全日本プロレス:Best of AJPW Champion Carnival 2018の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | CC公式戦:火野裕士vs.石川修司(4/7/18) CC公式戦:火野裕士vs.鷹木信悟(4/15/18) CC公式戦:石川修司vs.鷹木信悟(4/29/18) CC決勝:宮原健斗vs.丸藤正道(4/30/18) |
@CC公式戦:火野裕士vs.石川修司(4/7/18)
まずはショルダータックルの耐え合いですが、
テンプレート過ぎるそれを面白くしているのは火野の仕草でしょう。
プロレスラーとして体の動きをコントロールして
アクションに見せ方の意図を加えている。
柵等環境を使った攻めで石川が主導権を握り、
火野は受け手に回りつつ徐々に押し上げていきます。
得意のチョップの使いどころは間違いないですね。
高め方も繊細で素晴らしく噛み合っている。
その上で終盤はダイナミック。
このカードで三冠王座戦とか見てみたいですね。
ぎりぎり好勝負。
ACC公式戦:宮原健斗vs.鷹木信悟(4/7/18)
双方の機敏な動きが映え相性の良いカード。
鷹木が握手を求める振りをしたり、
宮原が鉄柱を使ったロックをしたり、
変則的な見せ場を入れていますが、初対決には不要ですね。
初対決に凄い試合をした、という刷り込みがないと
受け手側の観客にもそこまで効果が上がりません。
表現としては不適切ながら気持ちで張り合う展開からの
ハードビットな終盤は見応えがあり、
宮原が負けるというサプライズに値する内容だったといえるでしょう。
好勝負に少し届かず。
BCC公式戦:火野裕士vs.鷹木信悟(4/15/18)
想定される打撃の耐えあいも勿論あるのですが、
鷹木が真摯に体重差で劣ることから
一歩相手を立てた受身をしているのが良いですね。
火野のチョップも映えます。
攻めもしっかり鉄柱、椅子を使って
腕に狙いをつける等理屈が通っています。
繊細な体重差の表現ですね。
その上での根性論の耐えあいもあるのは歓迎。
根幹は曲げずに真っ直ぐ貫き通しました。
これも20分超えでの再戦を期待。
ぎりぎり好勝負です。
CCC公式戦:秋山準vs.ゼウス(4/21/18)
ベテラン同士のゆったりとした試合になるかと思いきや
刺々しい打撃で不穏な空気感を出すと、
乱闘になり体を張ってフェンスに激突していきます。
スコット・スタイナーvs.ゴールドバーグを髣髴とさせますね。
その試合と違って中盤以降は勢いが落ちますが、
秋山の厳しいニーでの攻めと
それを脅威の粘りで耐えながら
リフト・アップ等見栄えのする技で盛り返すゼウスが
良い攻防を見せてくれました。
好勝負に少し届かず。
DCC公式戦:秋山準vs.丸藤正道(4/25/18)
秋山の身体能力劣化が課題。
まず序盤は丸藤が躊躇無く
激しいチョップを打ち込んでクリア。
秋山も切り返しの動き自体は落ちつつも
このカードの持つ意味をしっかり演じていて行間を作っています。
そして丸藤の受身により演出された
エプロンでのドライバー等
とんでもない威力のスポットで
丸藤が劣勢に追いやられます。
これは非常にドラマチックでした。
しかしながら終盤にかけての
丸藤の反撃が上手く噛み合わず、
それまでの過程を活かしきれず最後は残念でした。
好勝負に少し届かず。
ECC公式戦:石川修司vs.鷹木信悟(4/29/18)
スロー・ペースな立ち上がり。
まずは石川が場外でカウンターの
ファイヤー・サンダーを決めて主導権を掴みます。
鷹木が首の痛みを上手くセルしつつ
石川を高い壁として引き立てます。
一方で細かいアクション量はしっかり用意できていますね。
後半になると石川が一層パワフルな攻め。
どこで尽き果ててもおかしくない中で
鷹木が力を振り絞りながら力技の投げとラリアットで
気迫の攻防を見せました。
文句無しに好勝負。
FCC公式戦:宮原健斗vs.火野裕士(4/29/18)
オーソドックスな入りから
火野が柵攻撃を仕掛けるも
宮原もヘッドバットや鉄柱押し付け等ラフで応戦。
それぞれ土台となる雰囲気感を作ります。
火野が自分のペースに持ち込みリングを制圧。
宮原のテーズ・プレスをキャッチして場外投げ等
ずしりと来る攻めで宮原を追い込みます。
宮原は少ない手数でも印象付けているし、
火野のここぞというポイントでノー・ガードの耐えを見せたのも
ドラマの焦点を定めるのに役に立っていて良かった。
好勝負に少し届かず。
GCC決勝:宮原健斗vs.丸藤正道(4/30/18)
細かいかわし合いから初めて
予定調和を観客の頭に描かせての
サプライズを与えるカウンター合戦。
コーナーに横たわらせてスーパーキックなど
丸藤は意表を突くと同時に非常にハードな攻めを見せます。
宮原は軽快な連打でそこに織り交ぜ、
一方だけでは出来ないハーモニーを見せます。
丸藤のエプロンでのパイル・ドライバーに関しては
宮原が後引くダウンの受けをしても良かった印象ですが、
展開に依存せずとも終盤を見せきり、
最後は説得力抜群のフィニッシュでCCの幕を閉じました。
文句なしに好勝負。
(執筆日:5/?/18)
注目試合の詳細
なし試合結果
@CC公式戦:火野裕士vs.石川修司(4/7/18)ACC公式戦:宮原健斗vs.鷹木信悟(4/7/18)
BCC公式戦:火野裕士vs.鷹木信悟(4/15/18)
CCC公式戦:秋山準vs.ゼウス(4/21/18)
DCC公式戦:秋山準vs.丸藤正道(4/25/18)
ECC公式戦:石川修司vs.鷹木信悟(4/29/18)
FCC公式戦:宮原健斗vs.火野裕士(4/29/18)
GCC決勝:宮原健斗vs.丸藤正道(優勝!)(4/30/18)