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全日本プロレス:Best of AJPW 1994 part.2の分析


名勝負 CC決勝:川田利明vs.スティーブ・ウィリアムス(4/16/94)

三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(7/28/94)

三冠王座戦:スティーブ・ウィリアムス(ch)vs.小橋健太(9/3/94)
好勝負 CC特別試合:三沢光晴vs.川田利明(4/11/94)

@CC特別試合:三沢光晴vs.川田利明(4/11/94)
 三沢の負傷により本戦トーナメント外の特別試合として予定通り試合開催。

 落ち着いた展開でスポットは絞っていますが、
 場外を上手く使っていて試合への意気は感じさせます。

 川田が脚攻め。
 三沢の攻めの部分を絞る為の構築が見えますが、
 三沢はポイントを絞りながら気迫の反撃で十分な印象を残しており、
 ロング・マッチ構築にもフィットしています。

 怪我していれば普通試合を止めるなり、
 試合をしても軽めに終わらせるなり選択肢がある中で
 通常とは違う試合の作り方をしつつも30分試合をしようなんてこの気概尋常ではありません。

 三沢が打撃以外の技に制限があり、終盤に関しては
 厳しい台所事情を感じさせましたが、それでも攻守の持って行き方で見応えあり。

 苦心作なぎらお見事な内容でした。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:5/?/21)

ACC決勝:川田利明vs.スティーブ・ウィリアムス(4/16/94)
 川田が脇固めやストレッチ・プラムなど
 ウィリアムスと渡り合うに値する幅広い攻めの選択肢を用意。
 一方で失神したかと思う程のダメージ表現も冴え渡ります。
 ウィリアムスも予想もつかぬタイミングで技を追加したり、
 素晴らしい攻防を織り交ぜるなどして
 不器用な部分を残しつつも他のトップ・ガイジンに引けを取らない働きを見せました。
 カウンターのバック・ドロップを食らい場外に転がり落ちるも
 何とか戻ってきた川田にウィリアムスが猛然と襲いかかり終盤戦へ。
 顔に拳を入れるなど壮絶な一戦にふさわしい演出があり、
 更に返されつつも何度も同じ技にトライする価値のある闘いにまで発展させました。
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:1/?/13)

B世界タッグ王座戦:三沢光晴、小橋健太(ch)対川田利明、田上明(5/21/94)
 これが9番中3戦目。
 40分という史上最長の記録に挑戦するというブックがそうさせたのか
 2試合目のような四天王プロレスの悪癖は見られず。
 タッグ要素も含めて基本に立ち返り非常に丁寧に試合を作って行きます。
 とにかく基本を完璧にこなしているのですが
 それぞれが各要素で際立った役割を果たしています。
 まず川田は立ち位置の表現が素晴らしい。
 三沢に対して序盤は挑発的に避け、
 戦うとなれば真っ向からぶつかり
 小橋に対しては格下的な扱いをして挑発して
 小橋の真面目一徹なキャラを引き立てる。
 試合の随所で織り込まれた精神戦の中心となっていました。
 川田よ、ありがとう。
 次に田上。
 補佐タッグ・プレイヤーとしてのレベルの高さを見せ
 全体的な流れを意識していますね。
 三沢への腰攻め、小橋への脚攻めを試合に上手くフィットさせています。
 田上よ、ありがとう。
 替わって王者組の方へ。
 三沢。
 エルボーを初めとしてハードな技を繰り出し壮絶さを演出しました。
 悪癖が出ずそれぞれの必殺技が必殺技として機能したのは
 やはり三沢が超えてはいけない
 一線を強く意識しコントロールしていたからだと思いますね。
 三沢よ、ありがとう。
 小橋。
 三沢が攻なら小橋は守で壮絶さを表現しました。
 脚攻めのダメージを引きずりながらムーンサルトに向かう姿は美しい。
 感情移入の面では一番の働きでしょう。
 小橋よ、ありがとう。
 一筋の疑問を抱かずこう言います。
 歴史的な名勝負です。
 プロレス・タッグ史上No.1の名勝負ではないでしょうか。
 (執筆日:11/24/08)

C三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(7/28/94)
 三沢は腰を痛めています。
 そのリアルを虚実に持ち込まないといけない程の状態。
 しかしそれにしても実に素晴らしい表現力です。

 ウィリアムスの腰攻めを受けながら
 苦しみを情感たっぷりに伝え、色気を醸しています。
 
 展開数をかなり絞らないといけざるを得ない中で
 ウィリアムスも腰攻めを多段階で行っているし、
 本来にない空白の中でウィリアムス自身、
 自分の可能性を引き出す働きが出来ています。

 三沢は最後の最後まで死に体の中でぎりぎりの攻防を演出。
 殺人バック・ドロップと相まって最高の盛り上がりを生み出しました。

 絶戦。
 文句なしに名勝負。

D三冠王座戦:スティーブ・ウィリアムス(ch)vs.小橋健太(9/3/94)
 昨年の衝撃的な試合のリマッチにして
 小橋の三冠王座初挑戦の試合になります。

 期待感は既に醸造されているので
 真っ直ぐパワーのぶつかり合いでスタート。

 小橋が場外DDTにダイビング・クロス・ボディと
 明確な構成の起点を作った攻め。
 ウィリアムスがしっかりダメージ表現。

 続いてウィリアムスの反撃。
 自分の代名詞になった垂直落下系で上手くまとめていますね。

 ロング・マッチへの挑戦の中で
 細かな打撃の小競り合いで緩急をつけれているのは大きい。
 見せ場も立体的でスケール感がありますね。

 30分を目前にしてウィリアムスが
 フィニッシャーへの気配をチラつかせますが、あくまでチラ見せ。
 両者持ち技を適切に据えて試合時間を引き延ばしていますが、
 ここまで長くある必要はなかったと思いますね。

 それでも小橋の攻めは情感的だし、
 アクセントのウィリアムスの古傷の膝への攻めは利いています。

 このカードと切っては切り離せない
 殺人バック・ドロップもターン・バックルへ投げる、という
 隠し玉を用意して既視感なんて覚えさせない
 今再びの衝撃的なフィニッシュを演出しました。

 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:5/?/20)