全日本プロレス:Best of AJPW 1993の分析
名勝負 | 川田利明vs.スタン・ハンセン(2/28/93) 三沢光晴vs.川田利明(3/27/93) |
好勝負 | 田上明vs.小橋健太(1/26/93) Jr.ヘビー級王座戦:渕正信(ch)vs.菊地毅(2/28/93) |
@オール・アジア・タッグ王座戦:小橋健太、菊地毅(ch)vs.秋山準、小川良成(1/24/93)
テンポ早くタッチ・ワークもスピード感を落としません。
小橋と秋山が火花も散らしていますが、
スルスルと進んでいく中で、
フックをかけるにはそれも物足りなさを感じます。
菊地が場外ブレーン・バスターを食らって孤立。
タッチしての終盤の攻防含めて
菊地がアンダードッグ性を如何なく発揮して盛り上げましたね。
ただ小橋x秋山が終盤引っ張ってくれるかというと
そうでもなく高みに登りきれなかった印象が残りました。
好勝負に届かずも中々良い試合。
(執筆日:5/?/20)
A田上明vs.小橋健太(1/26/93)
田上がカウンター喉輪。
場外マットを剥いで追撃を狙うも小橋が後頭部ラリアットで逃げて、と
序盤から印象的なスポットで鬩ぎ合い。
小橋のあふれ出るエネルギーに田上は押されて、
少し守りに寄り過ぎな感はありましたが、
ダイブを巡るシーンがガラリと戦局を変えるに値するものに仕上がっていて、
その後の田上の存在感の増す展開が際立っています。
小橋のアンダードッグ性も活きて素晴らしい試合でしたね。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:5/?/21)
BJr.ヘビー級王座戦:渕正信(ch)vs.菊地毅(2/28/93)
菊地が序盤からスピードにのった攻め。
技を出し惜しみしていませんが緩急はありますね。
渕が受けつつもここぞでサブミッションを抜き一発で部位破壊。
特にその後サブミッションを使う訳でも
菊地が腕の痛みを引きずる訳でもありませんが
この鮮烈なスポットが渕の潜在的脅威を明らかにし、
その後の一進一退に常に緊張感を与えていましたね。
終盤は渕が制限なくバック・ドロップ連発。
菊地が歯を食いしばり、アンダードッグを演じる最高の形で盛り上げました。
文句なしに好勝負。
C川田利明vs.スタン・ハンセン(2/28/93)
まずはハンセンが襲撃し空間を広く使います。
相手の抵抗を切る動きも切る目的だけでなく技で魅せる意味合いも兼ね備えている。
川田の脚への蹴りを受けての間の取り方も良いですね。
細かい一進一退はそのリアルなハードさでも
大技化するのでもなく繊細且つその関係性の強さで最大化が図られている。
川田もハンセンと同じやり方で反撃。
ハンセンが見事なダメージ表現で試合を闘いに昇華させます。
年を取って攻めるだけでしか強さを確立できなかった頃から脱却した93年だからこそです。
後半にかけても小さな打撃からの大技への流れは素晴らしく、
ハンセンのトペは印象的なシーンでした。
それで掴むと場外、エプロン・スポットで一気に
ハンセンがぎりぎりで耐え凌ぐシーンに持って行きます。
ドラスティックな反撃はないのに
川田が気持ちを露にして攻めざるをえない程追い詰められ
ハンセンが徐々に強さを取り戻していく様はドラマチックです。
最後のフィニッシュも特別なものでしたね。
小橋戦と同じくハンセンの全てが出しつくされた試合。
歴史的な名勝負です。
D三沢光晴vs.川田利明(3/27/93)
三沢がいきなりタイガー・ドライバーを決め、
川田も顔にジャンピング・キックを決めます。
興のないスタートですが、ちゃんと疲労は背負えています。
目の前の相手に感情を交錯させるように叩き込み、
そのハードさで折ろうとしています。
その場での攻防が非常に重く、
要所に限定されたリング上を動く流れが効果的な働きとなっていましたね。
10分ちょっとで川田がパワー・ボムを抜きます。
ここから更に川田は気持ちを出し、
ちょっとやそっとの技を食らっても引き下がらず激しくぶつかっていきました。
三沢も冷静さを良い意味で失い熱く応える。
またラストの顔へのスピン・キックやバック・ドロップ、エルボーは
KO級の説得力に満ち溢れていましたね。
上手く設計されていないところもあるが
四天王プロレスの中でも三沢vs.川田でしか出来ない試合でした。
ぎりぎり名勝負。
(執筆日:1/?/13)
注目試合の詳細
なし試合結果
@オール・アジア・タッグ王座戦:小橋健太、菊地毅(ch)vs.秋山準、小川良成(1/24/93)A田上明vs.小橋健太(1/26/93)
BJr.ヘビー級王座戦:渕正信(ch)vs.菊地毅(2/28/93)
C川田利明vs.スタン・ハンセン(2/28/93)
D三沢光晴vs.川田利明(3/27/93)