しているのが弱点となりえます。
 まず路上の闘いを見れなかった人達。
 その中で見る事を自ら放棄した人達にはリングでディーノとマイケルがストリップするというサポートで十分なのだが
 当然、見たかったけど人が多すぎて無理だったという人もいるはずなんです。
 体格的に女性(今回見当たらなかったが老人・子供も)は不利ですしね。
 スクリーンで見れるという環境が欲しいですね。
 本興行じゃないですし、そもそも他の団体ならサポートすらないだろうとも思うのですけれどね。
 次にブラウン管を通して見る人達。
 これは後を追うという行為がなくなる分、
 その闘いがややスポット的に、
 また早めに路上に出てその1回で2本とも終わらす所に試合形式の限界を感じてしまうでしょう。
 一般的な試合に比べてTVとライブとの格差は大きい。
 試合に話を戻します。
 そんなこんなでそれぞれ1本取り会場へ戻っていきます・・・
 が、リングではなく花道に向かいトペコンとミサイル・キックなんか打ってしまうのですよ。
 リング横は距離を置くことなくテーブルや椅子が並んでいる訳で
 ダイブ系は見れないだろうなと思っていたのに、こういう形で見せてくる。
 とにかくこの試合、見ている側の想像より常に何歩も先を行っている。
 その後リングに入ると、もはや総力戦ムードにもなっている中
 波動拳やSTOPといった持ち芸と
 コーナーを活かしたダイナミックな技を取り混ぜ
 それまでと変わらない素晴らしい物を見せ幕です。
 ここで1つだけ指摘するなら波動拳の受け、後方宙返りでしょうか。
 エヴァンスなんかがそうだけど何でもかんでも身体能力を活かす方向にするのは考え物ですよ。
 確かにかめはめ波じゃないんで、これもありかとは思いますが
 やはり後方飛びの方が絵になるんじゃないでしょうか。
 ささいな事ですけど少し気になりましたね。
 総評です。
 全体を振り返ってみるとドリーム・マッチにふさわしい
 素晴らしい試合を目撃してしまったな、というのが率直な感想です。
 誰もが100%の飯伏vs.オメガを楽しめる訳ではないという
 欠点を考慮してもこれは名勝負といって良い。
 ぎりぎり名勝負です。

総評
 これが目の前で楽しめて
 500円、勿論飲食代でかさむだろうが、なのだからお得すぎる。
 大満足です。
DVD Rating:★★★★☆

注目試合の詳細

D3本勝負(路上とリングそれぞれで1本取らないと勝利にならない):ケニー・オメガvs.飯伏幸太
  飯伏が握手を求めるもオメガは手を振り払う。
  まずはオーソドックスなレスリング。
  オメガは膝を踏み台に上空で一回転してリスト・ロックから逃れると
  ロープに走りショルダー・タックルを決める。
  飯伏が跳び起きロープに走る。
  高速のロープ・ワーク。
  オメガがロープに掴まり外す。
  今度はコーナー間で高速移動。
  オメガがコーナーからムーンサルトを狙えば
  飯伏がその下を滑りぬける。
  オメガは着地すると波動拳を放つも避けられる。
  フォア・アームズの打ち合い。
  2人は睨み合うと場外を指差しリングに降りる。
  オメガが飯伏をテーブルに叩きつけ会場の外に連れ出していく。
  (席を立ち追いかけます)
  (ここは見れず)
  入り口前でフォア・アームズに蹴りの打ち合い。
  オメガが椅子へのブルドッグをに、椅子へ座らせてのダブル・ニー・アタック。
  道に連れて行き立てた椅子へのボディ・スラムを狙う。
  飯伏が後ろに逃れバックを取る。
  オメガは壁を蹴って後ろに逃れると椅子へのミチノク・ドライバー。カウントは2。
  (ここまで他の観戦記参照)
  ならばと多数の椅子を撒きミチノク・ドライバーを決める。
  カウント2で返したように見えたか周りがざわざわするもカウント3だと告げられる。
  オメガがまず路上で1本取る!
  7分17秒。
  オメガは飯伏を抱え起こすと会場を指差す。
  その一瞬の隙を突き飯伏がバック・ドロップ。
  オメガは椅子の上に叩きつけられる。
  両者起き上がるとフォア・アームズの打ち合い。
  そして蹴り合い。
  オメガがハイ・キックを決めるとジャーマン。
  飯伏は着地するとハイ・キックにスタンディング・ムーンサルトを決める。
  自販機前にテーブルを並べて設置するとオメガを蹴りつけて寝かせる。
  そして自販機の上からフェニックス・スプラッシュ!
  テーブルは割れなかったが威力は凄まじくカウント3!
  これで飯伏も路上で1本取ったことになる!
  6分38秒。
  両者会場へ戻っていく。
  (後を追います)
  オメガがリングから花道の飯伏にトペ・コンヒーロ。
  更に雛壇から花道の飯伏にミサイル・キックまで決める。
  これで両者大きなダメージを負いリングで倒れている。
  オメガは何とか起き上がると肩車してからのジャーマン。カウントは2。
  コーナー上へ。
  飯伏が起き上がり同コーナーへ。
  2度押し飛ばされるもペイレイ・キックを決める。
  そしてトップ・ロープからのスーパープレックスを狙う。
  オメガが抵抗。
  体勢を変えトップ・ロープからの雪崩式パワー・ボムへ。
  寸前で飯伏がハリケーン・ラナに切り返す。
  続けてムーンサルトへ。
  避けられるも連弾のスタンディング・ムーンサルトが後を追う。カウントは2。
  フルネルソン・スープレックスを狙う。
  オメガはロープを掴んで耐え切ると延髄切り。
  続けてハイ・キックへ。
  飯伏も先ほどの延髄切りを耐え同時にハイ・キックを放つ。
  相打ち。
  両者ダウン。
  カウント9で起き上がる。
  フォア・アームズの打ち合い。
  飯伏が蹴りを飯伏れソバット。
  ロープに走る。
  オメガが掌を前に出してSTOPから延髄切り。
  飯伏は気合で耐え再びロープに走る。
  オメガが再度STOPを狙う。
  飯伏は手を払いのけるとハイ・キック。
  ダウンしたオメガ目がけフェニックス・スプラッシュを放つ。
  オメガは避けると着地した飯伏に波動拳を放つ。
  飯伏がマトリックス風に避ける。
  跳び起きてジャーマンへ。
  オメガは着地すると波動拳。
  炸裂!
  カバーするもカウントは2!
  フィッシャーマンズ・スープレックスもカウント2。
  ならばフェニックス・スプラッシュだと宣言しコーナー上へ。
  飯伏は起き上がるとコーナーを駆け上がり雪崩式フルネルソン・スープレックス!
  更にバズソー・キックを連発で叩き込んで沈めカウント3!
  飯伏がリングでも1本取り勝利!
  17分42秒。
  試合後両者はお互いを称え合う。  

試合結果

@ボクシング・マッチ:飯伏幸太vs.伊橋剛太(3R TKO)
Aどインディーズ・ランブル(勝者:Fuck代表白鳥)
B堀井ユミコvs.安部行洋
Cハード・ヒット・ルール:佐藤光留vs.中澤マイケル
D3本勝負(路上とリングそれぞれで1本取らないと勝利にならない):ケニー・オメガvs.飯伏幸太(2−1)