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STARDOM:All-Star Grand Queendom 4/23/23の分析


名勝負 ワンダー・オブ・スターダム王座戦:上谷沙弥(ch)vs.白川未奈(All-Star Grand Queendom 4/23/23)
好勝負 舞華vs.ひめか(All-Star Grand Queendom 4/23/23)

アーティスト・オブ・スターダム王座戦:プロミネンス(柊くるみ、世羅りさ、鈴季すず)(ch)vs.リスタート(KAIRI、なつぽい、安納サオリ)(All-Star Grand Queendom 4/23/23)

ノックアウト・オア・サブミッション・オンリー・マッチ:朱里vs.橋本千紘(All-Star Grand Queendom 4/23/23)

ワールド・オブ・スターダム王座戦:ジュリア(ch)vs.中野たむ(All-Star Grand Queendom 4/23/23)

@葉月、フワちゃんvs.クイーンズ・クエスト(林下詩美、天咲光由)(All-Star Grand Queendom 4/23/23)
 天咲はフワちゃんと同じキャリア。
 お互いにとって分かりやすい段取りで動きます。
 2番手が同じレベルだと試合は組み立てやすいですね。

 フワちゃん2戦目なので無理に前にでなくても良く、
 その中で前回以上の大技で攻めで貢献しています。

 「勝利を目指す」と言うストーリーに合わせた役割担当が出来ていますね。

 一方で受けにおいては少しブレが目立ち
 見え方がナチュラルでなくなっている所も。

 林下がバランスを取って一進一退作っていますが、
 林下の絶対王者ぶりを覚えているので、
 できるからと言ってこの立ち位置にいることにモヤッとしたり。
 メンバーが充実し過ぎているのでずっとトップ戦線とはいかないですけどね。

 平均的な良試合。

A舞華vs.ひめか(All-Star Grand Queendom 4/23/23)
 ひめか実質の引退試合はパートナーの舞華と。

 ゴングがなるなり、リングだけでなく場外でもぶつかり合います。
 昨年成功事例があるので、
 自信を持って自分のプロレスに特化出来ていますね。

 ひめかが最後を楽しむ様子も伝わってきますし、
 観客との一体感は素晴らしいものがありました。

 昨年の一戦に比べると質自体はちょっと見劣りしますが、
 その分感情面で上回る所がありトントンといった所か。

 ぎりぎり好勝負。

Bアーティスト・オブ・スターダム王座戦:プロミネンス(柊くるみ、世羅りさ、鈴季すず)(ch)vs.リスタート(KAIRI、なつぽい、安納サオリ)(All-Star Grand Queendom 4/23/23)
 プロミネンスが奇襲乱闘に持ち込み、KAIRIに竹刀攻撃。
 双方緊張感を持って相対していて
 対抗戦らしい良さが出ていますね。
 それぞれキャラも立っています。

 安納は6年ぶりの参戦の割には
 個で強調されることはなく、
 前半はなつぽいとのタッグでスポットを当てられていますが、
 同期とあって完成度の高いタッグ・ワークを見せていましたね。

 クライマックスは安納とすずとのシングル。
 シングル感が強すぎて、セコンドのお膳立てがあることを明示したいものの
 その攻防自体は見応えがありました。

 ぎりぎり好勝負。

Cワンダー・オブ・スターダム王座戦:上谷沙弥(ch)vs.白川未奈(All-Star Grand Queendom 4/23/23)
 白川は間の取り方よく大きく見えますね。

 足攻めも良く、挑戦者として格下に見えるかと思いきや
 全然そうではなくて運命のリマッチに値する絵姿です。

 形を作りつつも織り交ぜるハード・ヒットが
 前回の試合で上谷の一撃で白川が負傷した因縁を思い起こさせます。

 陰鬱ではないが、思い入れのこもった一戦は
 上谷のダメージ表現にギアを入れ、
 その上で迎えるフェニックス・スプラッシュを放つか上谷が迷うシーン。

 白川の厳しさ増す足攻めも交えて狙い通りのドラマを提供しましたね。
 そしてそのフェニックス・スプラッシュを悩みつつ放ち決まるも
 まさかのカウント2.99999。
 このぎりぎりの返しで爆発的盛り上がり。

 上谷の悲痛なまでの表現を経て、
 最後は白川が必殺技を二発目打って〆。
 上谷の長期政権を崩し時代を動かす瞬間を
 堂々たる姿で作り上げたのも素晴らしかったです。

 ぎりぎり名勝負。

Dノックアウト・オア・サブミッション・オンリー・マッチ:朱里vs.橋本千紘(All-Star Grand Queendom 4/23/23)
 橋本はパワー、俊敏さ両立させられていて
 トータル・パッケージの怪物。
 ここまでパワフルだと只攻めを続けるだけでも
 ノックアウトに繋がるのではないか、と感じてしまうレベル。

 朱里もカウンター・サブミッションにいつもより寄せて
 このルールにしただけある雰囲気を作り上げていますね。

 朱里のバックグラウンドを考慮すると
 少しプロレスに寄せ過ぎているのが勿体ない気がして
 コンセプチュアルに寄せたものも見たいな、という気持ちもありますが、
 このカードならではの唯一無二の内容でした。

 文句なしに好勝負。

EIWGP女性王座戦:メルセデス・モネ(ch)vs.岩谷麻優(All-Star Grand Queendom 4/23/23)
 岩谷が火花を散らし速攻。
 場外でアーム・ロックも表現として良いですね。

 モネも対抗し大技で一進一退。
 前半は簡素にショート・カットされていますが、
 綺麗にバランス取りは出来ています。

 モネの焦りの展開表現はちゃんとしていますが、
 試合時間をかけていないことで見ている側とのズレは感じてしまいますね。
 それほどまでにカードが良すぎて期待してしまうのもあります。

 長尺で見たかった…。

 中々良い試合。

Fワールド・オブ・スターダム王座戦:ジュリア(ch)vs.中野たむ(All-Star Grand Queendom 4/23/23)
 ジュリアが張り手を打ち込み、ボディ・スラムのカウンターにノーザンライト・ボム。
 感情的なストーリー・ラインの布石を序盤から散りばめます。

 打撃は容赦なく顔面に打ち込まれハードでしたね。

 早々に織り込んだテーブルを仕掛けを機に
 たむが表情を見せるようになりメリハリ、移入感を増し増す。

 中盤の構成において流れ作りが比較的大雑把で
 スポット数に寄るジュリアの傾向が出ていますが、
 そこはたむが試合のステージに合わせた移入感の調整でフォロー。

 そしてたむが表に出してきた感情に対して、
 全開にさせず抑揚をつけるジュリアも
 この領域展開をよく分かった応対でお見事。

 最後はしっかり総力戦で王座戦らしい厚みのある攻防でフィニッシュです。

 文句なしに好勝負。
 (執筆日:4/?/23)

Rating:★★★★★