仙台ガールズ:FLASHトーナメント 10/27/11の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なし |
以下8団体が参加して行われた団体対抗トーナメント。
・老舗団体 JWP
・コミカルワールド WAVE
・リボンの騎士 Ice Ribbon
・注目度No.1 STARDOM
・攻撃型チーム REINA
・本物のプロレス Diana
・特別チーム フリー
・社の都の戦士 Sendai
1回戦は10マン・タッグ、準決勝はトリオ、決勝はタッグで行われる特殊な形を取っています。
@1回戦:チームWAVE(GAMI、植松寿絵、桜花由美、渋谷シュウ、春日萌花)vs.チームJWP(コマンド・ボリショイ、春山香代子、米山香織、LEON、中森華子)
いきなり乱戦を始めダイブ連発で幕開け。
ディーバと違って体重があるので重みがあるけれども特別優れた事をしているかというと否。
WAVEは余裕を見せようとしているが、
不明瞭でそれは不真面目に見えなくもない。
スポットの配置は余り試合の展開と関係ありません。
終盤も春山がたいした事ないためにGAMIとの攻防が大将対決足りえず
只の色分けのない打ち合いに終始しています。
結局良くも悪くもオープニングとして盛り上げる試合でしかなかったですね。
10人タッグだから難しいのは分かりますけど・・・。
個人で目を引いたのは桜花ですね。
勢いがフィットしたムーブにアピールの意識。
ビッグ・ブーツばかり打っていたので
シングルになると幅の狭さがネックになる選手なのかもしれませんが
どちらにせよこの試合において一番輝いていました。
平均より少し上。
A1回戦;チーム仙女(里村明衣子、DASHサチコ、仙台幸子、花月、杜野都)vs.チームIce Ribbon(さくらえみ、志田光、みなみ飛香、つくし、藤本つかさ)
こちらも速攻からさくらのフェニックス・スプラッシュ炸裂と
開始時に仕掛けを施してきました。
女子の伝統、権利ルールの軽視に支えられているものの
アイス・リボン勢は5人同時参加技などを駆使して
粗さを抱えつつテンポを落とさないラッシュを見せています。
それは硬派な仙女と特に違和感なく交わっています。
さくらを師匠として一丸となったチーム・スタイルは
王道でありつつもかなりユニークな形で実現されていました。
最後は駄目な部分が負ける原因となったように見える形でフィニッシュし、
非常に納得のいく読後感を与えてくれます。
この試合で目を引いたのは花月。
冷静な試合運びとハードな打撃を両立しており大器の片鱗を見せていました。
平均的な良試合。
B1回戦:チームSTARDOM(夏樹☆たいよう、世IV虎、美闘陽子、岩谷麻優、鹿島沙希)vs.チームREINA(堀田祐美子、上林愛貴、セウシス、石橋葵、ラ・コマンダンテ)
STARDOMは新人が多く、仮装を認めない堀田が相手では勝負になりません。
好不調の波がないスピードを武器とする夏樹が
コマンダンテなどとルチャの攻防を行ってベース・ラインを何とか引き、
ここぞで勝負論に反しない程度に連携を織り交ぜているので
救いようがない試合ではないが、
基本的に多彩なビジュアルの面子が一堂に揃っている事が面白さを生んでいる試合。
悪くない試合。
C1回戦:チーム・フリーランス(ジャガー横田、豊田真奈美、広田さくら、紫雷美央、ナンシーまり)vs.チームDIANA(井上京子、伊藤薫、青野敬子、アニー・ソーシャル、ジェニー・ローズ)
仙女入団を目論む広田は面白いコメディを見せていますが・・・
他のフリーランスは只の顔見せで、
豊田x井上も衰えばかり感じさせる。
一方の伊藤は衰え云々の前に太り過ぎでお相撲さんみたいになっています。
この伊藤に加えて、アニーら下手な選手を揃えていながら
DIANAは他と違ってトレーニング環境があるとアピールするのだから笑えるジョークです。
ファン・マッチでトーナメントの試合ではありません。
悪くない試合。
D準決勝:チームJWP(春山香代子、倉垣翼、川佐ナナ)vs.チーム仙女(里村明衣子、悲恋、水波稜)
JWPは倉垣を入れパワー仕様の編成にしてきました。
しかし引かずにぶつかってくる仙女相手では
只のんべんだらりと時間を過ごすだけでは設定を作れません。
意識して自分の力を見せつけ、手数も絞らなければいけないのに全然出来ていません。
川佐も考えて試合を行っていませんが、
弱いのに仙女に立ち向かっていく分
その姿に少し心動かされる部分がありマシです。
トリオになった事でJWPの能力の無さがより一層目立った内容。
ひどい試合です。
E準決勝:チームDIANA(井上京子、青野敬子、Sareee)vs.チームSTARDOM(高橋奈苗、夏樹☆たいよう、美闘陽子)
これまでの試合と比べて落ち着いた内容。
それ故誤魔化しが利かない。
サリーと美闘の絡みは気持ちが乗っているが、
美闘は試合が進むにつれ拙さが現れ同じ低いレベルの青野相手で見れる程度まで印象が落ち込む。
京子は顔だけ見せに来たフリーランスと変わらない仕事でいまいち。
夏樹は様々な変化を試合に起こしていて鉄板。
高橋はポテンシャルこそ感じさせるが
相手に合わせて限界まで出せきれていない印象をこの試合でも抱く。
生まれてくる時代を間違えたよなぁ。
若手をプッシュし、当然の結果としてクオリティが落ちた。
悪くない試合。
F決勝:チーム仙女(里村芽衣子、花月)vs.チームSTARDOM(高橋奈苗、世IV虎)
攻めvs.攻めの方が熱が伝わりやすいものです。
その土俵において新人ながら度胸はある世IV虎を組み込んできたのは面白いギャンブル。
がむしゃらにぶつかってきさえすれば
対応しながらいなせる能力が仙女にはあるという自信でしょうか。
実際仙女は上手くやっていて、
高橋が里村というリミッターを外せる相手を得ているにも関わらず
その絡みを完全に中心に据えなくても試合は大いに観客を惹きつけています。
それだけでなく世IV虎が予測できた気持ちの強さだけでなく、
ここでやらなければいけないと要所に対する鋭い嗅覚を見せ、
能力面でのポテンシャルを感じさせたため驚きも持って試合は盛り上がりました。
決勝にふさわしい団体が勝ち上がり、
決勝にふさわしい内容になった、と断言出来る。
理想的な決勝でした。
好勝負に少し届かず。
総評
今年日本の女子プロレス・ベストの試合をしたOZ academyからの参戦がなかったのは残念ですが
実質オールスターの顔ぶれでそれぞれの団体のカラー、ベテラン/新人の状況が一発で分かる内容となっています。
試合の質は幅がありますがAとFが良い試合なので大会としては締まっている。
良質な大会。
DVD Rating:★★★☆☆
注目試合の詳細
なし試合結果
@1回戦:チームWAVE(GAMI、植松寿絵、桜花由美、渋谷シュウ、春日萌花)vs.チームJWP(コマンド・ボリショイ、春山香代子、米山香織、LEON、中森華子)A1回戦:チーム仙女(里村明衣子、DASHサチコ、仙台幸子、花月、杜野都)vs.チームIce Ribbon(さくらえみ、志田光、みなみ飛香、つくし、藤本つかさ)
B1回戦:チームSTARDOM(夏樹☆たいよう、世IV虎、美闘陽子、岩谷麻優、鹿島沙希)vs.チームREINA(堀田祐美子、上林愛貴、セウシス、石橋葵、ラ・コマンダンテ)
C1回戦:チーム・フリーランス(ジャガー横田、豊田真奈美、広田さくら、紫雷美央、ナンシーまり)vs.チームDIANA(井上京子、伊藤薫、青野敬子、アニー・ソーシャル、ジェニー・ローズ)
D準決勝:チームJWP(春山香代子、倉垣翼、川佐ナナ)vs.チーム仙女(里村明衣子、悲恋、水波稜)
E準決勝:チームDIANA(井上京子、青野敬子、Sareee)vs.チームSTARDOM(高橋奈苗、夏樹☆たいよう、美闘陽子)
F決勝:チーム仙女(里村芽衣子、花月)(優勝!)vs.チームSTARDOM(高橋奈苗、世IV虎)