TOP女子プロレスその他 →東京女子プロレス:Best of TJPW 2023

東京女子プロレス:Best of TJPW 2023の分析


名勝負 なし
好勝負 プリンセス・オブ・プリンセス王座戦:坂崎ユカ(ch)vs.山下実優(1/4/23)

MHトーナメント決勝:中島翔子、ハイパー・ミサヲvs.伊藤麻希、山下実優(2/11/23)

インターナショナル・プリンセス王座戦:渡辺未詩(ch)vs.辰巳リカ(3/18/23)

@プリンセス・オブ・プリンセス王座戦:坂崎ユカ(ch)vs.山下実優(1/4/23)
 敢えて表情に出さないことによる怖さ、真剣味の演出を分かっていますね。

 場外投げなどハードなスポットも当たり前に織り交ぜながら展開。

 構図だけでなくサブミッションの締め具合といい
 全般的な強度が素晴らしいですね。

 緩急の強弱を自分でコントロール下において
 それが双方ちゃんと同じレベルで認識しながら試合を進めることが出来ています。

 そういう上手さで成り立った上で、強烈に迫力のある打撃戦という凄さが加わる。
 KOという見せ方も混ざって深みのある攻防でしたね。

 見る前から期待値高かったもののそれをしっかり超えてきました。

 文句なしに好勝負。

AMHトーナメント準決勝:中島翔子、ハイパー・ミサヲvs.渡辺未詩、辰巳リカ(1/29/23)
 中島が足を痛めたかアクシデント的に孤立。

 しかし適切に帳尻合わせつつ、
 クオリティを軌道をのせましたね。

 中島の足の影響がまだ残りつつも
 その中で上手く攻防こなして演出。

 最後の帰結までの流れは素晴らしかった。

 好勝負に少し届かず。

Bプリンス・オブ・ザ・ディケイド決勝:中島翔子vs.辰巳リカ(1/30/23)
 10年目を記念した無観客トーナメントでリングなし。
 
 握手したと同時に蹴りを入れ激しいエルボー合戦。
 5分という時間制限があるので得意技でラッシュをかけていきます。
 その中にも上手さ光りましたね。
 
 時間切れでワン・カウント・マッチでサドンデス。
 ルールの妙を見れましたが、もう少し時間をかけて見たかった。
 ただ5分試合のサドンデスという位置づけ考えるとこうならざるを得ないか。

 中々良い試合。

CMHトーナメント決勝:中島翔子、ハイパー・ミサヲvs.伊藤麻希、山下実優(2/11/23)
 伊藤のヘッド・バットのお膳立てを山下がしたりと
 伊藤、山下組はトップ・スター・タッグながらエンタメも出来るのが強いですね。
 伊藤はギミック性を上手く活かしています。

 中島、ミサヲは伊藤を孤立させると腕狙い。
 ミサヲは決勝には力不足かと思っていましたが、
 必死に食らいついて頑張りが光りましたね。
 途中マスクが取れますがドラマチックに映りました。
 中島とのパワー・バランスも凸凹できっちりはまっています。

 決勝にふさわしい全員が輝く激闘。
 ミサヲが輝いていたので、最後もう少しミサヲの場面欲しいな、というぐらい。
 TJPWの歴史の中でもトップ・クラスのタッグ。
 これを決勝という舞台で意図的に生み出せる。
 ここまで来たか、とレスラー・団体の成熟を感じますね。

 文句なしに好勝負。

Dインターナショナル・プリンセス王座戦:渡辺未詩(ch)vs.辰巳リカ(3/18/23)
 明るさ調整して雰囲気合わせつつ
 渡辺が足痛める伏線を引いて、と細かな上手さも光ります。

 時間を埋める中盤も看板攻撃が出てきて特別感あり。

 渡辺の間の使い方が上手く足の痛み含めて余韻に浸らされます。
 ジャイアント・スイングの失敗の見せ方も見事でしたね。

 渡辺のデフォルメしつつ迫真の顔芸はまさに歌舞伎。
 彼女もまた海外での試合を見たい逸材です。

 最後のフェイス・ロック地獄の決め方も印象的で、
 トップ・マッチにランクされる内容でした。

 文句なしに好勝負。

 (執筆日:12/?/23)