全日本プロレス:Best of AJPW 1988の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | インターナショナル王座戦:ブルーザー・ブロディ(ch)vs.ジャンボ鶴田(4/19/88) ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(10/28/88) |
@インターナショナル王座戦:ブルーザー・ブロディ(ch)vs.ジャンボ鶴田(4/19/88)
執拗なヘッド・ロック、という
空間レスリングの王道を行っていても尚ブロディはスケールがでかい。
鶴田も絶頂期に入ったと確信させる試合運び。
腕攻めの一極攻めは当然として
チン・ロックへの落とし、に関しても戦術として理が通っている。
こちらも構築論の手法と表現物の戦いが一致していてクオリティが高くならない訳がありません。
終盤もしっかりしたニア・フォールの応酬で数え歌と呼ぶに値する。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:12/?/09)
APWF・UN王座戦:天龍源一郎(ch)vs.スタン・ハンセン(7/27/88)
ハンセンが入場時の天龍を襲撃。
これにより流血状態で試合開始となります。
ハンセンが的確に打撃を叩き込みながら組み立てていきますが
天龍はほぼダウン状態で反撃らしい反撃をしません。
ハンセン・スタイルは抵抗を前提条件にするところがありますから
このドラマ押しの前半はそれほど良くはないですね。
ブロディに捧げるニー・ドロップ後ラリアットへ。
ここでようやく天龍の反撃開始。
とはいっても不発ながらラリアットが出る状況ですから
天龍はどうしても大技主体となっています。
更にその後もフィニッシュ含め展開上のスポットが用意されているのはハンセン側。
ドラマチックな試合を作り上げようとしているのに
天龍もブックも彼を応援したいという流れ、見せ方を作れていません。
そのためハンセンが完全に叩きのめした、という印象しか残らない。
年間最高試合に選ばれた理由が分からないですね。
ドラマチックな試合なら普通にRWTL決勝で良いと思うけど。
平均的な良試合。
(執筆日:3/?/12)
Bジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(10/28/88)
アクションを抑えつつ
日本人トップ対決としてのスケール感、
ベースラインを作り上げていきます。
仕掛けてギアを上げて、、しっかり戻してコントロールが利いています。
その仕掛けはプロレスの作り手としての動機もありますが、
戦いの上での理由付けもあるのが素晴らしいですね。
天龍が延髄切りを打ってもそれまでのダメージ差が大きく戦局がひっくり返らなかったりと
細かな表現も加えて豊かな攻防となっています。
椅子攻撃や得意技の相打ちも踏まえながら
しっかりと後半へ向けて引き込んでいきます。
後半は落ち着いた展開で、
天龍の脚攻めの影響や疲労を感じさせながらの
腰を据えた見せ方をさせているので、
前回に比べると36分引っ張ってアクシデント的に入った急所蹴りの反則、という
結末は余りにも受け入れづらい所があります。
それを除けばこの数え歌の中でも
トップ・クラスの充実感がありました。
文句なしに好勝負。
(執筆日:12/?/21)
注目試合の詳細
なし試合結果
@インターナショナル王座戦:ブルーザー・ブロディ(ch)vs.ジャンボ鶴田(新チャンピオン!)(4/19/88)APWF・UN王座戦:天龍源一郎(ch)vs.スタン・ハンセン(新チャンピオン!)(リングアウト)(7/27/88)
Bジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(DQ)(10/28/88)