全日本プロレス:Best of AJPW 2023の分析
名勝負 | タッグ王座戦:宮原健斗、野村卓也(ch)vs.青柳優馬、野村直矢(1/22/23) |
好勝負 | 三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.野村卓矢(1/3/23) 三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.青柳優馬(2/4/23) 三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.永田裕志(2/19/23) |
@三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.野村卓矢(1/3/23)
宮原は少し変調を入れ相手のテンポに乗らせない戦略。
一方の野村は鉄柱、柵を使ってタフ・マッチに持ち込む形。
これに対し宮原もラフ・ ファイト解禁。
宮原はよく英語を喋り出してある意味キテレツなのですが、
これ含めてリズムを意図的に作っているのが独特ですね。
野村も試合運びの目指すべき方向見えていて
打ち合いのリズムも合っています。
一つ一つのシーンを長めに取って印象付ける分、
逆にその過程の部分の印象が薄れたところもあります。
もっと跳ねられる可能性もあったカードだが
年始一発目全日のカラーを改めて誇示するには十分な出来です。
ぎりぎり好勝負。
Aタッグ王座戦:宮原健斗、野村卓也(ch)vs.青柳優馬、野村直矢(1/22/23)
宮原、卓也は緩急巧みに操り、
仕掛け、ハード・ヒットも良好です。
青柳側も素晴らしく、序盤から最高のタッグ対決であることを証明しています。
タッグの交錯も中盤に見応えを生み出していますね。
他の試合ならクライマックス・レベルの強烈な潰し合い。
セコンドが上手く機能しているので重層感があります。
1対1の攻防も見応えもあり、タッグの年間最高試合も狙える内容です。
全日は時々こういう試合を生み出してくるから要チェックですね。
ぎりぎり名勝負。
B三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.青柳優馬(2/4/23)
真っすぐな所と変則。
かわしと鋭い攻め、と自由自在に
ポイント、ポイントで求められているものを組み合わせ攻防を作り上げていきます。
全日の顔である宮原の安定感は勿論、
青柳のパフォーマンスも素晴らしく、完璧にもう王者としての資質十分ですね。
宮原のペース調整に感心しながら
中盤は場外スポットでタフに削り合います。
終盤はダウン・シーンを組み合わせることで、
中盤とはまた一味違う余韻感を作って見応えあるものに仕上げました。
文句なしに好勝負。
C三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.永田裕志(2/19/23)
永田はやや衰え目立ちますが、
出来ないことは無理にせず勝負できる所で勝負しています。
そして永田が今出来ない俊敏さといった要素は
宮原が提供して補っています。
エプロン技、場外技、中盤で分かりやすくハードに重みを加え
気合いの打ち合いから単純明快に上げていきます。
20分前半のスッキリした構築の中で精度が光り、
永田の底力を感じた思わぬ激戦でした。
文句なしに好勝負です。
DJr.ヘビー級王座戦:土井成樹(ch)vs.ライジングHAYATO(3/14/23)
土井のスピーディさが光ります。
じっくり首攻めでベテラン味がりますね。
ハヤトの若さ溢れるエネルギーのぶつけ先としては良好。
土井は外敵としてそこまで煽り強くないが絵になりますね。
観客席へのビッグ・フライから終盤に突入。
ハイ・スピードの切り返し合いは見応えありましたね。
ただ試合に色をつけるのはこれからといった内容でもあります。
中々良い試合。
(執筆日:3/?/23)