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東京女子プロレス:Best of TJPW 2023 part.3の分析


名勝負 プリンセス・オブ・プリンセス王座戦:瑞希(ch)vs.山下実優(10/9/23)

3本勝負:坂崎ユカ、瑞希、山下実優、辰巳リカ、中島祥子vs.遠藤有栖、鈴芽、渡辺美優、宮本もか、荒井優希(12/1/23)
好勝負 なし

@プリンセス・オブ・プリンセス王座戦:瑞希(ch)vs.山下実優(10/9/23)
 タイミングが合わなくても適当な取り繕いをせず、
 向き合う所にこそ凄みが出ますね。

 山下が場外でマットにない所にAA。
 初対決の時の決着となった決め手を混ぜた展開はにくい。

 山下の打撃の硬質感、瑞希のアンダードッグ性。
 瑞希は受けつつも風格を持たせた試合運びも見せます。

 想像を裏切らずとも魅せれる強みのあるアクション。
 技の適正配置で盛り上げていきます。

 まっこうから打撃を受けるシーンが印象的。
 交互に耐える定型とは違う形でやることで
 二人の関係性を情感たっぷりに語りました。

 強引さも混ざって激闘感ある攻防でしたね。

 団体の歴史に残る一戦。
 ぎりぎり名勝負。

A赤井沙希23対1ハンディキャップ・マッチ(11/3/23)
 赤井沙希TJPWラスト・マッチ。
 その後のスキットで辰巳がまだ試合をしていない人もいる、といって特別試合に。

 儀式的な試合ではありますが、
 23人ダラダラとするのではなく
 一部はコーナーへの連続攻撃だけとし、
 5分の試合時間の中での流れを意識して順番を決めていたのは良かったですね。

 最後のオチ含めて完成されていて、思い入れなくても楽しめるという意味ではこの手の形式の中ではレアですね。
 
 まあまあ良い試合。

B坂崎ユカ、瑞希、ハイパーミサヲvs.山下実優、乃蒼ヒカリ、愛野ユキ(11/23/23)
 山下がキュート・コスで登場したり
 花火が多用されたりしていますが、
 そういった特殊スポットが単なるネタに終わらず、
 戦いの攻防上も意味があるし、
 構成上も適切なポイントに配置されているのが素晴らしかったですね。

 コミカルな楽しさの裏に実力も感じられる試合でした。
 
 花火の他にトラック・ダイブもあり、サービス満点でした。

 好勝負に少し届かず。

C3本勝負:坂崎ユカ、瑞希、山下実優、辰巳リカ、中島祥子vs.遠藤有栖、鈴芽、渡辺美優、宮本もか、荒井優希(12/1/23)
 10人もいるのでノン・ストップでアクション。
 思わぬ早目のタイミングで遠藤が中島を丸め込んで一本。

 これにより単なるお祭り試合ではないことを意思表示。
 
 世代対決としての張り合いで質の高い攻防を見せます。
 ダメージ感の重みも参加者全員協調できています。

 連携技を織り交ぜていき加速。
 全員サブミッションの絵を作ったりしながら
 最後は卒業が決まっている坂崎が宮本との本格的一騎打ちの攻防で魅せました。

 3本目も2本目終盤の質感を引き継ぎます。
 山下が現在のトップ王者、主人公として主張したりと
 過去/現在/未来を入り混じらせた素晴らしい試合でした。

 ぎりぎり名勝負。

D坂崎ユカvs.山下実優vs.中島祥子(12/6/23)
 山下と坂崎が中嶋に蹴りでサンドイッチしようとして相打ちになる等
 ほんわかしたシーンも混ぜながら楽しませます。

 3ウェイ要素もスピードで圧するよりも
 坂崎の最後の試合として一つ一つ噛みしめながら
 一体感を持って進めていく形です。

 一つ一つの切り返し合いのクオリティは確かで
 前の攻防とのつながりもあります。

 2と1、1と1と1の組み合わせも素晴らしい。
 
 とはいえ3人目が入らない変な時間帯もあり、
 ラスト・マッチで許容させるにはあまりに不自然か。

 好勝負に少し届かず。

 試合後、坂崎は瑞希とも3分限定で最後の交錯を行い別れを告げました。

 (執筆日:12/?/23)