東京女子プロレス:Best of TJPW 2022の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | プリンセス・オブ・プリンセス王座戦:山下美優(ch)vs.瑞希(1/4/22) プリンセス・タッグ王座戦:マジカル・シュガー・ラビッツ(坂崎ユカ、瑞希)(ch)vs.白昼夢(辰巳リカ、渡辺未詩)(3/19/22) プリンセス・オブ・プリンセス王座戦:山下実優(ch)vs.中島翔子(3/19/22) プリンセス・タッグ王座戦:マジカル・シュガー・ラビット(瑞希、坂崎ユカ)(ch)vs.デイジー・モンキー(遠藤有栖、鈴芽)(4/9/22) 志田光、宮本もかvs.伊藤麻希、山下実優(5/3/22) |
@プリンセス・オブ・プリンセス王座戦:山下美優(ch)vs.瑞希(1/4/22)
瑞稀がまずは場外へのダイビング・クロス・ボディ。
エプロンの攻防から蹴り飛ばし鉄柱にぶつけます。
山下もエプロンでのAAにフライング・ニーの追撃。
正月大一番にふさわしい重々しい攻防を繰り広げましたね。
大枠はオーソドックスな流れながら
細かな部分、普通流れに身を任せるところを
コントロールしきって小さなワンアクション追加しているのは唸らされます。
山下のハード・ヒットの領域に瑞希も踏み込んで激戦に。
ぎりぎり好勝負。
Aプリンセス・タッグ王座戦:マジカル・シュガー・ラビッツ(坂崎ユカ、瑞希)(ch)vs.白昼夢(辰巳リカ、渡辺未詩)(3/19/22)
最初のタッグの動きは精度甘いものの
合体ムーブは魅力的なものを多数揃えています。
しかも物量ありきではなく
立体性、テンポ・コントロールが出来ていて、
ポイントでセコンドが関与して戦局が変わったり加速したりするのが良いですね。
これがタッグというものです。
一部どのような流れの遡上にあるかの認識が希薄になる瞬間もありますが、
終盤はタッグの鬩ぎ合いに加えてシングルの鬩ぎ合い、気持ちでも引っ張っていきました。
最後のラッシュの説得力は十分で見事な締めくくりでしたね。
文句なしに好勝負。
Bプリンセス・オブ・プリンセス王座戦:山下実優(ch)vs.中島翔子(3/19/22)
鋭い受け身で緊張感を生み出し雰囲気感を出します。
セミにできなかった出だしですね。
山下は中島のトペコンを蹴りで打ち落とす等厳しい攻めを見せますが、
ただ攻めとおすだけでなく上記の蹴りの後も
一人でリングに戻って待ち構えるなど
絶対王者としてのスタンス、表情を見せる表現としての領域に踏み込んでいるのが素晴らしい。
山下の覇道を行きます。
中島は敢えて自らを地に落として、
アンダードッグ性を纏ってさえドラマチックに試合運び。
山下の一撃性が後半も光ります。
実体としてのインパクトは大きく、見せ方も伴って
本当にトータル・パッケージです。
攻防をやり取りするプロセスも良好で激闘。
最後はあっさり目で中島が1素振り情感を入れて絵にしたかった所はあるが、
団体のMOTYに値する内容でした。
文句なしに好勝負。
Cプリンセス・タッグ王座戦:マジカル・シュガー・ラビット(瑞希、坂崎ユカ)(ch)vs.デイジー・モンキー(遠藤有栖、鈴芽)(4/9/22)
坂崎の王者然とした試合運び。
力強く壁として立ちふさがります。
対する鈴芽の頑張りが良かったですね。
緊密につかず離れず一進一退を繰り広げます。
タッグとしても軽快な連携技が十分な売りになっていましたね。
呼応するように瑞希、遠藤も良質な鬩ぎ合い。
マジラビが当代トップの完成度を見せつけるだけに留まらない内容。
ぎりぎり好勝負です。
D志田光、宮本もかvs.伊藤麻希、山下実優(5/3/22)
志田の参戦。
伊藤とのアメプロも解する二人のやり取りは
攻防だけでない魅力がありますね。
志田と山下の絡みも期待感抜群。
山下の日本式の強者の文脈に対し、
志田がAEW女性王者として構築論の合わせで張り合う対抗心は面白かった。
宮本はこの中では圧倒的に格下ですが
変に偽らずに格下という扱いの中で攻防を機能させています。
技含めてキャラ立っているので
アメプロ的には十分に価値があって
伊藤が良いキャリーをしていました。
激闘のレベルにはいきませんが、完成度高く満足いく内容で試合後の余韻も良かった。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:5/?/22)