TOP女子プロレスSTARDOM →STARDOM:Best of STARDOM 2021 part.2

STARDOM:Best of STARDOM 2021 part.2の分析


名勝負 ワールド・オブ・スターダム王座戦:林下詩美(ch)vs.朱里(6/12/21)
好勝負 ゴッデス・オブ・スターダム王座戦:ジュリア、朱里(ch)vs.AZM、渡辺桃(5/2/21)

ワンダー・オブ・スターダム王座戦:中野たむ(ch)vs.上谷沙弥(7/4/21)

@ゴッデス・オブ・スターダム王座戦:ジュリア、朱里(ch)vs.AZM、渡辺桃(5/2/21)
 朱里は譲らない一線の見極めが良く、
 あずみ柔軟なファイトが光りました。

 ジュリアは得意のラフ要素で煽りつつ
 我を押し出し過ぎずタッグ要素も意識しています。

 桃もハード・ヒット良好。
 ジュリアと同じくシングル、タッグ両面で貢献していました。

 目玉になると思っていたジュリアvs.桃は若干のズレありましたが、
 それにも増してジュリアvs.AZMが上手く行っていたのは収穫。

 20分の試合時間すべてにおいて見応えがあった試合です。

 ぎりぎり好勝負。

Aゴッデス・オブ・スターダム王座戦:ジュリア、朱里(ch)vs.岩谷麻友、スターライト・キッド(5/15/21)
 サブミッションをかけている際にカットされないように
 セコンドが相手セコンドを攻撃する等
 タッグとして火花を散らして雰囲気感を高めましたね。

 後半はジュリアとスターライト・キッドのシングルを主軸に。
 スターライト・キッドの奮闘が光る見応えのある攻防で、
 予断を抜きにすればマイナスの点はないのですが、
 岩谷とジュリアの方が見たかった、という気持ちはありましたね。
 
 この後2人のシングルも組まれるので、今ではない、という判断なのでしょうけれども。

 ジュリアvs.スターライト・キッドを目玉にするにしても
 もう少し柔軟に色々な組み合わせの攻防を見せて欲しかった。

 中々良い試合。

Bジュリアvs.岩谷麻優(5/23/21)
 細かなジュリアの攻めにも
 丁寧に岩谷は受けいます。
 
 相手のスポットの大小に依存しないので、
 大大会ではない試合展開でもクオリティは高くなります。

 双方良い形で観客を盛り上げ、一体となって試合を運び、
 みなしもが分かっている試合時間制限15分の中での帰結に向かって
 適切な一進一退を繰り広げました。

 中々良い試合。
 
Cワールド・オブ・スターダム王座戦:林下詩美(ch)vs.朱里(6/12/21)
 朱里のグラウンドの感覚はMMAで研ぎ澄まされただけあって
 その間合い、かけている際の緊張感、所作が素晴らしい。

 林下はその領域で真っ直ぐ攻め返せる訳ではないですが、
 どっしり構えるレスラーなので
 そういう攻めを受けてこそ際立つところも多い。

 相手の見せ場を受け止めつつ自分の魅力を主張。
 非常にバランスの良い鬩ぎ合いになっています。

 林下がエプロンへのニー・クラッシャーから巧みな脚攻め。

 対する朱里も試合運びが良かったですね。
 サブミッションが効果的に使われており、
 いつもより投打締の位置づけが機能的でメリハリが利いていました。

 時間の感覚を忘れるようなフロー感がありました。

 20分経過した所で朱里がエプロンから蹴りを放つもかわされ場外マットに落下。
 林下が追撃する訳ですが、その一発で終わらず。

 両者場外のままエネルギッシュで、
 一方でその痛みに悲壮感を漂わせる攻防を続けます。
 通常ならざるシーンが終わってリングに戻ってみれば25分経過のアナウンス。
 長いと感じさせない5分間でしたね。

 この究極の攻防にフィニッシュが近いことを感じさせつつも
 30分1本勝負であるが故に時間切れという可能性も見せ、
 最高に観るものを揺さぶってきました。

 両者の長く鮮やかな髪が振り乱れた張り手の打ち合いは絵になっていましたね。
 様式美を極めて30分時間切れ。

 そして両者のマイク・アピールを挟んでサドンデス突入。

 林下は戴冠以来プロレスの型を使ってクールな王者像を作り上げてきましたが、
 この日はクールさを脱ぎ捨て情感たっぷりに愚直に前を向いて
 圧倒的な覚悟量で壮絶な試合に仕上げています。

 それは三沢らが一線を越えて四天王プロレスという別物に変化した時のようで、
 全女が女子プロを既の存枠組みを破壊して命の灯を燃やした時のようです。

 スターダムがここ数年女子プロのリーディング・カンパニーであることは間違いありませんでしたが、
 今年の髪切りマッチといい再び男性/女性の垣根を越えて
 プロレス・ジャンルのトップに食い込もうとするムーブメントを感じさせます。

 ぎりぎり名勝負。

Dワンダー・オブ・スターダム王座戦:中野たむ(ch)vs.上谷沙弥(7/4/21)
 上谷の身体能力を活かしたムーブは終盤以外余り機能していません。
 
 この試合ではむしろ師匠のたむの領域に踏み込んでいきましたね。

 スピン・キック一つに場外避難する程のダメージ表現。
 重々しい痛みの伝わる試合を目指します。

 たむの猛烈なかわいがりが光りますが、
 上谷も気持ちを前面に出してハードにエルボーを打ち合って、張り手を打ち合い。

 特別な試合という気持ちが伝わってきましたね。

 非凡な表現性、気の強さを見せた一方で、
 冒頭の通り上谷の個性を活かしきれていない、打撃戦に寄せ過ぎた尖がった試合なのも事実。

 ただ、これが全女から脈々と受け継がれる女子プロですからね。

 手をつなぎながらのエルボー合戦の耽美な世界は、
 男性プロレスには中々出せないものでしょう。

 商品としてのレスラーの前に個人のそれぞれの思い入れが形になった素晴らしい試合でした。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:6/?/20)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@ゴッデス・オブ・スターダム王座戦:ジュリア、朱里(ch)vs.AZM、渡辺桃(5/2/21)
Aゴッデス・オブ・スターダム王座戦:ジュリア、朱里(ch)vs.岩谷麻友、スターライト・キッド(5/15/21)
Bジュリアvs.岩谷麻優(15分時間切れ)(5/23/21)
Cワールド・オブ・スターダム王座戦:林下詩美(ch)vs.朱里(30分時間切れ→ダブルKO)(6/12/21)
Dワンダー・オブ・スターダム王座戦:中野たむ(ch)vs.上谷沙弥(7/4/21)