全日本プロレス:Best of AJPW 2017 part.2の分析
名勝負 | 三冠王座戦:石川修司(ch)vs.宮原健斗(8/27/17) 三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.宮原健斗(10/9/17) |
好勝負 | 三冠王座戦:石川修司(ch)vs.諏訪魔(7/17/17) RWTL戦:ヴァイオレント・ジャイアンツ(石川修司、諏訪魔)vs.宮原健斗、ヨシ・タツ(12/12/17) |
@宮原健斗vs.諏訪魔(6/11/17)
重量差を感じさせつつも
それにより宮原が軽く見えないのは
しっかり理屈の通った、体格差を圧力として見せた
攻防をしているからでしょう。
宮原は腕狙いをコンスタントに入れてきて
分かりやすい見せ方で勝負。
ただ諏訪魔が腕の痛みを攻めの際に反映させないので
もう一サムシング足りない印象が残ります。
中々良い試合。
A三冠王座戦:石川修司(ch)vs.諏訪魔(7/17/17)
CCでは大迫力の試合を見せた両者。
王座戦ということで20分試合のために
当然じっくり目の構築になっています。
諏訪魔がロープ越しに反則ぎりぎりまでスリーパーを決めると
そこから首を絞っていきます。
重みを感じさせながら着実な積み重ね。
どちらも倒れない形で凄さを表現できていますね。
諏訪魔の復帰ストーリーも完全に明確化はできていないものの
終盤の一つの見所にちゃんとなっており充実の内容。
ぎりぎり好勝負。
B三冠王座戦:石川修司(ch)vs.ジェイク・リー(6/11/17)
全日が好きそうな張り合いですが、
ジェイクの体躯で石川とやるのは無理がありませんか。
ジェイクの根性よりも試合としてのストーリー性が不足している。
攻守の作り方も上手くいっておらず
とりあえずハード・ヒットで
時間を潰している印象さえあります。
良くなりそうなシーンは幾つもあったのですが吹っ切れず。
まあまあ良い試合程度。
Cタッグ王座戦:ビッグ・ガンズ(ゼウス、ボディガー)(ch)vs.ジェイク・リー、野村卓矢(7/31/17)
ジェイクは脚の痛み表現を始めとして絵作りに適応。
野村は素丸出しな所があるものの
そのリアルさ織り交じったグリーン・ボーイ・キャラは
ビッグ・ガンズのパワー殺法が活きて来る。
ストーリー的には美味しかった。
ただテクニックが追いつかず形にはなりきれない。
まあまあ良い試合程度。
D世界タッグ王座戦:ストロングBJ(関本大介、岡林裕二)(ch)vs.KAI、野村卓矢(8/27/17)
野村は1ヶ月前に比べると強制力を感じさせますね。
また、受けにおいても倒れる受身をしないことでの
粘り越しの見せ方もアンダードッグとして出きるようになった。
こうなるとストロングBJが見事なしごきで
野村という材料を活かしていきます。
KAIもバランス感良く攻防を重ねていますね。
少しクオリティが落ちるシーンも散見されましたが、
最後は必至のシングルの攻防で盛り上げました。
好勝負に少し届かず。
E三冠王座戦:石川修司(ch)vs.宮原健斗(8/27/17)
宮原がビッグ・ブーツで石川を蹴り倒せるし
そこまで体格差で制限は加えませんが、
石川が主導権を握り首を攻める
じっくりとした攻めはずしんと腹落ちする圧力を感じさせる。
宮原も引き過ぎずロング・マッチの溜めとしては良い感じです。
エプロン・スポットが最初のビッグ・スポット。
全日四天王プロレス以来の伝統を感じさせますね。
宮原の受けっぷりの良さが光り、
石川もパワー中心とはいえ
攻め手を絶妙に変化させて刺激を生み出します。
気合任せの打ち合いも
自然とタフさ、勝負のリアルに落ち着いていく。
それほどのオール・イン・マッチです。
今の全日の一番の試合が期待通りの成果を生み出しました。
ぎりぎり名勝負。
(執筆日:9/?/17)
F石川修司vs.ジョー・ドーリング(10/9/17)
スラッグ・フェスト。
かなりゆったり手数は少なめ。
ジョーは一発一発迫力がありますが、
この日はどこか最初から疲労感が見えましたね。
短期的ながらもっと機動力もあったはずなんだけど。
伸びきらない部分はあったものの
最後は原初的ぶつかり合いに帰結し盛り上げました。
中々良い試合。
G三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.宮原健斗(10/9/17)
諏訪魔の荒っぽい打撃に対し、
宮原は体重差を表現するものの
ダビデ/ゴリアテにまでは落とさないバランス感覚が見事。
宮原の力強さを感じさせつつ
必死に挑まなければ敵わないことが伝わってきます。
続いて諏訪魔が宮原の脚を攻めます。
宮原がロープに振られて倒れこんでしまうのは
少し早計な気がしましたが、
諏訪魔は宮原を見下す表現に繋げ
宮原は痛めた脚を犠牲にしての反撃でドラマを生み出しました。
ダブル・アンクル・ロックなど
特別なスポットも全てが機能的に働き、
文句なしに名勝負となりました。
HRWTL戦:ヴァイオレント・ジャイアンツ(石川修司、諏訪魔)vs.宮原健斗、ヨシ・タツ(12/12/17)
勝利したチームが次の優勝決定戦に進むというシチュエーション。
場外乱戦にもつれこむとヨシが雛壇から腰へのダブル・ストンプを食らい、
そのまま孤立に繋がっていきます。
諏訪魔、石川の攻めっぷりが良く成立していますが、
ヨシももう少し貢献したいところです。
それでも受けスタイルは相手と親和性があるし、
宮原とも似通っているのでチームとしてのまとまりはある。
宮原はホット・タッグ後、連撃で勢いをつけます。
分かっていますね。
宮原絡みの上質な攻防を核にすえながら
タッグとしてRWTL決勝がかかっているだけの
執念のニア・フォール合戦を見せてくれます。
テンポを増していく中での後5分のコールは
更なる盛り上がりを生むのに上手く機能していましたね。
決勝といわれても疑わない素晴らしい試合でした。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:1/?/18)
注目試合の詳細
なし試合結果
@宮原健斗vs.諏訪魔(6/11/17)A三冠王座戦:石川修司(ch)vs.諏訪魔(7/17/17)
B三冠王座戦:石川修司(ch)vs.ジェイク・リー(6/11/17)
Cタッグ王座戦:ビッグ・ガンズ(ゼウス、ボディガー)(ch)vs.ジェイク・リー、野村卓矢(新チャンピオン!)(7/31/17)
D世界タッグ王座戦:ストロングBJ(関本大介、岡林裕二)(ch)vs.KAI、野村卓矢(8/27/17)
E三冠王座戦:石川修司(ch)vs.宮原健斗(新チャンピオン!)(8/27/17)