全日本プロレス:Best of Champion Carnival 2020の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | CC決勝:ゼウスvs.宮原健斗(10/5/20) |
@CC公式戦:宮原健斗vs.芦野祥太郎(9/15/20)
宮原の接触するまでの雰囲気作りはお見事。
芦野を未知の強豪として煽ります。
ただ宮原のターンになると芦野が守勢に回ってしまう。
勿論宮原は当然ナルシストっぷり発揮しながら魅せられるし構築できますが、
ここは芦野が簡単にはいかない手強さを見せて欲しかった。
芦野自身が個人のベースを十分に作らないまま
ロープを使ったドラスクやセコンド介入による
分かりやすい構築で試合に貢献。
貢献しているのは良いですが、
これでは芦野が魅力的になりきらないですね。
宮原がダウン状態から気合で起き上がって
最大級の緩急を作りますが、
これをやられると割を食うのは芦野。
最後の負け方といい芦野が全日でどうやっていくかはまだまだこれからですね。
芦野をW-1の位置づけでそのまま受け入れる程全日の層は薄くないですが、
それでもそうしても良いと思うほどには停滞感もままある。
中々良い試合。
ACC公式戦:芦野祥太郎vs.石川修司(9/21/20)
芦野に注目している方から見ると
宮原戦に続き注目のカードではありますが、
与えられた試合時間は10分。
ということで芦野はいきなり低空ドロップ・キックで脚攻めのカードを切ってきます。
石川のラフ殺法とせめぎ合って一進一退は上手くいっています。
最後のフィニッシュの見せ方も形としては整っています。
しかし何だかこの程度に収まってほしくない感が強いですね。
芦野はW-1では絶対王者という立ち位置で振る舞っていましたが、
全日に来て自分でポジションをつくないといけないし、
全日から求められているものもある。
そこに苦しむ姿を見て芦野が実はまだキャリアが浅いことを今更のように思い出しました。
このコロナ禍で試合数も限られて難しい部分もあるでしょうが、
願わくばこのCCを通して全日に良い溶け込み方をしてほしいところ。
まあまあ良い試合。
BCC決勝:ゼウスvs.宮原健斗(10/5/20)
ゼウスの強靭な肉体による一撃に対し、
宮原もラフ・ファイト要素を使って対抗。
鉄板数え歌で攻守入れ替えは上手くいっていますね。
ゼウスが場外BtoBといった派手な技から
予期せぬボー&ローといった地味な技まで硬軟織り交ぜて盛り上げ。
人為的にリアクションを引き出した上で
一進一退のチェーンに持ち込んでいて
方程式が確立されている強みを存分に活かしています。
そしてロング・マッチの為に一つ一つステージを上げる。
足し算のやり方。
この足し算が普通は頭打ちになったり効率が落ちたりするのですが、
驚くほど機械的に生の数字で足し算していく。
ここぞの強引な緩急も効果的で
CCリーグ戦を通して最高の試合をやってのけました。
惜しむらくはゼウスの秘策であるはずのフェイス・ロックが
伏線回収できないまま終わり、また不発とはいえ余り効果的に見えなかったことですね。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:10/?/20)
注目試合の詳細
なし試合結果
@CC公式戦:宮原健斗vs.芦野祥太郎(9/15/20)ACC公式戦:芦野祥太郎vs.石川修司(9/21/20)
BCC決勝:ゼウス(優勝!)vs.宮原健斗(10/5/20)