TOP女子プロレスSTARDOM →STARDOM:Best of STARDOM 2022 part.10

STARDOM:Best of STARDOM 2022 part.10の分析


名勝負 なし
好勝負 IWGP女性王座トーナメント準決勝:岩谷麻優vs.林下詩美(10/23/22)

ワンダー・オブ・スターダム王座戦:上谷沙弥(ch)vs.白川未奈(11/3/22)

ワールド・オブ・スターダム王座戦:朱里(ch)vs.舞華(11/3/22)

ワンダー・オブ・スターダム王座戦:上谷沙耶(ch)vs.KAIRI(11/19/22)

@IWGP女性王座トーナメント準決勝:岩谷麻優vs.林下詩美(10/23/22)
 技の過激度も試合時間も重要な要素ながら
 好勝負はそれありきでないことが改めて分かる試合でしたね。

 オーソドックスな技をスケール感ある使い方をして
 ダメージ表現から感情の起伏、観客との一体感を上手く作り出しています。

 15分以内に収めつつ死闘感あり、両者の表現力が光りました。

 ぎりぎり好勝負。

Aワンダー・オブ・スターダム王座戦:上谷沙弥(ch)vs.白川未奈(11/3/22)
 白川は序盤こそ攻防の逡巡を見せてしまいますが、
 そこは上谷が隙として見逃さずフォロー。
 定番となった脚攻めに移ると落ち着きを取り戻します。

 技を決める時の緩急のつけ方が出来ていて
 大舞台映えするレスラーになりつつありますね。
 また脚攻めの徹底さが自分に足りないものを埋めていて執念も出ています。

 上谷も格下の相手に対して
 上手くバランス感を保っていて
 王者になってからの安定感は本当にお見事です。

 やや当たり自体は濃淡ありますが、
 白川の打撃は切れ味良く終盤も見応えあり。

 最後のフェニックスプラッシュが2発とも不完全で危険な当たり方をして
 上谷には不安を感じる締めくくり。

 これに対して白川も2発目とはいえ不完全だからと肩を上げたことは
 まだまだガムシャラで目の前しか見えていない感がありますが責めることは出来ないですね。

 結果的に負傷にもなったフィニッシュですが、
 白川のキャリア・ベストの内容だったことに間違いはなく、
 この因縁をリマッチに繋げて白川は是非ステップ・アップしていって欲しいですね。

 ぎりぎり好勝負。

Bワールド・オブ・スターダム王座戦:朱里(ch)vs.舞華(11/3/22)
 それぞれ深追いしない序盤で
 緊張感、静かな闘志を表現しました。

 中盤も舞華の一つ一つの重みのある技を基軸に構築。
 朱里も舞華に合わせて雰囲気を一致させて攻防。
 
 一発一発の繋がりも起伏が出来て、
 終盤になれば会見シーンでも行った
 両手を掴んでヘッド・バットの同時打ち合い。
 迫力がありましたね。

 クライマックスの崩れ落ちる表現も良く死闘をまとめあげました。

 vs.朱里ではひめかに後れを取っていた舞華ですが、
 王座戦として胸を張れる内容に仕上げました。

 ぎりぎり好勝負。

Cひめか、舞華vs.MIRAI、壮麗亜美vs.AZM、林下詩美(11/6/22)
 巴でショルダー・タックルを打ち合ったり、
 目まぐるしく入り混じったり、
 有機的につながる3ウェイになっています。

 日本はどうしても3ウェイのアイディアが劣る傾向にある中で、
 ここまでの発想が出来るかと感心した内容でしたね。

 それぞれせめぎ合っていて15分時間切れが必然の内容。
 結果とプロセスが一致していると心地よいですね。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

Dワンダー・オブ・スターダム王座戦:上谷沙耶(ch)vs.KAIRI(11/19/22)
 まずは見得を効かせながら演舞。

 上谷が腕に狙いをつけます。
 これに対しKAIRIはリアクションの動きを抑えめにした受け表現。
 椅子をキャッチさせてドロップ・キックなど
 アメプロらしいタッチを見せましたね。

 KAIRIは主導権を握り返すと腹攻め。
 ハード・ヒットも混ぜ展開としては落ち着きつつも強度を保ちました。

 エプロンや花道スポットを経て狙い通りの一進一退。

 KAIRIのキャリアを上回る強さが見えつつ
 上谷も攻められっぱなしではない所に気概を見出させます。

 ただクライマックスは定番の形への落とし込みで少し丸くまとめ過ぎた印象。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:11/?/22)