STARDOM:Best of STARDOM 2025 part.1の分析
名勝負 | ルーザー・リーヴスSTARDOM:上谷沙弥vs.中野たむ(3/3/2025) |
好勝負 | アーティスト・オブ・スターダム王座戦:コズミック・エンジェルズ(なつぽい、安納サオリ、中野たむ)(ch)vs.ネオ・ジェネシス(AZM、スターライト・キッド、天咲光由)(2/2/2025) ワールド・オブ・スターダム王座戦:上谷沙弥(ch)vs.鈴季すず(2/2/2025) ゴッデス・オブ・スターダム王座戦:飯田沙耶、羽南(ch)vs.鈴季すず、星来芽依(2/24/2025) ワンダー・オブ・スターダム王座戦:スターライト・キッド(ch)vs.吏南(2/24/2025) |
@アーティスト・オブ・スターダム王座戦:コズミック・エンジェルズ(なつぽい、安納サオリ、中野たむ)(ch)vs.ネオ・ジェネシス(AZM、スターライト・キッド、天咲光由)(2/2/2025)
流れるようにムーブを重ねます。
シングルからトリオまで自由にシフトしますし、
シングルの中でもハイ・フライだけでなくサブミッションもあるので幅がある。
昨年末に見事な試合を見せたキッドvs.なつぽいでギアを上げると
そこで生まれた熱気を切らさず目まぐるしい攻防。
タッグ的戦略性に乏しいものの
トリオとしての魅力には溢れている上質な一戦。
ぎりぎり好勝負です。
Aワールド・オブ・スターダム王座戦:上谷沙弥(ch)vs.鈴季すず(2/2/2025)
上谷はハード・ヒットに応じつつ、場外に出てすかしたり、と
自分の場として掌の上にのせて好き放題やっていますね。
これだけキャラ強く仕草を見せたりHATEの介入を交えつつも
STARDOMのハード・マッチ志向性を失っていないバランス感覚は恐れ入る。
すずも上谷に対する応対として完璧。
リングで椅子に座ってポーズする上谷に対し、場外で椅子に座って中指立てるキャラ表現もそうですし、
攻防としても過激なスポット・ベースで見事にはまっています。
雪崩式ジャーマンなど恐ろしい過激技の数々を
20分ない中に詰め込んでいるので、
ドラマが広がり切っていない所もありましたが、
それを考慮して尚トップ・クラスの激闘です。
文句なしに好勝負。
Bゴッデス・オブ・スターダム王座戦:飯田沙耶、羽南(ch)vs.鈴季すず、星来芽依(2/24/2025)
少し前はアンダーカードで会場を温めていた印象のあるカード。
別にそれぞれ激変した訳ではないですが、
着実に見せ場数増やせていて、テンポ感も精緻に理解したりと
地力の向上が感じられますね。
羽南の厳しい攻め、飯田の重み、星来の気持ちの乗ったスタイル。
すずがこの中では圧倒的格上ではありますが良い意味で違和感なく溶け込んでいましたね。
クライマックスも4人絡んでちゃんと絵を出し続け、
王座戦らしい白熱の攻防と言えます。
ぎりぎり好勝負。
Cワンダー・オブ・スターダム王座戦:スターライト・キッド(ch)vs.吏南(2/24/2025)
吏南も成長していてヘイトを買うヒールっぷり良いですね。
鞭を使ってわかりやすいアピール。
キッドのハードバンプの援護を受けながら腕攻めで存在感を示しました。
攻守バトン・タッチを受けたキッド。
ロープを使った攻撃からの足攻め。
同じ部位攻めですが、ポイントの印象の付け方、
力が入ってることが伝わってくる見せ方、
そしてハイフライを織り交ぜるバランス感覚。
完璧です。
キッドの攻めが素晴らしすぎて、
劣勢になった吏南はヒール感が薄れている終盤ですが、
大技とクイックにより最後まで食い下がりキャリア・メイクとなる試合を実現しました。
マリーゴールドに分裂しトップ層が一部抜けたことで、
吏南含めて下のレスラーがのし上がってくると面白い訳ですが、
そのためには取り敢えずキッドと王座戦やれば良い、と思ってしまうほど
キッドの名勝負製造機っぷりに惚れ惚れしました。
文句なしに好勝負。
Dルーザー・リーヴスSTARDOM:上谷沙弥vs.中野たむ(3/3/2025)
上谷は間を置いて余韻を持たせます。
それはHATEというより個人的な生の感情です。
一転HATE介入からラフ・ファイトに移ると
鎖で締めてコーナーでたむを首吊りにします。
勝敗には直結しないが表現的には終盤で使われる
このシーンを敢えての序盤にぶっこんできました。
これをここでするのはハードル上がりますが、
上谷のヒールとしての感情の起伏が素晴らしく成り立っています。
中野も前回に比べて劣勢の時は劣勢で割り切って
不要に攻防量を意識せず悲壮感を演出。
お互い今のコンディション、立ち位置を反映させてストーリーを紡ぎました。
たむがリング環境を使ったサブミッションで反撃。
使い所が素晴らしく印象的に流れを作りましたね。
前回の王座戦ではたむが今の状態に反して無理をして王座戦の過激さを求めた印象でしたが、
今回は等身大のまま限界を追求していて見え方が全然違います。
最後は真剣勝負の装いの中に介入連発。
ここら辺の練度は弱いもののウェットな情感で最後のフィニッシュ。
今度は引退をかけて再戦するという衝撃の展開故、
クライマックスは若干セーブがかかっていますが、この2人のキャリアの中でも飛び切りの内容でした。
ぎりぎり名勝負。
(執筆日:12/?/24)