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全日本プロレス:Best of AJPW 2013 part.2の分析


名勝負 なし
好勝負 CC優勝決定戦:KAI vs.秋山準(4/29/13)

アジア・タッグ王座戦:鈴木鼓太郎、青木篤(ch)vs.田中稔、金本浩二(5/18/13)

世界タッグ王座戦:秋山準、潮崎豪(ch)vs.諏訪魔、ジョー・ドーリング(6/2/13)

3本勝負:諏訪魔vs.潮崎豪(7/14/13)

三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.潮崎豪(8/25/13)

@CC優勝決定戦:KAI vs.秋山準(4/29/13)
 秋山が厳しい攻め。
 KAIは悲壮感を持って迎えつつ
 ハイ・フライを重く打ち込んで対抗します。
 まず試合が動いたのは秋山がロープを使ったぺディグリーを決めたところから。
 見せ方が練られていて印象的なシーンでした。
 先ほどKAIが悲壮感を作っていると言いましたが、
 この試合は秋山の仕事が完璧過ぎました。
 付け入るスキのない見事な自分の立場の作り方が光ります。
 KAIは感情的にぶつかっていきますが、綺麗にまとまりすぎです。
 秋山が技と技の間で緩急を作り上げ、
 素晴らしいカタルシスをもたらし終盤へ。
 KAIが投げでヘビー級を再認識させながら丸め込みで意表をつき盛り上がりました。
 素晴らしい試合内容でしたが
 秋山がこれまでにない完璧っぷりで
 決勝らしい激突ではなかったと言っても過言ではない。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:3/13/13)

Aアジア・タッグ王座戦:鈴木鼓太郎、青木篤(ch)vs.田中稔、金本浩二(5/18/13)
 硬派に打撃とレスリングで序盤の土台を作る。
 金本の切り方が特に素晴らしかったですね。
 場外挟んで田中が捕まり首に狙いをつけられる。
 田中は首を抑えてうずくまりますが、
 もっと観客に見えやすく、見せて感じさせるようにしないといけないですね。
 今度は鈴木が逆に捕まるシーン。
 どちらも孤立時の見せ方の工夫が余りないのが残念。
 しかし孤立シーンが終わるとキレのあるスピード感で入り混じる攻防スタート。
 どの選手もバランス良く何でもできるタイプだから
 攻防の色付の変化が余り感じられない部分はありますが、
 素晴らしい攻防であるにも関わらずクライマックスの緊張感ある丸め込みも流石でした。
 ぎりぎり好勝負。

B世界タッグ王座戦:秋山準、潮崎豪(ch)vs.諏訪魔、ジョー・ドーリング(6/2/13)
 試合開始早々、秋山と諏訪魔が感情をぶつけあいます。
 続いて潮崎のチョップですが、
 ドーリングには身じろぎしない受けで耐えられるも、
 諏訪魔には打ち勝つという位置づけに設定されることで
 対戦相手を代える中で微妙な匙加減を行う仕掛けに仕立て上げています。
 場外戦後、セコンド攻撃によって全日側の支配権拡大。
 場外でドーリングが潮崎にチョーク・スラムを決めて半ば脱落させると
 リングでは秋山の腰を強烈に攻めて強さをアピール。
 ただ潮崎がエプロンにすら上がれない状況なのですから
 もっとこのシーンで決めるという印象を与えたかったですね。
 別に普通にセコンドにいる時の攻めと変わらないといえば変わりません。
 潮崎の天敵としてドーリングを位置づけられた中で
 戦略的にマッチアップを実現させて
 その流れで自然と諏訪魔vs.潮崎のエース対決で白熱させました。
 最後まで素晴らしい攻防をやってのけました。
 文句なしに好勝負。

C3本勝負:諏訪魔vs.潮崎豪(7/14/13)
 序盤は一般的な形ではあるものの
 ヘッド・ロックを締め上げている様子で諏訪魔の圧力を見せたり、
 潮崎のちょっとした体格の細さを暗に印象付けたりと
 細かい芸が利いている力強いスタート。
 諏訪魔がコーナー上の潮崎を突き落とし主導権を握ると腹攻め。
 潮崎が見事なセルで
 みぞおちが本来意味する他にも勝る痛みを表現しています。
 ただこれなら腹攻めで1本目をまとめても良かった。
 潮崎の反撃は目を引かず、
 攻防を行うために無駄に散らしている印象もありました。
 
 2本目。
 引き続き潮崎は劣勢からのスタートということで
 必死さを出して観客の一体感をまして行きます。
 1本目の終盤では散逸な所もありましたが、
 技の攻防は1本目よりも精度を増しています。
 スリーパーで潮崎が落ちて
 そのまま10カウントになりそうだったものの
 諏訪魔が敢えて起こして続行。
 そこから潮崎が逆転劇を呼び込む形ですね。
 ただ対等なライバル関係ならまだしも
 今回は腹攻め、スリーパーによって
 思い切って立場を差別化してきただけに
 その逆転の仕方はもっと良い方法があったかもしれない。

 3本目。
 全日らしい死闘感が出てきましたね。
 潮崎の抑揚を持たせたチョップでの動作的表現、
 打ち合いが奏でるリズムによりお膳立てすると
 潮崎が身を省みないトペ。
 一気に会場を爆発させ、
 後はアドレナリンを出しての攻防で全てを集約させました。
 各本目の決め方には改善の余地を感じるものの
 3本勝負の構成は中々のものだし、
 全日の伝統的な全力ファイトを見られたので
 まずは最高の再出発と評価しても構わないでしょう。
 文句なしに好勝負。

D三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.潮崎豪(8/25/13)
 序盤は複雑なことをせず一歩一歩進める構え。
 ロング・マッチだからとこういうスタンスしかない、
 と思い込むのは余り良くありませんが
 少なくとも上回りながら相手を下げない良い形で進められている。
 爆発的なことはしないものの感情や連打の調整で緩急をつけ
 ぶれずに試合を高めていきました。
 エプロン際の攻防から諏訪魔がスリーパーに捉え主導権を握ります。
 潮崎の耐え姿の見せ方、
 諏訪間の打撃の使い分けでの応対、
 共にうまくストーリーを奏でています。
 ただ潮崎は反撃の予感、高鳴りをもう少し感じさせたいところ。
 その場単体での小さな反撃にしかなっていない部分があります。
 エプロンでのラリアットから潮崎のターン。
 その後諏訪魔が腹攻めで反撃。
 ここでのテンポの増し方は見事で、
 尚且つエネルギッシュな印象を作り出しました。
 潮崎も鼻から流血しながらも応戦し、
 全日伝統の総力戦、ごつごつとした攻め合いに突入します。
 新日とは見せ方の違う気合の使い方で盛り上げましたね。
 ぎりぎり好勝負。

 (執筆日:9/?/13)