東京女子プロレス:Best of TJPW 2021の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | プリンセス・カップ準決勝:伊藤麻希vs.瑞希(8/14/21) |
@プリンセス・カップ準決勝:中島翔子vs.渡辺未詩(8/14/21)
渡辺が初々しいが良い動きを見せます。
等身大の魅力を感じさせつつ、
レスラーとしての絵作りへの高い意識も見て取れます。
中島も渡辺に負担をかけない良い試合構築でした。
渡辺の身体能力の高さは他のレスラーと比べても
この準決勝という舞台を用意するに値する魅力がありますね。
特に終盤の怪力を活かした技に入る前段の繋ぎの動きは非常に印象的。
他にない程強烈にアピールできていたので、
最後中島が逆転にするにはムーブ数が不十分と感じる程でした。
試合の課題ではありましたが、これはある意味凄いですね。
好勝負に少し届かず。
Aプリンセス・カップ準決勝:伊藤麻希vs.瑞希(8/14/21)
伊藤が表情を切り替えながら試合運び。
印象的な技に対し、瑞希も移入度高い良質な受け表現。
そして受け手からのクイック等カウンターが冴えわたり攻防が加速していきます。
両者の攻守はまっていてお互いの魅力を引き上げる関係性は素晴らしいし、
テンポ感とハードさが両立された攻防は女子プロならではの魅力です。
瑞希の気迫が更に試合を押し上げつつ、
伊藤の石頭ギミックの技がそこに乖離させずに入り込みます。
今回の伊藤のリアリティの見せ方がまた良かったですね。
AEW参戦を経て一気に知名度を増しつつ、
ホームでは瑞希らに対して実績で劣っていた、
今の状況を踏まえたベストな試合内容、攻防作りだったかと思います。
エエモーショナルな一戦。
文句なしに好勝負です。
Bプリンセス・カップ決勝:中島翔子vs.伊藤麻希(8/15/21)
両者化学反応の道筋が見えていない状態でのスタートでしたが、
準決勝ではそれぞれ素晴らしい試合をやってのけたので、
その成功体験を基にしながらくみ上げていきましたね。
中島の攻めを伊藤がサポートする受け方をしたり、
中島が良い攻防のチェーンを引き出したりと
後半になるにつれ2人の形も生まれてきましたね。
終盤は伊藤がボストン・クラブ攻め。
本格派でメインを張る為の武器を見つけた感があり、
上手く使いこなして天丼で盛り上げています。
ただ最後まで準決勝の成功基盤の遡上から抜け出せず、
準決勝の枠組みを超えることは出来ませんでした。
十分な内容ながら準決勝を見た後では
後一歩上の内容を期待してしまいました。
好勝負に少し届かず。
Cプリンセス・タッグ王座戦:沙希様、メイ・サン=ミッシェル(ch)vs.マジカル・シュガー・ラビッツ(坂崎ユカ、瑞希)(10/9/21)
乱戦から始めるもコミカルさも交えて小休止。
坂崎、瑞希の華やかさに
メイ・サン、沙希様のコントロール力が
ちょうど良いバランスで混ざり試合を作りあげていますね。
チョコプロで一戦交えた瑞希とメイの攻防は
今回も鉄板で良かったです。
終盤もメイ・サンのモップ攻撃含め
リング映えする攻防で盛り上げました。
好勝負に少し届かず
Dプリンセス・オブ・プリンセス王座戦:山下実優(ch)vs.伊藤麻希(10/9/21)
山下の重い攻めに伊藤は劣勢。
山下の試合の型はぶれず、
芯の強さを感じさせ、絶対王者の風格。
それは非常に魅力的ではあって
それを伊藤がどう崩して攻略するか、という見せ場は見応えがありますが、
鉄柱やエプロンを反撃の切り口にし、
エルボーの打ち合いを売りの一つにするのは
やたらアンダードッグ的典型に落とし込み過ぎている気がして
こちら側の見方と作り方の間に認識のズレを感じざるを得なかった。
煌めく攻防、ドラマチックな絵姿もありますが、
プリンセス・カップの勢い考慮すれば
もっと伊藤のポジションを上げての攻防で良かったのでは、という心残りが。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:12/?/21)
Eインターナショナル・プリンセス王座戦:乃蒼ヒカリ(ch)vs.渡辺未詩(TJPW 11/25/21)
渡辺は体重移動が上手くメリハリのついた動きですね。
ただ全ての動きでメリハリつけようとしていて一部逆効果なので、
そこはこれからの伸びしろでしょうか。
対する乃蒼は上記インパクトで劣るものの
王者として軸が安定していて渡辺のパワフルさをしっかり引き立てていました。
中盤以降、ジャイアント・スイング、バーティカル・ハンマーと
得意技を巡る攻防を丁寧に重ねており、事前の練りこみを評価できます。
その上で雪崩式スポットも飛び出して白熱の一戦でした。
好勝負に届かずも中々良い試合。
(執筆日:3/?/22)
Fプリンセス・タッグ王座戦:マジカル・シュガー・ラビッツ(坂崎ユカ、瑞希)(ch)vs.121000000(山下実優、伊藤麻希)(11/25/21)
坂崎は怖い坂崎を演出し場外ボディ・スラム。
強者と渡り合うといってももう少し気を入れるシーン、抜くシーンあっても良いですね。
坂崎を押して試合の中心に立ったのは瑞希。
受けの表現をしっかりこなしつつ
カウンターが冴えわたっていて攻めへの反転がスムーズ。
攻防の質・良共に合格点を与えられる出来栄えで、
山下とのトップ・マッチは実に楽しみにさせる所がありました。
ただその前哨戦の色合いが少し強すぎるのと、
またTJPWのタッグはどうも他の団体と比べると
タッグの構造が緩くて合体技もシリアスから離れている点は憂慮する所ではあります。
好勝負に届かずも中々良い試合。
(執筆日:12/?/21)
注目試合の詳細
なし試合結果
@プリンセス・カップ準決勝:中島翔子vs.渡辺未詩(8/14/21)Aプリンセス・カップ準決勝:伊藤麻希vs.瑞希(8/14/21)
Bプリンセス・カップ決勝:中島翔子vs.伊藤麻希(優勝!)(8/15/21)
Cプリンセス・タッグ王座戦:沙希様、メイ・サン=ミッシェル(ch)vs.マジカル・シュガー・ラビッツ(坂崎ユカ、瑞希)(新チャンピオン!)(10/9/21)
Dプリンセス・オブ・プリンセス王座戦:山下実優(ch)vs.伊藤麻希(10/9/21)
Eインターナショナル・プリンセス王座戦:乃蒼ヒカリ(ch)vs.渡辺未詩(TJPW 11/25/21)
Fプリンセス・タッグ王座戦:マジカル・シュガー・ラビッツ(坂崎ユカ、瑞希)(ch)vs.121000000(山下実優、伊藤麻希)(11/25/21)