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全日本プロレス:Triple Crown Championship 1991の分析


名勝負 三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.川田利明(10/24/91)
好勝負 三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.三沢光晴 (4/18/91)

@三冠王座戦:スタン・ハンセン(ch)vs.ジャンボ鶴田(1/19/91)
 相手に配慮して自滅する相性の悪い組み合わせですが、
 今回はスケールが同じくらい大きい事は前提として認め、
 そこの部分のスケール・アップには手を出さないので問題は起きていません。
 逆にその先にどう押さえ込むか、他の能力でどう勝負するかで工夫を凝らしている。
 ハンセンも間を取った打撃でスタイルを変化させていますね。
 試合自体はそこまで凄くないが、これまでの試合を見ていると上手く対処したな、と感心させる内容。
 最後もネック・ブリーカー・ドロップをフィニッシュに選んだのがにくい。
 中々良い試合です。
 (執筆日:9/?/10)

A三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.三沢光晴 (4/18/91)
 三沢が序盤から激しいエルボーで押し、
 鶴田もキッチンシンクから腹攻め。
 それぞれ重たさを表現しつつ、
 自分本位にならずライバル関係のバランスを取ります。

 攻防自体はやや平面的ですが、
 場外を適切なタイミングで混ぜて広げ、
 鶴田が三沢に場外テーブルへのニー・クラッシャーから脚攻め追加。

 15分を過ぎて鶴田がラリアットを使い始め、
 その恵まれた体躯の強大さを押し出してギアをあげます。

 バック・ドロップを耐えられつつもコーナーにぶつけたり、
 三沢も延髄切りを連打したりと印象的なシーンが幾つもありましたね。

 依然として綺麗に五分に戻しすぎるきらいはありますが、
 受け身の鋭さはそれぞれ素晴らしく一発で惹きつけられるのは強みです。

 強烈なフィニッシュで締めくくり。

 ぎりぎり好勝負です。
 (執筆日:3/?/22)

B三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(7/20/91)
 出だしはじっくり圧をかけあうレスリングで
 外国人に体格負けしない鶴田ならではのぶつかり合いに期待がかかります。

 ただ一度ウィリアムスに主導権を移した後は
 思いの外意思疎通が取れず攻防の乱れにも繋がり、あれっ?と首を傾げます。

 そうすると意思を交わす機会自体減らして受け手は黙って受け…。

 ウィリアムスのスポットで段階は踏めていますが、
 それが十分に活かされない鶴田の反撃タイミング、反撃方法。
 二度に渡る椅子攻撃も必要性を感じませんでした。

 微妙な印象払拭できないままフィニッシュ。

 平均レベル。
 (執筆日:5/?/22)

C三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.川田利明(10/24/91)
 CC公式戦のリマッチ。
 
 まずは川田が執拗なヘッド・ロック。
 良くあるプロレスの韻踏みではなく
 鶴田が強引に振りほどき、
 川田がそれにダウンしながらも怯まず掛けなおすことで、
 試合の構成以上に鶴田のスケール感と川田の気の強さを
 強く表現するシーンに仕上がっていますね。

 川田のCCの一戦よりも執着性を増した攻めは
 鶴田の受けスキルに依存せず対等な打ち合いを実現させています。
 
 有機的な韻踏みで結び付けた攻防後、終盤戦。
 川田の驚異的な粘りを前に
 鶴田があらゆる攻め手で
 説得力のある落とし方を見せます。

 川田は男を上げましたし、
 鶴田も、強すぎる、と脱帽させる表現性とアスリートとしての強度で
 見事な試合になっています。

 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:5/?/20)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@三冠王座戦:スタン・ハンセン(ch)vs.ジャンボ鶴田(新チャンピオン!)(1/19/91)
A三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.三沢光晴 (4/18/91)
B三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(7/20/91)
C三冠王座戦:ジャンボ鶴田(ch)vs.川田利明(10/24/91)