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全日本プロレス:Triple Crown Championship 1994の分析


名勝負 三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.川田利明(6/3/94)

三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(7/28/94)

三冠王座戦:スティーブ・ウィリアムス(ch)vs.小橋健太(9/3/94)

三冠王座戦:スティーブ・ウィリアムス(ch)vs.川田利明(10/22/94)
好勝負 なし

@三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.川田利明(6/3/94)
 川田がCC優勝 という勢いを受けており、
 三沢が首を痛めているという状況から、
 観客が川田の勝ちを意識して迎えた3度目の挑戦は
 四天王対決を作り上げる三沢vs.川田というエピックの
 基本形にして完成形と言える名勝負となりました。
 容赦のない打撃の打ち合いは両者の気持ちを豊かに代弁し
 攻防面でも今後に使われる多くの素材を開発しています。
 究極のレベルに到達した試合の終盤は
 焦燥感に駆られる川田と不死身の三沢という2人の立場を際立たせ
 それを締めたタイガー・ドライバー91は死さえも予感させる
 壮絶なフィニッシュ・シーンでした。
 歴史的な名勝負。
 (執筆日:6/?/08)

A三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(7/28/94)
 三沢は腰を痛めています。
 そのリアルを虚実に持ち込まないといけない程の状態。
 しかしそれにしても実に素晴らしい表現力です。

 ウィリアムスの腰攻めを受けながら
 苦しみを情感たっぷりに伝え、色気を醸しています。
 
 展開数をかなり絞らないといけざるを得ない中で
 ウィリアムスも腰攻めを多段階で行っているし、
 本来にない空白の中でウィリアムス自身、
 自分の可能性を引き出す働きが出来ています。

 三沢は最後の最後まで死に体の中でぎりぎりの攻防を演出。
 殺人バック・ドロップと相まって最高の盛り上がりを生み出しました。

 絶戦。
 文句なしに名勝負。
 (執筆日:5/?/20)

B三冠王座戦:スティーブ・ウィリアムス(ch)vs.小橋健太(9/3/94)
 昨年の衝撃的な試合のリマッチにして
 小橋の三冠王座初挑戦の試合になります。

 期待感は既に醸造されているので
 真っ直ぐパワーのぶつかり合いでスタート。

 小橋が場外DDTにダイビング・クロス・ボディと
 明確な構成の起点を作った攻め。
 ウィリアムスがしっかりダメージ表現。

 続いてウィリアムスの反撃。
 自分の代名詞になった垂直落下系で上手くまとめていますね。

 ロング・マッチへの挑戦の中で
 細かな打撃の小競り合いで緩急をつけれているのは大きい。
 見せ場も立体的でスケール感がありますね。

 30分を目前にしてウィリアムスが
 フィニッシャーへの気配をチラつかせますが、あくまでチラ見せ。
 両者持ち技を適切に据えて試合時間を引き延ばしていますが、
 ここまで長くある必要はなかったと思いますね。

 それでも小橋の攻めは情感的だし、
 アクセントのウィリアムスの古傷の膝への攻めは利いています。

 このカードと切っては切り離せない
 殺人バック・ドロップもターン・バックルへ投げる、という
 隠し玉を用意して既視感なんて覚えさせない
 今再びの衝撃的なフィニッシュを演出しました。

 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:5/?/20)

C三冠王座戦:スティーブ・ウィリアムス(ch)vs.川田利明(10/22/94)
 ウィリアムスは手術をした直後ということでロー・キックを嫌う素振り。
 その経緯なかったとしても十分に厳しい脚狙いは
 グラウンドの緊張感を高めました。

 ロング・マッチということで展開は遅めで、
 1展開に時間をかけますが、そこには戦略性があるので集中力は途切れない。

 ウィリアムスがタイガー・スープレックスを決めた所で中盤に突入。
 この時の川田の受け、すぐに起き上がりつつもふらつき転落、というのが
 川田らしくて、また絶妙でしたね。

 その後も単純に攻めと守りで切り分けられない
 削り合いならではの均衡感ある攻防は川田の十八番です。

 ウィリアムスもガイジンならではの迫力あるスポットを見せつつも
 脚の痛みをしっかり表現するので、こちらも深いですよ。

 30分越とかなり長い試合時間なので
 効率よく構築とは行かず、まどろっこしい時間帯もありますが、
 上記の通り攻防の積み重ねをコンディションに反映させているので価値があります。

 終盤の大技のラッシュも=カウント2.9に直結させず
 表現豊かに彩っています。

 CC決勝の光景も踏まえたボリューム満点な攻防は
 CC決勝にはやや下回るかもしれませんが
 同じく極上の攻防で震える内容です。

 お互い重ねがけした執念の攻防を締めくくる
 最後の一撃は思わず拳を握ってしまいましたね。

 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:5/?/22)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.川田利明(6/3/94)
A三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(新チャンピオン!)(7/28/94)
B三冠王座戦:スティーブ・ウィリアムス(ch)vs.小橋健太(9/3/94)
C三冠王座戦:スティーブ・ウィリアムス(ch)vs.川田利明(新チャンピオン!)(10/22/94)