全日本プロレス:Best of 1984の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | リック・フレアーvs.ハーリー・レイス(5/22/84) AWA王座戦:リック・マーテル(ch)vs.ジャンボ鶴田(7/31/84) RWTL公式戦:ハーリー・レイス、ニック・ボックウィンクルvs.天龍源一郎、ジャンボ鶴田(12/11/84) RWTL公式戦:天龍源一郎、ジャンボ鶴田vs.ブルーザー・ブロディ、スタン・ハンセン(12/12/84) |
@リック・フレアーvs.ハーリー・レイス(5/22/84)
軽快なロープ・ワークからレイスがボディ・リフト。
まったりと落としつつ一進一退。
双方同じビジョンを共有できていますね。
シンプルながら調和が見事。
エプロンでロープに喉を押し付けられると反転し、
エルボーを落とされるとリングに一回転、と
伝統的なハードな受け身も素晴らしい。
一部大技の受け身が合わない点もありましたが、
現代プロレスの過激さがない中で見事なエスカレート。
間、見得、時をコントロールしたプロレスです。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:2/?/21)
AAWA王座戦:リック・マーテル(ch)vs.ジャンボ鶴田(7/31/84)
鶴田がドロップ・キックでそのスケール感を
マーテルが基本のしっかり出来たレスリングで押さえつけ
それぞれの武器をはっきりと明示します。
中盤以降も一発vs.手数、スピードで均衡した戦いを実現。
それでも鶴田の力強さは飛び切りで王座奪取への期待が高まります。
悪名高き両リンを軽く髣髴とさせる場外の攻防から試合を加速。
バック・ドロップやスリーパーで盛り上げると
後は必殺技を使いきったからこそのニア・フォール合戦。
最後は鶴田が場外でアトミック・ドロップを決めてリングに戻ろうとするも脚を引っ張られ両リン。
やっぱりか、というフィニッシュですが消化不良な印象は残らない。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:1/?/12)
Bタイガー・マスクvs.ピラータ・モーガン(12/8/84)
ルチャ的要素を混ぜ込んで立体的アクションを
比較的早い段階から行い休まずアクションを続けます。
エプロンやコーナーなどを多用するので見栄えはしますし、
当時からするとかなり珍しいアクション濃度でしょう。
ただ動く為のアクションなので、
表面的な楽しさ以上のものはそんなにないのも否めない。
まあまあ良い試合。
CRWTL公式戦:ハーリー・レイス、ニック・ボックウィンクルvs.天龍源一郎、ジャンボ鶴田(12/11/84)
(カットあり)
ハードワークな4人。
場外パイル・ドライバーや流血など
印象的な絵作りをどんどん生み出していきます。
普通なら受け手はこれで一歩引いてダウンするものですが、
全く引かずにガツガツと攻め合い。
ビッグ・スポットを矮小化しているので
悪い面も併せて持っていますが、
尖がった方向性を追求し素晴らしい試合としました。
ぎりぎり好勝負。
DRWTL公式戦:天龍源一郎、ジャンボ鶴田vs.ブルーザー・ブロディ、スタン・ハンセン(12/12/84)
最終戦で勝った方が優勝というシチュエーション。
テンポよく連携技を序盤から入れ
両者の迫力が十分に伝わってきますね。
ブロディ、ハンセンはその体躯を考えると
もう少し連携技の数を抑えても良かったかもしれませんが。
天龍の孤立、鶴田のホットタッグの構造に加えて、
そこに控え介入をタッチに繋げる独創的なスポットで盛り上げます。
少し完成度の点で課題は残りましたけどね。
熱のこもった激闘ですが、
最後はハンセン、ブロディが暴走し、
止めようとしたレフェリーを攻撃してDQ。
普通の試合ならともかく優勝がかかっている試合で
こんなフィニッシュは今の感覚からすると厳しい…。
只それを差し引いても、ぎりぎり好勝負の評価には値する。
(執筆日:6/?/20)
注目試合の詳細
なし試合結果
@リック・フレアーvs.ハーリー・レイス(5/22/84)AAWA王座戦:リック・マーテル(ch)vs.ジャンボ鶴田(両者リングアウト)(7/31/84)
Bタイガー・マスクvs.ピラータ・モーガン(12/8/84)
CRWTL公式戦:ハーリー・レイス、ニック・ボックウィンクルvs.天龍源一郎、ジャンボ鶴田(30分時間切れ)(12/11/84)
DRWTL公式戦:天龍源一郎、ジャンボ鶴田vs.ブルーザー・ブロディ、スタン・ハンセン(DQ)(12/12/84)