TOP女子プロレスSTARDOM →STARDOM:Best of STARDOM 2022 part.2

STARDOM:Best of STARDOM 2022 part.2の分析


名勝負 なし
好勝負 岩谷麻優、KAIRI vs.中野たむ、ウナギ・サヤカ(3/26/22)

ワールド・オブ・スターダム王座戦:朱里(ch)vs.ジュリア(3/26/22)

@岩谷麻優、KAIRI vs.中野たむ、ウナギ・サヤカ(3/26/22)
 KAIRIがスターダム復帰。

 ウナギとの心理戦の堂としたやり取りは見事ですね。

 岩谷との連携も良好で、アジャストなんて必要なさそう。
 最高に面白くなっているこのSTARDOMで
 シングルでもタッグでも即戦略として活動できそうですね。

 情念の鬼、中野との見つめ合いからのエルボー合戦も
 お互いの投げかけ合う言葉の意味性だけでおなか一杯。

 取り合えずvs.ウナギ、vs.中野が今から楽しみです。

 ウナギはKAIRI復帰の為にかませ犬の役回りですが、
 その中でも良さが出ていて今後の成長が本当に楽しみです。

 KAIRIの見事なインセイン・エルボーで充実したお祭り試合を〆。
 
 今後の可能性しかない試合でした。

 ぎりぎり好勝負。 

Aワンダー・オブ・スターダム王座戦:上谷沙弥(ch)vs.林下詩美(3/26/22)
 上谷は林下に0-3で1回も勝ったことがなく最大の試練。

 林下は上谷の定型を阻止してじっくりとした腰攻め。
 挑戦者ながら強者としてのファイトでシチュエーションを盛り立てます。

 上谷のダメージ表現も素晴らしいですね。
 反撃に転じれば技も頭部に的確に入れるので
 十分にひっくり返す可能性を感じさせます。

 後半に向けて盛り上げる為に上谷は動き回る必要がありますが、
 その余地を林下が首へのダメージ蓄積表現によって生んでいたのは上手かった。
 
 エプロンからのフランケンシュタイナー・スポットを経てクライマックス。

 試合時間は十分に取って激闘になっているものの
 林下が先日までワールド王者で戦績も上回っていることを考えると
 上谷勝利に導くに当たってもう一捻りだけ欲しかったが素晴らしい試合です。
 
 好勝負に少し届かず。

Bワールド・オブ・スターダム王座戦:朱里(ch)vs.ジュリア(3/26/22)
 ジュリアはコスチュームも編み込み髪も赤く染めてこの一戦に。
 
 場外でグラウンドしたりしてプライベート感を出しつつ
 朱里の蹴りを鉄柱に誤爆させるなど構築のポイントもちゃんと作る序盤。

 その2つは単体だと相反することもありますが、
 一つ一つのアクションを繋げて両立させることが出来ています。

 ジュリアがテーブルでのパイル・ドライバー。
 朱里もアクリル板で殴ったりと印象的なスポットを中盤に詰め込みます。
 点にならずパートナー対決である2人の関係性を緊密に描いたのは見事。

 一方で一歩も引かずにすぐ反撃する一進一退なので、技が先行しがちな所はある。
 終盤への切り替えで打撃と間、表情で魅せるシーンを入れ込んだのは素晴らしかったが、
 それをその後にももう少し混ぜて欲しかったか。

 文句なしに好勝負。

Cワンダー・オブ・スターダム王座戦:上谷沙弥(ch)vs.中野たむ(3/27/22)
 ブリッジ活かした切り返し合いからたむがエプロンDDT。
 一方で感情的打撃も見せますが、
 昨年末一度頂点に達しているが故にバランス取りの難しさを感じさせますね。

 上谷がハイ・フライを活かしながら腰攻めで
 たむを追い込みますが、それが王者然としたものかというと弱いし、
 たむの方も受け表現として挑戦者に落ちた悔しさ、までは見えません。

 結局、場外への雪崩式フランケンシュタイナーや
 会場入り口上からのビッグ・ダイブなど
 派手な点のスポットだけが目立ち、
 2戦目は1戦目を超えられないジンクスから抜けられず。

 終盤の攻防は良かったのですが、
 フィニッシャーは抑え込みの選択自体は悪くないですが、
 腰の痛みを理由にしても余りに絵になっていない感がある。

 この終わり方が3戦目を予期しているならば
 次は上谷が防衛ロードを重ねて
 たむが怨念をぶつけてきても王者然と跳ね返す姿を見たい。

 中々良い試合。

Dワールド・オブ・スターダム王座戦:朱里(ch)vs.岩谷麻優(3/27/22)
 軽めに展開する中で岩谷が一歩先んじる形で一進一退。

 攻め手を散らしているものの昨日の朱里vs.ジュリア程の関係はないので、
 一進一退だけでフックをかけるのには弱いですね。

 均衡する中で岩谷のモードにも入らないし、
 朱里も淡々とした試合運びになってしまっています。

 後半折り返していく中で岩谷が自らの技もあって膝にダメージ蓄積。
 この悲壮感溢れる情感は相変わらず見事ですね。

 朱里も容赦ないサブミッションを見せ、
 ここに来て両者のカラーが噛み合った本当の攻防に入っていきます。

 ただそこに至るのが遅く、
 30分という試合時間制限が迫っているので、
 朱里vs.岩谷の個の攻防だけに浸れず、
 時間との戦いも前面に出ることに。
 それはそれでスリリングでしたが、今回はやや余計な要素でしたね。

 スターダムの各レスラーはこの1、2年で価値が非常に上がって、
 レスラーとしても究極的に出来ることが増えている中で、
 30分という試合時間設定が壁になりつつありますね。

 基本的にはそれもちゃんとブックに活かして
 時間無制限の再戦とかやっているので良いですが、
 一方では各レスラーも20分前半で完全燃焼する方法を見つけるのも今後の課題でしょうか。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:3/?/22)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@岩谷麻優、KAIRI vs.中野たむ、ウナギ・サヤカ(3/26/22)
Aワンダー・オブ・スターダム王座戦:上谷沙弥(ch)vs.林下詩美(3/26/22)
Bワールド・オブ・スターダム王座戦:朱里(ch)vs.ジュリア(3/26/22)
Cワンダー・オブ・スターダム王座戦:上谷沙弥(ch)vs.中野たむ(3/27/22)
Dワールド・オブ・スターダム王座戦:朱里(ch)vs.岩谷麻優(3/27/22)