アメプロ大賞2021投票F:小泉"ダーティ"次郎
■MVP
1位:ブライアン・ダニエルソン
2位:ジョシュ・アレキサンダー
3位:ダニエル・ガルシア
MVPとして真っ先に頭に思い浮かぶのはアレキサンダーとダニエルソン。
アレキサンダーは一年を通して活躍した点で抜けており、
ダニエルソンはベスト・イン・ザ・ワールドという意味合いで
アレキサンダーすらも引き離しています。
悩ましい所ながらダニエルソンは波があった訳ではないことと
投票前の冬の活躍が印象には大きな影響を与えることを自覚しても尚、
vs.オメガ、vs.みのる、vs.キングストン、vs.オメガの4戦が強烈過ぎたのでわずかな差でダニエルソンを1位に。
アレキサンダーは優秀なレスラーでしたが、
遂に100%の評価、機会を与えられましたね。
準メジャーであるImpactでしたが、それを超えて評判を響き渡らせていて2021年は彼の年でもあったことは間違いありません。
3位はガルシア。USインディーといえば真っ先に彼です。
Limitlessというホームを超えて大活躍。
タイトル総なめでやりつくした上でAEWへのステップ・アップ。お見事でした。
■年間最高試合
1位:ブライアン・ダニエルソンvs.鈴木みのる(AEW Rampage 10/15/21)
2位:AEW世界王座イリミネーター・トーナメント準決勝:ブライアン・ダニエルソンvs.エディ・キングストン(AEW Rampage 10/27/21)
3位:NXT UK王座戦:ウォルター(ch)vs.イルヤ・ドラグノフ(WWE NXT Takeover 36 8/22/21)
2021年最も高い評価をつけたのは3位の試合ですが、
MOTYというのはその年を代表するという意味合いもあります。
その点で3位の試合は数え歌ですからこの位置に。
それを押さえてMOTYにするべき試合。
オーストラリアのピットvs.ギャビンやイギリスのオスプレイvs.RKJも良かったのですが、
ダニエルソンvs.みのる、ダニエルソンvs.キングストンの唯一無二性は
他を寄せ付けないものがあったように思いますね。
特にダニエルソンvs.みのるは小橋vs.ジョーのような
誰も想像していなかったカードで夢のような時間が流れました。
■最優秀タッグ
1位:ヤング・バックス
2位:ヤング・ガンズ
3位:RKブロ
1位はYバックス。
数年ずっと世界のトップを走っているので、
2021年がYバックスの年だったかといわれると
やや首を傾げつつもタッグ・スキルでいうと対抗できるのはFTRぐらい。
この下の2位、3位と比較しても別格感があります。
今年一気に伸びた勢いがあり、
コンスタントに好試合を残したヤング・ガンズを2位に。
3位は温故知新なスタイルが癖になるプリティ・デッドリーかな、と思ったのですが、RKブロに。
水と油が組む面白さは試合外にも波及していましたからね。
こういうのを生み出せるのはWWEの凄さですね。
■乗り越えようコロナ危機大賞
・オーストラリア・マット復活
再び難しい状況にはなっているものの
魅力的なオーストラリアが復活したのが2021年の嬉しいことの一つでしたね。
・パーフェクツ・プレイグラウンド・ブロウル:ジミー・タウンセンドvs.ウィリアム・プレストン(2/12/21)
WWEのサンダードームも7月になくなり、
シネマティック・プロレスのブームは落ち着いた感がありますが、
その中でオーストラリアでWWE Studio顔負けの完成度を見せた
上記の試合の存在はこの賞を借りて是非周知したいと思います。
■敢闘賞
1位:ドリュー・マッキンタイア
2位:アレックス・シェリー
3位:ジャングル・ボーイ
WWEで最高王座のトップ下を支えて
US王座の価値を押し上げたマッキンを1位に。
彼の名勝負・好勝負は15試合認定していますが、
その内の8試合は2021年のものでしたからね。
2位はシェリー。
ブランクを感じさせないテクニック、
そしてブランクを経て増した色気。
ガルシア去った後の2022年USインディー盛り上げに期待するのは彼の活躍ですね。
3位はJボーイ。
シングルでもタッグでも素晴らしい活躍。
AEWには続々と大物が参戦していますが、
その中でも埋もれないAEWオリジナルとしての存在感があります。
■最優秀女性選手
1位:マーシャ・スラモヴィッチ
2位:ビアンカ・ブレア
3位:ミッキー・ナックルズ
マーシャの後半の活躍っぷりは凄かったですね。
Beyond Wrestling≒マーシャというべきレベルで
毎週のように見応えのある試合を展開してくれました。
文句なしに1位に選出です。
インディーとはまた違うメジャー:WWEでの女性王者という責務を
しっかりこなしたビアンカを2位に。
ポニー・テールを武器に試合に組み込む攻防は
未来でフォロワーを生み出しそうですよね。
ミッキーの復活はIWA-MSファン、イアン・ロッテン・フリークスからしたら歓喜ですね。
活き活きとシバキ合って試合後にビールを飲むミッキーの姿は最高です。
■個人的イチオシで大賞
1位:マーカス・ピット
2位:マット・カルドナ
3位:海野翔太
オーストラリア・マットでギャヴィンと素晴らしい数え歌をしたピット。
コロナのせいで試合数は少なかったので敢闘賞に入れるのは憚られたのですが、
2021年に名前を刻むべき活躍を見せたのでここで1位に。
2位は元WWEという肩書を上手く活かしたカルドナを。
セルフ・ブランディングが上手かったですね。
3位は海野。試合面で言うと辻の方がすぐに物になりそうなのですが、
海野のエース性は他にない魅力があり、
それがイギリス修行で開花するのが楽しみです。
■新人賞
1位:ブロン・ブレイカー
2位:ロキシー
3位:アリス・インク
1位はNXT2.0のエースとして据えられたBブレイカー。
スタイナーの息子という背景をそのままスタイルに反映させるだけの資質がありますね。
まだ粗削りな部分もありますが、どのように成長していくか楽しみです。
2位はロキシー。
ROHが最後に遺した(?)贈り物。
まだ20歳ということで今後が楽しみです。
3位はインク。
本当にこのコロナ禍はインディー且つ非アメリカで
キャリアを始めるレスラー達にとって過酷な環境をもたらしています。
インクは女性版マラカイ・ブラックとしてインパクト満点なビジュアルと
ビジュアルだけでない頑張りを見せていますが、2020年はわずか2試合のみ。
2021年は何とか7試合こなすと共にトーナメント優勝の栄誉も手にしました。
2022年には王座を取ってイギリスやアメリカへの進出も果たして欲しいですね。
あとはキャリアが分からなくて推し切れなかったのですが、
2021年初めて知って一気に気になったレスラーはダミアン・タングラですね。
■最優秀大会
1位:AEW Full Gear 11/13/21
2位:AEW All Out 9/25/21
3位:GCW Tournament of Survival 666 6/5/21
最優秀大会でいうとAEWがぶっちぎり。
試合の平均クオリティ、大会としてのまとまり、
次につながる期待感、どの面で見ても完成されていましたね。
1位、2位はそれぞれ完結編、と新たな時代への突入、
違う意味合いを持っていて好みが分かれる所でしょうね。
3位もAEWのDouble or Nothingを選出しそうな所でしたが、
GCWのデス・マッチ・トーナメントを。
内容も充実していましたが、クーガーがビッグ・ネームに化けた特別な大会だったことが大きいですね。
■最優秀団体
1位:AEW
2位:Impact Wrestling
3位:RPW
上記最優秀大会のラインナップを見れば1位は文句なし。
2位はImpact Wrestling。
今や準メジャーの位置づけですが、
AEWとの絶妙な距離感でのコラボには
第3極として割り切る中での戦略性を感じさせました。
物足りない所もない訳ではないですが、2021年注目度を取り戻してきたのではないでしょうか。
3位はUSインディーで一番好勝負を生み出したBeyond Wrestlingが候補でしたが、僅差でRPWを。
新日とのコネクションも使いながら安定した大会運営を見せました。
日本とアメリカだけではつまらないですからね。
イギリス・マットを再興させるべく2022年もリーディング・カンパニーとして期待です。
■頑張りま賞
1位:ブレイ・ワイアット
2位:CMLL
3位:NXT 2.0
WWE離脱組で今後活躍してくれるのか気になるレスラーは多いですが、
その中でも大物に部類されるのがワイアット。
WWEでの直近の活躍が余りに映像プロレスに寄り過ぎていたのもあって
どのように下野するのかが気になりますね。
2位はCMLL。
ミステリオJr.が出てきた以来の軽量級天国になって気概を見せているAAAに対して
ちょっと元気のないCMLL。
新陳代謝が悪い印象なので新しい変化の波を生み出して欲しいですね。
3位はNXT 2.0
年末のPPVは一定の成功を収めました。
2.0世代のレスラーは決して悪くない期待のレスラーが揃っているのですが、
NXTからの方向転換はまだ受け入れ切れていない所が多く、
先日までNXT王者だったチャンパがMain Eventに出ているのを見ると不安感しかありません。
■最優秀抗争
1位:ケニー・オメガvs.アダム・ペイジ
2位:ニック・ゲイジvs.マット・カルドナvs.ジョン・モクスリー
3位:セス・ローリンズvs.エッジ
MOTYには選出しませんでしたが、
丁寧に紡がれたペイジのAEW王者に向けた一大叙事詩は2021年を代表するものでした。
2位はGCWから。
一インディーを超えたセンスを再び見せつけたストーリー展開でした。
3位。セス、エッジ共にその商品価値を最大化させた良い抗争でした。