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全日本プロレス:Triple Crown Championship 1995の分析


名勝負 三冠王座戦:川田利明(ch)vs.小橋健太(1/19/95)

三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.川田利明(7/24/95)

三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.田上明(9/10/95)
好勝負 三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.小橋健太(10/25/95)

@三冠王座戦:川田利明(ch)vs.小橋健太(1/19/95)
 1/15/95・・・
 阪神大震災が起こった日です。
 この4日前に起こった一大事が少なからず内容に影響していますね。
 60分と一流にも難しい長時間でありながら
 特別な工夫をこらしたり、過激なものにはせず
 只ナチュラルなものを目指しています。
 その結果として言うなれば頑張れって直接的に応援するのではなく
 見る者が自分で頑張ろうと思うような浸透力を持ちました。
 25分当たりで消耗戦の色を出したのは早過ぎるのではと思いきや
 50分までしっかり試合を作りましたね。
 そして残り10分が素晴らしかった。
 50-55分は小橋の追い込みに王座交代を予感させ、
 55-60分は小橋よ負けるな、と思わせるという
 2つのスペクタクルを一気に見せてきました。
 只小橋には後一歩上の領域に行って欲しかった。
 得意のサブミッション(小橋ではスリーパー)の使い方で
 川田に比べ消耗戦の理解度で劣るのが見えてましたからね。
 まあ95年という事を考えればそこまで求めるのは酷か。
 文句なしに名勝負です。
 (執筆日:1/?/09)

A三冠王座戦:川田利明(ch)vs.スタン・ハンセン(3/4/95)
 ガタの来ているハンセンを、旬の四天王が支配する三冠王座戦に30分越えの時間枠と共に放り込むなんて無謀すぎます。
 それによりハンセンはベースの打撃が本来とは違う、相手を待つそれになっているし、
 川田も相手が純四天王プロレスでないせいか歪なリズムを鳴らす。
 結果、意思疎通に時間のかかったダウン・ベースの試合運びは必要以上にスロー。
 どの時間帯にもそれなりの展開、キーとなる攻防はあったけれど
 どの時間帯においてもベスト・ウェイでない事を常に感じさせる内容でした。
 悪くない試合。
 (執筆日:8/?/10)

B三冠王座戦:スタン・ハンセン(ch)vs.三沢光晴(5/26/95)
 (途中から)
 ハンセンの腹攻め、三沢の腕攻めは攻撃的で、
 その点は改善点ですが、受け手側が貢献しないのは2年前の一戦と変わらず…。

 ハンセンがニーを突き上げ顔面にヒットした時はヒヤッとしましたが、
 特に展開に活かされることもありませんでした。

 終盤の攻防は四天王プロレスのイメージが定着し始めており、
 求められるイメージがハッキリしているだけに間違えた選択はしませんが、
 特に効果が増す訳でもない一方的な技の連打が見られたり、
 最後はまたも丸め込みというチョイスをして、
 そのクルーシーフィックスのロックが出来ていない偽りの3カウント。

 少しはマシですが悪夢再来です。

 2年前の出来を考えると抜本的に作り変えて試合をすると思ったけれど…。

 悪くない試合。
 (執筆日:5/?/22)

C三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.川田利明(7/24/95)
 川田が三沢の返しを許さず、顔面にパンチ。
 間を置きたい三沢に場外でパワー・ボム、と序盤から厳しい攻め。
 
 お互いダウンして相手の攻めを立てつつ
 気持ちで奮い立って反撃して、と
 そこの使い分けが上手くいっていますね。
 カバーする前の余韻も良好。

 その中でも三沢の投げの使いどころが素晴らしく、
 それに対する川田の受け表現も冴えわたっていました。

 力尽きる一歩手前の攻防感が十分に伝わり、
 この数え歌の中でも三本指に入る出来でした。

 歴史的な名勝負。
 (執筆日:5/?/20)

D三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.田上明(9/10/95)
 膝に負傷を抱える三沢が田上の仕掛けを切り替えし、
 エルボー・スイシーダ、タイガー・ドライバーと速攻狙い。
 いつにない焦る姿にドラマ性を感じさせていますね。

 田上がプランチャかわし膝攻め。
 自身の魅力であるスケール感のある攻めが出来ていますね。
 
 激しいスポットも目立ちますが、
 田上がマットを剥いで断崖式を狙うも
 三沢が抵抗して逃れて終わる、という
 身体負荷に依存しない表現的な見せ場も十分にあります。
 
 そして最後の三沢のエルボー。
 田上の素晴らしい受け身もあり最高に説得力がありましたね。

 ぎりぎり名勝負。 
 (執筆日:5/?/20)

E三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.小橋健太(10/25/95)
 小橋が早々にラリアットを放ち、
 ブレーン・バスターの状態から落としたりと
 意表を突く形で意気込みを表現しています。

 更に場外パワー・ボムと押せ押せ。
 一度間を置かれるも今度は腕攻め。
 
 三沢が反撃を抑え受けに回るので
 偏ったバランスでまったりとした印象を助長させますが、
 小橋が体力を奪う戦略性をスリーパー使いで見せ 
 三沢もぎりぎりのラインをしっかり見極めてしぶとさを表現しています。

 今度は完全に三沢ペース。
 小橋がダウン・モードの中で素晴らしい受け身。
 反撃も冴えわたり、2発目のムーンサルトの
 アクシデンタルなスポットも素晴らしかった。

 一方で上記が小橋の勝てそうな最後の場面だったか。
 その後は小橋が驚異的なタフさを見せるものの
 何とか一矢は報いて欲しい、という見え方。

 小橋をまだ三沢に及ばぬ形で描くなら
 試合時間はもう少し絞っても良かったですね。

 最後はえげつないタイガー・ドライバーでフィニッシュ。

 文句なしに好勝負です。
 (執筆日:3/?/21)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@三冠王座戦:川田利明(ch)vs.小橋健太(60分時間切れ)(1/19/95)
A三冠王座戦:川田利明(ch)vs.スタン・ハンセン(新チャンピオン!)(3/4/95)
B三冠王座戦:スタン・ハンセン(ch)vs.三沢光晴(新チャンピオン!)(5/26/95)
C三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.川田利明(7/24/95)
D三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.田上明(9/10/95)
E三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.小橋健太(10/25/95)