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WSU:Passionの分析


名勝負 なし
好勝負 WSU王座戦、ワン・イヤー・メイキング、アンセンサード・ルールズ(レフェリー:モーリー・ホーリー):メルセデス・マルチネス(ch)vs.レイン(Third Anniversary 3/6/10)

@アリシアvs.ルナ・ベーコン(Bad Luna Rising 5/5/07)

Aオーサム・コングvs.エイミー・リー(Dawn of a New Day 3/8/08)
 エイミーは典型的な巨女で粗雑なレスラーですが、
 この試合は体型を活かした乱戦なので欠点は余り出ない。
 コングが最低限必要なリードをしながら
 時に一見の価値ある迫力を生み出しています。
 最後の相手を屈せさせる攻めのコンビネーションは定番ながら良い。
 まあまあ良い試合。

Bトレイシー・ブルックスvs.アニー・ソーシャル(Martinez vs. Perez 11/29/08)
Cレインvs.ニッキー・ロックス(Second Coming 6/6/09)

DWSU王座戦:メルセデス・マルチネス(ch)vs.オーサム・コング(Awesome Challenge 12/12/09)
 メルセデスがなりふり構わず立ち向かっていき
 コングが如何に驚異的な存在か、
 その攻防より前に態度で持って雄弁に語っています。
 コングもプレス系を効果的に使っていて
 今にも試合が終わりそうな緊張感ある試合運びをしていますね。
 後半メルセデスが怪物を切り崩すべく
 上手く高さのある技を狙っていたのが印象的。
 10分しか試合時間がないと知って見る前は余り期待していなかったのだけど
 これはむしろ10分の試合時間であるべき内容でした。
 素晴らしい試合です。
 中々良い試合。

EWSU王座戦、ワン・イヤー・メイキング、アンセンサード・ルールズ(レフェリー:モーリー・ホーリー):メルセデス・マルチネス(ch)vs.レイン(Third Anniversary 3/6/10)
 WSUからは80年代の香りがする。
 抗争が本当に上手く機能しています。
 この試合も一年かけたようで試合前から相当に出来上がっている。
 レインがいきなりベルト攻撃を叩き込み試合開始。
 レインはレイシーの片割れを務めていたようにキャラは良いのですが
 絶対的に強制力が足りず、そのせいでたどたどしく見えるという欠点がありました。
 しかしShimmerとは違ってWSUならその欠点は捨て置ける。
 WSUにおいて大事なのは抗争という台本に如何に入り込めるか、という演技力と
 多くの展開を組み合わせられるか、という構成力です。
 決してレイン一人に任せられる、と信じさせる程素晴らしかったとは言わないけれども
 これまでに抱いていた印象を超える働きではありました。
 それに届かない部分はメルセデスが十分に補ってくれる。
 オルシニ戦と同じように場外を使いながらテンポ良く試合を運び、
 要所でキラー化して遺恨を壮大に盛り上げます。
 
 必殺技が決まるもカウント1、この時点で22分。
 レインの限界を考えても決して長すぎず短すぎず。
 ここで終わっても普通に良く頑張ったといえる内容です。
 しかし試合はその後14分も続く。
 何をやったかというとテーブルと椅子の追加ぐらいです。
 そしてテーブルはコーナーに立てかけてぶつかるだけで、そこに投げられるなんて事はありません。
 現代からしたら過激度は全然高くない。
 そんな事は当人達も百の承知のはずなのに
 テーブルにぶつけられるという事を本当に危険な事だと描き、信じている。
 だからこそ見ている方もその世界の理を信じてしまう。
 またしてもWSUの揺ぎ無い世界を見ました。
 WSUという団体とメルセデスというレスラーが出会った事は一つの奇跡といって良い。
 ぎりぎり好勝負。

FWSU王座戦:メルセデス・マルチネス(ch)vs.ミッキー・ジェームス(8/7/10)
 相手がミッキーとあって純レスリングでじっくり見せてきます。
 ミッキーが元メジャーの意地かリードする事に固執していますね。
 ミッキー自身としては優れた緩急を見せています。
 またメルセデスが中々ペースを握れないというのは
 ドラマチックで試合に切迫感を与えている。
 只メルセデス自身で見ればいつもの形に持っていけず、やや見劣りする働き。
 終盤前にメルセデスにバトン・タッチし、その上で最後に一進一退を繰り広げてほしかった。
 元メジャーという肩書きが光る珍しい試合だっただけに
 もう一歩上にたどり着いてほしかった。
 平均的な良試合。

Gセリーナvs.ジャズvs.ポリシア・ペレスvs.アリシア(Martinez vs. Rain II 11/6/10)

HWSU王座戦:メルセデス・マルチネス(ch)vs.セリーナ・ディーブ(4th Anniversary 3/5/11)
 前回の襲撃で髪を切られたメルセデスがゴングが鳴るなり感情的に襲い掛かっていきます。
 セリーナも反撃すると髪を意識させ遺恨をアピールします。
 その後もメルセデスが逆さ吊りにして顔にスライディング・キックを打ったりと
 遺恨のリアリティーが素晴らしい。
 それゆえにゆったりと試合を展開させロング・マッチにする事が出来ています。
 セリーナもロープに振ると同時に同ロープに走り後頭部にクローズラインという
 ユニークなムーブから反撃して試合を支配しました。
 ただゆったりした展開だからそれまで目立ちませんでしたが
 ベースの融合が上手くいっていないですね。
 素晴らしいヒートを作り上げたのに
 それが終盤にレスラーとレスラーの攻防に発展する事なく
 最後セリーナが再びハサミを持ち出してきたりと
 単なるベビーフェイスとヒールのそれに尻すぼみで落ち着いてしまったのは残念です。
 まあまあ良い試合。

Iアリシアvs.ジェシカ・ハヴォック(Uncensored Rumble IV 6/25/11)
 両者体重があるので試合が重く見える。
 日本の一部の女子プロと同じ理屈ですね。
 椅子をのせてのヒップ・アタックなど
 アリシアvs.ベイレス戦を豊富とさせる乱闘で盛り上げました。
 後半は若干テンポが落ちましたね。
 またジェシカがアリシアの母親を挑発、
 チェーンでアリシアの首を絞めると母親がタオルを投げるというエンディングは
 WSUを継続的に追っているファンでないと少々受け入れがたい。
 まあまあ良い試合。

総評
 いまいちコンセプトが分かりませんが
 WSUの歴史を追ったということで良いのかな。
 その割には初代王座戦が収録されていなかったりで良く分かりませんね。
 Best of 2010と悩むところですが
 女子インディー・シーンの変化を見たければこちら、
 現状のWSUの個々の売り、魅力を把握したければBest of 2010をお勧めします。
(執筆日:1/5/12)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

なし 

試合結果

@アリシアvs.ルナ・ベーコン(Bad Luna Rising 5/5/07)
Aオーサム・コングvs.エイミー・リー(Dawn of a New Day 3/8/08)
Bトレイシー・ブルックスvs.アニー・ソーシャル(Martinez vs. Perez 11/29/08)
Cレインvs.ニッキー・ロックス(Second Coming 6/6/09)
DWSU王座戦:メルセデス・マルチネス(ch)vs.オーサム・コング(Awesome Challenge 12/12/09)
EWSU王座戦、ワン・イヤー・メイキング、アンセンサード・ルールズ(レフェリー:モーリー・ホーリー):メルセデス・マルチネス(ch)vs.レイン(Third Anniversary 3/6/10)
FWSU王座戦:メルセデス・マルチネス(ch)vs.ミッキー・ジェームス(8/7/10)
Gセリーナvs.ジャズvs.ポリシア・ペレスvs.アリシア(Martinez vs. Rain II 11/6/10)
HWSU王座戦:メルセデス・マルチネス(ch)vs.セリーナ・ディーブ(4th Anniversary 3/5/11)
Iアリシアvs.ジェシカ・ハヴォック(Uncensored Rumble IV 6/25/11)