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全日本プロレス:Best of AJPW 2013 part.1の分析


名勝負 なし
好勝負 アジア・タッグ王座戦:金本浩二、田中稔(ch)vs.近藤修司、カズ・ハヤシ(1/3/13)

CC優勝決定戦:KAI vs.秋山準(4/29/13)

@世界Jrヘビー級王座、GHC Jrヘビー級王座戦:近藤修司(GHC ch)vs.大和ヒロシ(World ch)(1/2/13)
 大和はど直球のレスラーというカラーだが
 意外にカウンターの混ぜ方が上手いですね。
 相手に翻弄させず自分のペースを乱さない意味で自分を貫くという
 ありそうでなかった面白いレスラーに成長しました。
 近藤は大技を適度にばら撒く試合運び。
 大和が受け手側でふらついたりロープ・ワークでスピードつけたりと
 場面によって緩急をつけているから成り立っています。
 同じアンダードッグ寄りの受けでも石森みたいなのだと単調になってしまいますけどね。
 素晴らしい試合ながら終盤の攻防がオーソドックスだったのが残念。
 ダブル・タイトル戦故にむしろ終盤は過剰気味ぐらいにやってくるかと思ったんですけどね。
 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:3/13/13)

Aアジア・タッグ王座戦:金本浩二、田中稔(ch)vs.近藤修司、カズ・ハヤシ(1/3/13)
 カズ、稔のコンディショニングは素晴らしいですね。
 ベテランとは思えない程動きがキレています。
 金本、近藤相手に真っ向から立ち向かい、
 控えの金本に柵へのロシアン・レッグ・スイープを決め稔を孤立させます。
 上手さを前面に押し出すこともできるでしょうが、痛みの伝わる攻めを選択。
 構成で大きな流れは生む気はないが
 しっかりした作りで細かい部分まで手を抜いていません。
 良い雰囲気の作り方ですね。
 稔とカズの細かい攻防はそれだけで熱を帯びる
 何が起こるか分からない自由度の高い攻防。
 形をつけながら入り乱れた打ち合いで盛り上げ、
 最後は圧巻の多重ロープ・ワークからまとめあげました。
 AJPW Jrにしかできない最高級のタッグ・マッチです。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:3/2/13)

B秋山準、金丸義信、鈴木鼓太郎vs.征矢学、大森隆男、カズ・ハヤシ(2/10/13)
 乱戦スタート。
 ヘッド・ロック一つとっても刺々しさを感じさせます。
 ショルダー・タックルの耐えあいも敵に対しての気迫が篭っている。
 それを大森や征矢が他よりぬきんでて提供しています。
 少し前なら他より一つ劣る選手というイメージでしたけどね。
 見事な変化を遂げました。
 続いて鈴木とカズがスピード感ある攻防。
 この時点で既に数え歌を生み出しうる確信を感じさせます。
 金丸の技のバランス感覚も良かった。
 素晴らしい一戦でしたが秋山が他に比べて存在感がなく、
 それによりJrの攻防が前面に出すぎていたのが少し残念。
 好勝負に少し届かず。

Cアジア・タッグ王座戦:大和ヒロシ、佐藤光留(ch)vs.田中稔、金本浩二(2/10/13)
 大和は佐藤と組んでいるときは馬鹿なファイトにシフトしていますね。
 ちょっと過剰で、彼の成長して得た上手さを殺している印象がありますね。
 控えの佐藤の打撃が金本をKOする展開は意表を突いているが特に効果は上げていない。
 王者組みの仲間割れしながらの連携技もユニークだが
 インパクトがないので伝わりにくいところがあります。
 田中が綺麗な動きで盛り上げようとするも
 大きな流れを作るにはスケール感が足りない。
 攻防のボリュームはあるものの化学融合は感じられず。
 平均的な良試合。

D世界Jrヘビー級王座戦:近藤修司(ch)vs.金丸義信(2/23/13)
 ヘッド・ロック、ショルダー・タックルの耐えあいでスタート。
 Noahを離脱してきたとはいえ対抗戦的な所があるのですから
 もっと形式を超えた火花の散らしあいが見たい。
 むしろ彼らではなく両者のセコンドが雰囲気を生み出していました。
 試合に関しては特筆すべき所は少ない。
 場外を使った明確なスポットを基点に構築。
 高いクオリティを保っています。
 終盤はハイ・インパクトな技連打で鬩ぎあい。
 過剰な部分はあるものの十分に観客を盛り上げました。
 中々良い試合。
 (執筆日:3/13/13)

ECC優勝決定戦:KAI vs.秋山準(4/29/13)
 秋山が厳しい攻め。
 KAIは悲壮感を持って迎えつつ
 ハイ・フライを重く打ち込んで対抗します。
 まず試合が動いたのは秋山がロープを使ったぺディグリーを決めたところから。
 見せ方が練られていて印象的なシーンでした。
 先ほどKAIが悲壮感を作っていると言いましたが、
 この試合は秋山の仕事が完璧過ぎました。
 付け入るスキのない見事な自分の立場の作り方が光ります。
 KAIは感情的にぶつかっていきますが、綺麗にまとまりすぎです。
 秋山が技と技の間で緩急を作り上げ、
 素晴らしいカタルシスをもたらし終盤へ。
 KAIが投げでヘビー級を再認識させながら丸め込みで意表をつき盛り上がりました。
 素晴らしい試合内容でしたが
 秋山がこれまでにない完璧っぷりで
 決勝らしい激突ではなかったと言っても過言ではない。
 ぎりぎり好勝負。


注目試合の詳細

なし

試合結果

@世界Jrヘビー級王座、GHC Jrヘビー級王座戦:近藤修司(GHC ch)(新チャンピオン!)vs.大和ヒロシ(World ch)(1/2/13)
Aアジア・タッグ王座戦:金本浩二、田中稔(ch)vs.近藤修司、カズ・ハヤシ(1/3/13)
B秋山準、金丸義信、鈴木鼓太郎vs.征矢学、大森隆男、カズ・ハヤシ(2/10/13)
Cアジア・タッグ王座戦:大和ヒロシ、佐藤光留(ch)vs.田中稔、金本浩二(2/10/13)
D世界Jrヘビー級王座戦:近藤修司(ch)vs.金丸義信(新チャンピオン!)(2/23/13)
ECC優勝決定戦:KAI vs.秋山準(優勝!)(4/29/13)