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全日本プロレス:Best of AJPW 2021 part.1の分析


名勝負 なし
好勝負 三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.青柳優馬(1/3/21)

三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.芦野祥太郎(1/24/21)

@タッグ王座戦:諏訪魔、石川修司(ch)vs.宮原健斗、青柳優馬(1/2/21)
 諏訪魔、石川のタッグの動きは鉄板。

 対する宮原、青柳も宮原が目立ちたがり屋ポジションで、
 青柳が実直なタッグ・パートをこなして、とそつがありません。

 ただ青柳が翌日三冠王座に挑戦するということで
 そのシングルの見せ場も大きく咲かれていることを考えると
 青柳個人としての主張がもう少し欲しかったですね。
 エンド・ゲームで諏訪魔を締め落すフィニッシュ自体は確かにインパクト抜群でしたけれども。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

A三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.青柳優馬(1/3/21)
 昨夜屈辱の敗北を喫した諏訪魔。
 攻撃的に振舞いつつも、
 スポットの作り方は冷静でモーションの見せ方が素晴らしい。

 諏訪魔の印象作りに対し青柳は
 アンダードッグならば自分をもう少しその位置づけとして認めなければいけないし、
 もはやそういう立場でないというのならば
 相手の強さに追いつくための理由作りにもう少し思考を割く必要があるでしょう。

 青柳は技こそ様になっているものの
 攻防のベースはなぞった人工的調整で課題を感じるものの
 諏訪魔のパフォーマンスは素晴らしく、
 力を振り絞っている感が伝わってきます。

 青柳の首攻めが結実するのでは、ということで
 終盤の攻防に一発逆転の可能性を示したのは良かった。

 ぎりぎり好勝負。 

B三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.芦野祥太郎(1/24/21)
 レスリングはしっかり圧をかけ打撃は大ぶりに。
 諏訪魔がスケールの大きさを感じさせますね。

 不格好が故にリアルさを感じさせる強烈なドラスクで芦野が反撃。
 じっくりとした組み立てを見せましたね。

 諏訪魔が振り返されてフライング・ショルダー・タックルを決めたり、
 芦野が投げられて起き上がるのが普通通り諏訪魔の後だったり、
 ここでもっとディティールを豊かにできるのに、という惜しまれるシーンがチラホラ。

 ジャーマンの打ち合いから切り替えると
 芦野の気迫と執着が伝わってくる良い攻め。

 この芦野の勢いをしのぐ諏訪魔の凄さも映えます。

 一部改善点はあるものの全体構成としては正解。

 ぎりぎり好勝負です。
 (執筆日:2/?/21)

C三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.佐藤耕平(2/23/21)
 ハードな打撃とサブミッションを中心に
 安定したベース作りはできています。

 佐藤は脚攻め中で間を上手く使って
 自分の形にすることが出来ていますね。

 諏訪魔も最近の良さとして受け側でも試合に貢献しています。

 ただ佐藤としてはもう少し細かな抵抗込みで作りたいところもあって
 完全に両者のベクトルが一致している訳ではありません。

 堅実に終盤に向けた大技の重ねはスローな部分があり、
 熱狂とまではいきませんが良い味は出ていて、
 最後の攻防はこれまでの流れを考えるとカチリとはまった見せ方でした。

 中々良い試合。
 (執筆日:2/?/21)

DGAORA TV王座戦、ガラス・ボード&有刺鉄線ボード&TLC+αデス・マッチ:葛西純(ch)vs.石川修司(3/18/21)
 全日でこのカードが組まれた時は驚きましたね。

 1マッチ興行、全日という舞台を意識する所も強く、
 最初の4コーナー凶器にぶつけようとする定番の攻防も
 いつもより密やかに格式を意識した作りとなっています。

 通常試合の行き着く先にトラップを位置付けていますね。

 とはいえ、いつもやっているデスマッチが別に
 通常プロレスの理論外にある訳でもないので、
 ここまで配慮しなくてもと思いますね。

 凶器に対する考え方を変えた副作用で
 構築としてのスポットの強弱の付け方が落ちてしまっているので。

 花道からリングのガラスへのレイザーズ・エッジでギアが上がるも
 それでもまだまだ本来のポテンシャルには至っていない印象が最後まで残りました。

 平均的な良試合。
 (執筆日:5/?/21)

E三冠ヘビー級王座戦:諏訪魔(ch)vs.ヨシタツ(3/21/21)
 本筋の試合運びの中に
 ヨシタツが不発も含めコンスタントな仕掛けを織り込んでいきます。

 仕掛けられる諏訪魔は劣勢に回って
 その仕掛けを強調しますが、
 最近の働きぶりの中では受け手としての貢献が物足りなかったですね。

 諏訪魔が反撃して腰攻め。
 両者安定はしていて攻防のシークエンスは良好。

 ただ後半の改善度は頭打ち。
 ヨシタツが新技レッグ・ロックを見せたり、首攻めする一方で
 なんだかんだ丸め込みを終盤になって頼ったり、と
 中途半端な立ち位置になってしまっている印象です。

 中々良い試合。
 (執筆日:3/?/21)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@タッグ王座戦:諏訪魔、石川修司(ch)vs.宮原健斗、青柳優馬(新チャンピオン!)(1/2/21)
A三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.青柳優馬(1/3/21)
B三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.芦野祥太郎(1/24/21)
C三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.佐藤耕平(2/23/21)
DGAORA TV王座戦、ガラス・ボード&有刺鉄線ボード&TLC+αデス・マッチ:葛西純(ch)vs.石川修司(新チャンピオン!)(3/18/21)
E三冠ヘビー級王座戦:諏訪魔(ch)vs.ヨシタツ(3/21/21)