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全日本プロレス:Best of AJPW 2020の分析


名勝負 なし
好勝負 三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.ジェイク・リー(1/3/20)

三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.諏訪魔(3/23/20)

@世界タッグ王座戦:ゼウス、崔領二(ch)vs.ヴァイオレント・ジャイアンツ(石川修司、諏訪魔)(1/2/20)
 いきなり場外戦を始め、
 ゼウスがエプロンの諏訪魔にクローズラインを決めた 所から孤立させます。
 
 全日本鉄板の試合運びですね。

 只もう少し諏訪魔の凄さを形作り孤立のさせ方が出来たはず。

 ゼウスは石川と素晴らしい一進一退。
 その勢いのまま諏訪魔も引き上げていきます。

 相方の崔は相手との攻防では少し目立ちませんでしたが、
 バイ・プレイヤーとしては悪くなく、
 チームとしての完成度には貢献していました。

 最後ゼウスのTKO負けで唐突感が強く、
 もう少しクオリティは伸ばせる素地があった印象です。

 中々良い試合。

AJr.ヘビー級王者決定戦:横須賀ススムvs.佐藤光留(1/3/20)
 佐藤が腕を攻めて、横須賀が反撃後脚攻め。

 横須賀起用は歓迎ですが、
 一方で外敵を演じられるレスラーでもない。
 フックが弱い中、佐藤の腕攻めに入る前に
 もう少し期待感を煽る工夫は必要でしょうね。

 ただ部位攻め自体は双方とも一定レベルを超えているし、
 細やかに積み重ねていくのは全日らしくて良いですね。

 佐藤のサブミッションを返されるや、
 すぐ掛け直すサブミッション地獄は印象的で
 熱量をしっかり高めている。

 ただ上手く繋げればはまる2人だけど
 上手くないと相手の攻めを拾えず
 無視するように自分の攻めアピールを
 お互いする形になってしまう。
 実際この試合は踏み込んで化学反応は起こせなかったですね。

 それぞれ自分のパートを自力で一定クオリティに仕上げただけ、と言っても的外れではない。

 その原因が横須賀の41歳という年齢にあるのではと、彼のスタイル自体が限界を迎えているのではと危惧するところもあるのだけど、
 それでも横須賀戴冠という結果は
 ヘビー級に比べ見劣りするJrヘビー級が変わる可能性を感じさせるに足るので今後に期待ですね。

 中々良い試合。

B三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.ジェイク・リー(1/3/20)
 ジェイクが宮原の場外戦への仕掛けを防ぎ、
 アピールへの移行を読みきって蹴り飛ばす。
 数え歌として理解はできますが、
 単なる数え歌ではないので、両者をスケール・アップして欲しいところ。
 こじんまりとまとまる結果になっています。

 ジェイクへの期待感は既に醸造されているので、
 ジェイクが上回る中盤も無理には不要。
 積み重ね論で確かにクオリティは積みあがっていきますけどね。

 宮原がエプロンでのパイル・ドライバーなど
 強引さのニュアンスを加えたスポットで
 フックに弱い試合内容にびしっとスパイスを利かせ、
 終盤は鋭い一進一退でまとめあげました。

 ぎりぎり好勝負。

C野村直哉vs.吉田綾斗(1/19/20)
 野村が仕掛けて吉田を圧倒。
 ベーシックなサブミッションにより
 格下相手の試合運びという印象を作り出していますね。

 吉田は脚攻めで反撃開始。
 KAIENTAI DOJO仕込みとあって
 えぐさを感じさせる見せ方は良いですね。

 野村のセルも良くてしっかりと引き込めています。

 野村は攻めでも投げの位置付けを
 この試合のシンプルさに合わせていて良かった。

 ただ中盤にしっかりと脚攻めをした割には
 終盤への活かし方が不十分だったのは残念。
 脚攻めを活かさないと吉田の押し上げは少し難しいですね。

 結果野村が見事なラッシュで
 最後の3分間を彩って上手くまとめましたが、
 本来の理想の形はこれではないですね。

 それでも吉田の株は少なからず上げれたでしょう。
 中々良い試合。

D三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.青柳優馬(2/11/20)
 ビッグ・ブーツを打ち合うと
 青柳が先を読みきってお株を奪うアピール。
 更に鉄柱にラリアットを誤爆させ腕ぜめです。

 青柳の意気込みを感じさせる良質な出だしですが、
 青柳の試合の軸が数分で全部見えてしまったのは難。

 一方の宮原はいつになく荒々しい雰囲気を出しつつ
 ストーリーに沿って攻防をまとめ流石長期政権を築いているだけある。
 宮原のまとめから青柳が感情の起発でまた前に進めていきます。

 ただ宮原がエプロンでパイル・ドライバーを決めたにも関わらず、
 次のシーンは激しいエルボーの打ち合い。
 情感的な攻防で記憶には残るが、
 最初に打ち出した機軸からズレていて完成度を少し落としました。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

E三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.諏訪魔(3/23/20)
 演舞は控えめに抑えて最底辺が入って
 前のシーンを活かして積み重ねる構築。
 丁寧ながらそこまでハネない長時間用の構築ですね。

 諏訪魔が主導権を握りますが、
 それぞれ記録がかかった最高峰対決としては
 もう少し均衡感を出して欲しかったですね。

 スリーパーをキーの技として
 焦点を絞った上で20分経過時には
 両者トップレベルのポジションに押し上げることに成功しています。

 もう少し緩急入れて、まったり感を振り切りたいとこほでしたが、
 諏訪魔のショートレンジラリアット乱れ打ちは熱く、
 宮原のゾンビ受け取り相まってドラマチックな演出となっています。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:4/?/19)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@世界タッグ王座戦:ゼウス、崔領二(ch)vs.ヴァイオレント・ジャイアンツ(石川修司、諏訪魔)(新チャンピオン!)(1/2/20)
AJr.ヘビー級王者決定戦:横須賀ススム(新チャンピオン!)vs.佐藤光留(1/3/20)
B三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.ジェイク・リー(1/3/20)
C野村直哉vs.吉田綾斗(30分時間切れ)(1/19/20)
D三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.青柳優馬(2/11/20)
E三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.諏訪魔(新チャンピオン!)(3/23/20)